PnBロック。
自分がチャートを見始めた頃にはもうすでに名前は知れ渡っていて、
自分もチャートで何回か名前を見ていた。
聴いたことあるのはエド・シーランの "Cross Me" だけだったけど...。
それにしても、残忍で最低な事件!!
タイトルの通り、全米チャートでのカントリー音楽のパフォーマンスを簡単に表します。
前はアルバムについて書きましたが、今回はシングルについてです(アルバムの方)。
カントリー・シングルのチャートでのパフォーマンスは非常に特徴的で面白いのですが、とりあえず今回は下記の題目でやっていこうと思います。
①年間で新たにチャート Top10 / Top20 入りしたカントリー・ソングの数
②総合の年間チャートにランクインしたカントリー・ソングの数
①年間で新たにチャート Top10 / Top20 入りしたカントリー・ソングの数
まず、定義から。1年間(52週分)で新たに Top10 / Top20 入りした曲、ということで例えば2001年に一度 Top10 入りした曲が2002年に再び盛り上がって再 Top10 入りしても、この曲は2002年の Top10 入り曲としてカウントされません。一方、今回はこのようなケースが無かったので考えなかったのですが、例えば2001年に11位~20位にランクイン(Top20入り)した曲が2002年に再び盛り上がって最高位を更新し、Top10 入りを初めて果たすケースもあります。この場合は、統計の対象を Top10 入りのみに定める場合を除いて、2001年の Top20 入りヒットとし、2002年のヒットにはカウントしないことにしました。1つの曲は複数年にまたがってカウントしたくないという趣旨で、ヒットの規模としては2002年の方が大きいのですが、先に Top20 入りという記録を出した2001年を優先します。...今考えたルールですが。
次に、前提。ざっくりとですが、1年間に新たに Top10 入りする曲は大規模チャート・アクションの影響をある程度緩和して数えて50曲くらいだと思います。平均を出したわけではないので説得力に欠けますが。Top20 入りは数えるのが面倒なので実験的に数えてすらいませんが、90~100曲くらいなのでは?と...。すみません、それくらいは今度は徹底するようにします。
とりあえずそんな感じで2017~2022年の記録を簡単に表してみました。👇
まず、Top10 / Top20 入り曲数が少ない!ということが分かります。Top10 レベルでは、2016年~2019年は1年に1曲Top10 入り曲が出てくるかどうか、といった感じでした。年間で約50曲が新たに Top10 入りするなか、カントリーは1、2曲というレベルで、割合にして全体の2%です。ブログで何回か言っていたことですが、カントリーはチャート上位で弱い、ということがまずここで証明できました。📜
ただ、時系列で見てみると、2019~2020年のデータは目を見張る前年からの増加であり、急にカントリー・シングルの勢いが良くなっていることが分かります。体感的に異変を感じたのは2019年の10月頃でしたね、ほどほどに実力と人気があるカントリー・アーティストが次々に上位に入ってきて。そして2020年。次々に、なんてものではなくどんどん入ってきました、アーティストのキャリア史上初の Top10 / Top20 入り!という人も多かったです。2021年は少し落ち着きましたが、それでも2018年以前の状況を知っている身からすれば異常で、ここ数年で一気に変わったな~、と思ってます。はっきり言って、要因はストリーミングですね。元々カントリーはあまりストリーミング消費されないジャンルだったのですが、ストリーミング自体のさらなる普及と、それに合わせたレーベルのストリーミング戦略(ストリーミング消費に合った音楽を制作させる。尺を短くする、サビを曲の最初に持ってくる、など)によってカントリーもストリーミングでたくさん聴かれるようになりました。2020年はパンデミックの年で、CD・ビニール等の実物媒体の購買が疎遠になったことでそれがさらに加速したということですね。
ちなみにカントリーと同じで元々ストリーミング人気が薄かったジャンルにロックがありますが、ロックはストリーミングがいくら普及してもロックのストリーミング人気は上がらず、なかなか主要ジャンルに返り咲けません。なぜかというと、そもそもロックは派手で壮大な曲が多く、尺も長くて「軽い曲」が流行りやすいストリーミングには不向きです。ストリーミング戦略をとっているアーティストもいるにはいるのでしょうが、少数派だと思います。これを「時代の変化に合わせられない不器用なジャンル」と捉えるか「一時代を築いたプライドで時代の変化には簡単に動じないジャンル」と捉えるかは完全に人それぞれですが、私は後者に思いっきり傾いています。...メインテーマとは関係ない話でした。
2022年は9月現在で Top10 入りが2曲、Top20 入りが6曲という状況です。このままいけば前年比微増か横ばいですね。ちなみにこのうち3曲が1人のアーティスト(モーガンさん)によるもので、Top10 入りの2曲は両方彼のものです。独占度の指数とか作ったら、2022年は他の年と比べてちょっと目立ちそう。
追記:2022年の新規Top10入りカントリー・シングル・・・3曲
新規Top20入りカントリー・シングル・・・7曲
(↓補足です。読みづらいし、痛いことも書いてあるので本当に興味のある方だけ!)
