半年ぶりに中国にやってきた。中国での人脈づくりと挨拶回りのためである。今後の人生をいろいろ考えたが、やはり、20年以上もいた中国とは縁が切れそうもない。リスク覚悟で、再び前職の日中間のコンサルティングを今度は自分でやってみようと思う。
日本人が中国を好きか嫌いかにかかわらず、世界中の金融、経済等多くの領域でこの国の影響力が増すことは間違いない。中国人と多くの接点を持ち、中国人の考え、発想を理解しておくことは、今後あらゆるビジネスを展開するうえで、また、自己防衛のために必要になってくると思う。世界のエネルギー、金融市況などにおいて、すでに中国の影響力は無視できないものになっているし、いずれ中国の為替規制、資本規制などが緩和されるに従い、日本の株式市場や不動産市場などをもかく乱することになるかもしれない。
最近日本では中国に関する負のイメージ情報ばかりが蔓延している感じがするが、急拡大する消費パワーの取り込みに成功すれば、多くの日本企業で業績への貢献も期待できる。もちろん、中国だけでなく、アジアのその他新興国(インド、ベトナム、ミャンマー、ラオス等)でも消費は拡大しており、そうした新興国での展開も考える必要があろう。少子高齢化、人口減少という大きな構造問題を抱えながら打つ手がない日本で落日を待つより、市場が拡大している新興国に打って出て勝負する企業が増えていかないと、日本は本当に大きく地盤低下しかねない。
さて、久々の上海だがこのところの円安もあってか、円ベースに直すと物価が非常に高く感じられる。スーパーの中を見渡すと、飲料、それに一部食料品、地元の日用品ぐらいはまだまだ日本と比べて安いが、相対物価でみると決して安いともいえない。上海は一人当たりGDPがおよそ1万数千ドルで日本の3分の1程度だと思われるが、絶対物価でも高いものも結構ある。ちょっとしたレストランや喫茶店は日本より高く感じるし、昔は安いと感じたマックもKFCも商品によっては、絶対価格でみてもほとんど格差はないのではないかと思われる。
タクシーや地下鉄、飛行機や高速鉄道など交通手段は日本よりはかなり安い。しかし、タクシーは相変わらずオンボロで乱暴な運転であり、身の危険を感じるので、できるかぎり地下鉄に乗るようにしている。飛行機も高速鉄道の料金も日本と比べれば安いが、中国駐在期間中累計で数百回は乗った飛行機は遅れが頻繁かつ遅れた時の乗客への対応が悪く、あまり快適だったという記憶はない。高速鉄道は速いが、駅のごちゃごちゃした待合室で待たされ、いざ乗る時にも関所を通り抜けるように、つっかえながら進まなければならないため、3~5分前に駅に到着すれば新幹線に十分間に合う日本とは効率が全く違う。また、飛行場や高速鉄道の駅は大見栄をはってしまったせいか無駄に広く、出入りの時間がかかる。せっかく、乗り物は高速なのに、トータルの時間で見るとあまり高速でなくなってしまうのは真に残念である。
さて、話を物価に戻して最後は不動産である、私が中国駐在を解かれた今年の年初と比べ、元ベースでの不動産価格はそれほど変わっていない感じであるが、円ベースにすると日本的にはオンボロのマンションでも、市の中心なら億ションは当たり前である。したがって、不動産価値で換算すれば億万長者(資産家)は、石を投げても当たるほど数多くいる。元々不動産バブル撲滅のため、様々な規制を加えていたはずだが、経済成長率の減速にさすがに李克強首相も肝を冷やしたのか、9月に不動産のローン規制も緩め、11月には金融緩和も行った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/4c/08cbfe2d55f3c9539fc4eabd7ebcebb0.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/d0/14a6d2637ed5faa707960cf0aca317d7.jpg)
もはや新規で住宅に投資して賃貸しても、預金金利よりかなり低い2%程度の利回りも出せるか分からない状況だと思われるが、それでも大きな値崩れを起こしていないのは中国七不思議の1つであろう。何せ中国では、信じられないことだが中古と新築の値段にそれほど開きがない。正直、中国の不動産物件は構造も資材も総じて安普請で、内装もほとんどないに等しいため、高級マンションも普通のマンションも建屋自体の価値にそれほど大きな差はないと思われる。メンテナンスも悪いため、老朽化はものすごいスピードで進んでいる。マンションの中には、完成から数年で外壁が薄汚れて、ボロボロになり、エレベーターにガタが出ているものも多い。私がかつて上海で住んでいたところは賃料からして、高級マンションだったが、そんなマンションでも水道管が破裂し、部屋中水浸しになったことが2度あった。
また、老朽化の激しさに加えて、中国の不動産は日本の定期借地権に似た、期限付きの土地使用権であり、物件の価値は理論的には毎年減価しているはずだが、これも不動産価格にはほとんど反映されていない。そんな先の事は、誰にも分からない、或いは政府がそんな人民を敵に回すことをできるわけがないということだと思うが、確かに本当にそこで期限を切ってしまったら大暴動が起きるだろう。
中国の不動産市場はまちがいなくバブルだと思うが、中国政府が崩壊しないようにコントロールしている点では、バブル崩壊を野放しにせざるを得なかった日本より賢いのかもしれない。そして、政府のそうしたコントロールを可能にしているのが、共産党の一党独裁のマスコミ統制がもたらす世論に対する政策パフォーマンスと情報の非対称性であろう。シャドーバンキングの実態も明らかにせず、政府と完全に一体の金融当局等を動かし、大げさにパフォーマンスすることで、人民はひとまず安心するのである。政府にとって一部情報を知らせないことは真に都合がよく、人民にとっても知らないことはある意味幸せなことなのかもしれない。所詮は問題の先送りにすぎないとは思うが、当面はまた不動産市場が持ち直す可能性もゼロではないのかもしれない。
