K-Popアイドル NewJeans のストリーミング・ヒット "Ditto"、"OMG" は、
全米チャートでは結局それほど...って感じで終わった。
と思いきや、今度は Fifty Fifty という新人アイドルグループが台頭してきて、
"Cupid" という曲がK-Popが比較的売れにくい全英でも急上昇中(もちろん全米でも)!!
...ちなみに NewJeans の "Ditto" はけっこう好き。
グローバル・チャートの話です!
1年前もグローバル・チャートの記事書いてたな~と思って、また偉そうにまとめてみたくなりました。
とはいえ、分析とか言ってる割に短くて、軽い内容になると思います!承知おきください!
今回やること↓
①2021年のグローバル・チャートの「国」分析
②2022年のグローバル・チャートの「国」分析 & 昨年との比較
①2021年のグローバル・チャートの「国」分析
2021年の1年間を通して、グローバル・チャートのTop10に何か国のアーティストが1回以上ランクインしたかなどをまとめました。リード・アーティストのみ出身国をカウントしていて、ホリデー・ソングのアーティストはカウントしていません(毎年同じような感じになるので)。
(※「曲数」はあまり気にしないでください。)
2021年は合計11か国でした。北米から3か国、中南米から2か国、ヨーロッパから3か国、アジアから1か国、アフリカから1か国、オセアニアから1か国で、六大陸すべてからTop10ヒットが出ています。上表の「アーティスト数」を見ると、グローバル・チャートTop10にランクインしたアーティストはやはりアメリカが一番多いということが分かりますが、突出しているのが興味深いです。アメリカの次に世界的アーティストを多く輩出している国といえばイギリスのイメージが強くて、上表でもそれは正しくなっているのですが、こんなに差があるのか、と思いました。また、グローバル・チャートは別の記事でその特徴を個人的にまとめていて、その中で同チャートはラテン音楽の勢力が強い、としていたのですが、思ったほど多くのラテン・カントリーが入っていません。ラテン音楽は中南米の主要な音楽ですが、その中でも世界的アーティストが出てくるのはプエルトリコとコロンビアに限られているような感じです。アジアも、韓国の、それも説明不要の超大物アイドルだけなので、(日本も特にアニソンは惜しいところまできているのですが)同チャートで大成功する人が限られている印象です。
②2022年のグローバル・チャートの「国」分析 & 昨年との比較
2022年は13か国で、この年も6大陸すべてから1人以上Top10にランクインできています。...ただ、細かいことを言うとオセアニアのオーストラリアの「1」はザ・キッド・ラロイで、"Stay" が前年に引き続き大ヒットしたということで2022年の新しいヒット曲というわけではありません。つまり、2022年はオセアニアから新しい世界的ヒットは出なかったということになります。一方、中南米からは5か国が世界的ヒットを出していて、グローバル・チャートにおける大陸の強い存在感を感じますね。
前年と比較すると、まず北米は相変わらずアメリカが最も多くのTop10ヒット・アーティストを輩出していて飛びぬけています。イギリス出身のアーティストの活躍がめざましい年だったと記憶しているのですが、それでもアメリカの2分の1以下でしたね。カナダは2年連続で2人以上がヒットしていますが、その2人は重複していて、はっきり言ってグローバル・チャートで大成功するのはジャスティン・ビーバーとザ・ウィークエンドとドレイクの3人のみです。2022年はその3人のうちザ・ウィークエンドとドレイクがTop10入りしました。
次に中南米は、プエルトリコとコロンビアだけだったのが、一気に拡大です!アルゼンチンとブラジルからもラテン・ミュージシャンが世界的ヒットを飛ばし、次はチリとかペルーからもヒットが出てきそうな予感!バルバドスの「1」は音楽活動に復帰したリアーナで、彼女は英語の歌手なのでラテン勢とは別の括りですが、カリ・ウチス然り今後本格的にラテン・ミュージックに傾く可能性もあります(カリ・ウチスはコロンビア出身だが、英語の歌手として2017年にデビューした。しかし、2021年に母国語のスペイン語でラテン・アルバムを作り、それは大ヒットした)。
ヨーロッパは、イギリスのみ安定で、他はEDMヒットによる...という感じでしょうか。グローバル・チャートでは1年に1曲ぐらいEDMソングがTop10入りヒットになるのですが、そのアーティストがどこ出身かというと、EDMソングの大ヒットはアメリカやヨーロッパから出やすいですが、ヨーロッパから出た場合、それは必ずしもこの国が強い、というのがありません。オランダはマーティン・ギャリックスなどを輩出していてEDM大国というイメージもありますが、他のヨーロッパの国々を大きく出し抜くほどではないです。なので、どこ出身かはほぼランダムで、ヨーロッパのイギリス以外は、1年に1枠ぐらいのEDMヒットをどこが出すか...といった感じですね。2021年はスウェーデン(スウェディッシュ・ハウス・マフィア)、2022年はフランス(デヴィッド・ゲッタ)でした。
アジアは相変わらず韓国の一強ですが、アーティストに変化がありました。某世界的アイドル2組の(ソロ含む)「4」以外に、キャリアの長いK-Popスターが「2」ランクインしています。申し訳なくも自分は知らなかったのですが日本でも知名度の高いボーイズグループ BIG BANG と、「江南スタイル」の PSY(サイ)さんですね。記事の冒頭でもつぶやきましたが、これまでは某2組のみの世界的大成功だったのが、彼ら以外の韓国アーティストもストリーミングで成功して台頭してきています。いい流れと言えるでしょう。
アフリカは、ナイジェリアが2年連続。ナイジェリアだけ...?とも思ってしまいそうですが、そもそもアフリカから世界的ヒットが出るなんて一番予想できませんでした(失礼ですが)。それも、英語こそ使っているものの、世界的に広まりやすいダンス・ミュージックとかではなく、現地の音楽(「アフロビート」)です。決して一時的なブームで終わってほしくないですね。
最後に、オセアニアは、上述の通り2022年は新しい世界的ヒットが出ませんでした。これまでの経験から、1年に1曲はオーストラリア出身のアーティストによる大ヒットが出る(2018 → ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー "Youngblood"、2019 → ディーン・ルイス "Be Alright"、2020 → トーンズ・アンド・アイ "Dance Monkey"、2021 → マスクド・ウルフ "Astronaut In The Ocean"...といったふうに)傾向があると考えていたのですが、2022年はそうなりませんでした。オーストラリアのDJ、Luude による "Down Under" (2022) はヨーロッパでは大ヒットしましたがグローバル・チャートでは下位でしたからね...。
...以上、いつもより時間をかけずに書いたので多分読みづらくなっていますが、以上です!なお、グローバル・チャートは2020年9月に発足したので2020年のデータをとっても2021、2022年のデータとは比べられないのですが、一応表は作ってみました。良かったらご覧ください。(※カナダのアーティスト数、4ではなく3で間違っています!)