なお、これは「名目値」によるデータです。名目というと実質もあるのか、という話ですが、偉そうに言うと自分の基準で作りました。何かの媒体がヒット曲を紹介するとき、よく「全米〇位のヒット曲」という風に紹介します。つまり、最高位がヒットの度合いを示す指標として一般的に用いられているわけで、私も普通にそうしています。しかし、本来は「ロングヒット性」や「大規模チャート・アクションの影響」も考慮すべきであり、それらをひっくるめたヒット指標を作るべきだ、と勝手に考えました。そこで、チャート上で直接得られる最高位というデータを「名目値」とし、一方で上記2つのことも考慮して計算した値を「実質値」とすることにしました。早いころから最高値の意味に疑問を持っていたので、2018年頃からこの作業を行っています。計算の詳細は省きますが、例えばケイン・ブラウンの "Lose It" は名目値(最高位)では28(位)で Top40 入りしていますが、実質値では54で全然違いました。基本的に名目>実質で、上位を記録しても上位を長くキープできなければ2つの値の乖離は大きくなります。"Lose It" は28位という上位を記録しましたが、Top40 内に居座ったのはわずか2週でロングヒットの観点からはマイナスの要素が多かったということです。
...と、ここまで偉そうにしてきましたが、あくまで主観による指標です。特に「大規模チャート・アクション」の考慮に関しては主観性が強く、客観性を著しく欠いている可能性があるためとても公に堂々と発表できるものではなく、はっきり言って自己満足です。ただ、このブログもほとんど自己満足で書いているので、指標の値を直接出すことは避けるにしてもけっこう指標を参考にした記述をしてしまうことがあります。指標ではピークの時期も明示させているのですが、主にそれですね。「〇〇という曲は2002年がピーク」と言ったらそれは指標を参考にしていることがほとんどで、そのため100%一般論ではありません。そのため、今更ですが上のような文言を見たらこれは確実な一般論ではないのだと注意してください。
最後に、もう一つ言うと2022年はこの指標を出す作業を完全にサボっています。そのため、さらに自作の指標について堂々とした態度をとれません。けっこう面倒くさいことでもあるので、いつかやろうと思いつつずっと停滞しています。そんなわけで、しばらくはこの指標を自慢するような記述はないと思われます。御安心ください。
②総合の年間チャートにランクインしたカントリー・ソングの数
これはそのままですね。米ビルボードが毎年12月頃に発表している年間チャートの総合盤(全ジャンル対象)100位以内に、カントリー・ソングが何曲入るかということです。年間を通してヒットした曲は何か、ということでロングヒットした曲が特に評価され、上位に行きやすいです。ただし、ロングヒットしたといっても上位でしなければ意味がないので、最高位で上位を記録して、かつ上位でロングヒットした曲が年間チャートの50位内に入ります。そしてそこから漏れた「最高位は高いけど上位でロングヒットしなかった曲」が51~100位に多数ランクインするというのが近年の傾向になっていますね。同じく2017~2021年のデータを表してみました。
(👆 なぜか今度は縦棒...)
やっぱりここでもカントリーは劣位で、その年を代表する大ヒットといえる年間チャート50位以内にはカントリーは毎年数曲しかランクインできません。割合で表すとわずか4%程度で、ちなみにロックやEDMもこんな感じです。まあ、だからこそ50位以内に入った数少ないカントリー・ソングは超カッコよく見えて、年間チャートを見るときはいつも「今年は50位以内に何曲入るかな?」と異常なくらい興奮してしまうのですが。
時系列で見ると、①の結果と比例していることが何となく分かります。2018年までは控えめだったけど、2019年から数が一気に増えてきて、2020年には爆発!っといった感じの増加に。50位以内はまだまだ厳しいですが、2020年は100位以内に19曲もカントリーがランクインしており、ほぼ全体の20%です。年間チャートが100位以内に受け入れるのはおおよそ(通常の週間チャートで)Top40 レベルでヒットした曲群で、その意味で年間チャートを見ることでその年の Top40 レベルのヒットを多く知ることができ、年間チャートはカントリーの①では省いた最高位21位~40位のヒット曲もかなり記録してくれています。つまり、上のデータは①よりも広範で、より正確にカントリーの勢力の動向を示してくれているわけですね。さすが年間チャート様。👏
最後に、ちょっと独占について述べます。2017年、2018年は同じカントリー・アーティストの曲が2曲以上100位以内に入ることはなかったのですが、2019年はダン + シェイが3曲、ルーク・コムズが2曲を100位以内に送り込んでおり、2020年はケイン・ブラウンとモーガン・ウォーレンも複数曲をランクインさせています。メインストリームで活躍しているカントリー・アーティストの、1年間に輩出するヒット曲の数は1、2曲がスタンダードですが、上記のアーティストたちはそれの例外になる可能性が。特にモーガンさんは今年既に3曲はヒットさせているので、彼らのような例外が年間チャートに起こす出来事も楽しみにしていようと思います。
いないとは思いつつも一応いるという前提で、このブログをずっと見てきてくださっている方へ。
私は同じような内容を複数の記事で何回も繰り返していると思います。
前の記事を振り返っていないことが原因です...ご容赦ください。
必要に応じて、引用も使いこなさなければ。
というわけで、この記事の文章は何回か再利用されるかもしれません。...特に最後の年間チャートの説明とか!