日本人が中国を好きか嫌いかにかかわらず、世界中の金融、経済等多くの領域でこの国の影響力が増すことは間違いない。中国人と多くの接点を持ち、中国人の考え、発想を理解しておくことは、今後あらゆるビジネスを展開するうえで、また、自己防衛のために必要になってくると思う。世界のエネルギー、金融市況などにおいて、すでに中国の影響力は無視できないものになっているし、いずれ中国の為替規制、資本規制などが緩和されるに従い、日本の株式市場や不動産市場などをもかく乱することになるかもしれない。
最近日本では中国に関する負のイメージ情報ばかりが蔓延している感じがするが、急拡大する消費パワーの取り込みに成功すれば、多くの日本企業で業績への貢献も期待できる。もちろん、中国だけでなく、アジアのその他新興国(インド、ベトナム、ミャンマー、ラオス等)でも消費は拡大しており、そうした新興国での展開も考える必要があろう。少子高齢化、人口減少という大きな構造問題を抱えながら打つ手がない日本で落日を待つより、市場が拡大している新興国に打って出て勝負する企業が増えていかないと、日本は本当に大きく地盤低下しかねない。
さて、久々の上海だがこのところの円安もあってか、円ベースに直すと物価が非常に高く感じられる。スーパーの中を見渡すと、飲料、それに一部食料品、地元の日用品ぐらいはまだまだ日本と比べて安いが、相対物価でみると決して安いともいえない。上海は一人当たりGDPがおよそ1万数千ドルで日本の3分の1程度だと思われるが、絶対物価でも高いものも結構ある。ちょっとしたレストランや喫茶店は日本より高く感じるし、昔は安いと感じたマックもKFCも商品によっては、絶対価格でみてもほとんど格差はないのではないかと思われる。
タクシーや地下鉄、飛行機や高速鉄道など交通手段は日本よりはかなり安い。しかし、タクシーは相変わらずオンボロで乱暴な運転であり、身の危険を感じるので、できるかぎり地下鉄に乗るようにしている。飛行機も高速鉄道の料金も日本と比べれば安いが、中国駐在期間中累計で数百回は乗った飛行機は遅れが頻繁かつ遅れた時の乗客への対応が悪く、あまり快適だったという記憶はない。高速鉄道は速いが、駅のごちゃごちゃした待合室で待たされ、いざ乗る時にも関所を通り抜けるように、つっかえながら進まなければならないため、3~5分前に駅に到着すれば新幹線に十分間に合う日本とは効率が全く違う。また、飛行場や高速鉄道の駅は大見栄をはってしまったせいか無駄に広く、出入りの時間がかかる。せっかく、乗り物は高速なのに、トータルの時間で見るとあまり高速でなくなってしまうのは真に残念である。
さて、話を物価に戻して最後は不動産である、私が中国駐在を解かれた今年の年初と比べ、元ベースでの不動産価格はそれほど変わっていない感じであるが、円ベースにすると日本的にはオンボロのマンションでも、市の中心なら億ションは当たり前である。したがって、不動産価値で換算すれば億万長者(資産家)は、石を投げても当たるほど数多くいる。元々不動産バブル撲滅のため、様々な規制を加えていたはずだが、経済成長率の減速にさすがに李克強首相も肝を冷やしたのか、9月に不動産のローン規制も緩め、11月には金融緩和も行った。
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もはや新規で住宅に投資して賃貸しても、預金金利よりかなり低い2%程度の利回りも出せるか分からない状況だと思われるが、それでも大きな値崩れを起こしていないのは中国七不思議の1つであろう。何せ中国では、信じられないことだが中古と新築の値段にそれほど開きがない。正直、中国の不動産物件は構造も資材も総じて安普請で、内装もほとんどないに等しいため、高級マンションも普通のマンションも建屋自体の価値にそれほど大きな差はないと思われる。メンテナンスも悪いため、老朽化はものすごいスピードで進んでいる。マンションの中には、完成から数年で外壁が薄汚れて、ボロボロになり、エレベーターにガタが出ているものも多い。私がかつて上海で住んでいたところは賃料からして、高級マンションだったが、そんなマンションでも水道管が破裂し、部屋中水浸しになったことが2度あった。
また、老朽化の激しさに加えて、中国の不動産は日本の定期借地権に似た、期限付きの土地使用権であり、物件の価値は理論的には毎年減価しているはずだが、これも不動産価格にはほとんど反映されていない。そんな先の事は、誰にも分からない、或いは政府がそんな人民を敵に回すことをできるわけがないということだと思うが、確かに本当にそこで期限を切ってしまったら大暴動が起きるだろう。
中国の不動産市場はまちがいなくバブルだと思うが、中国政府が崩壊しないようにコントロールしている点では、バブル崩壊を野放しにせざるを得なかった日本より賢いのかもしれない。そして、政府のそうしたコントロールを可能にしているのが、共産党の一党独裁のマスコミ統制がもたらす世論に対する政策パフォーマンスと情報の非対称性であろう。シャドーバンキングの実態も明らかにせず、政府と完全に一体の金融当局等を動かし、大げさにパフォーマンスすることで、人民はひとまず安心するのである。政府にとって一部情報を知らせないことは真に都合がよく、人民にとっても知らないことはある意味幸せなことなのかもしれない。所詮は問題の先送りにすぎないとは思うが、当面はまた不動産市場が持ち直す可能性もゼロではないのかもしれない。
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