ここ数年「上級国民」というワードがちょこちょこ聞かれます。
最近では立川志らくさんの発言が「上級国民」と指摘され話題になっています。
発熱があり、PCR検査を受けて翌日には「陰性」だったことを説明した際に
「そんなに早く検査できるのは上級国民だけ」
と指摘されたのが始まりでした。
その指摘に対する志らくさんの答えは
「芸能人や有名スポーツ選手はかかりつけの医者がいる。大企業なども提携する病院があるので、別に上級国民というわけじゃない」
というものでした。
この回答が火に油を注ぎ、
「それこそが上級国民だろう」
と更に批判が集まりました。
それに対しても、
「持病があって通っている医者がいて、その病院が検査対応していただけ」
「検査対応していなかったら、検査出来る病院を紹介してもらえる。」
「かかりつけの医者を持っている事が重要」
※ホームドクター制のことも言ってましたが、「かかりつけ医者」と「ホームドクター」の違いがわからず、発言の意味がわからないので割愛します
、、ツッコミ所満載だと思うのは私だけでしょうか??
最初に例えで出している
「芸能人」
「有名スポーツ選手」
「大企業」
これこそ上級国民と言われる人達です。
お金もしくはステータスがあり、だからこそ良い医者や病院を紹介してもらえる。
以前、ウチは子供ができず都内の某有名クリニックで不妊治療を受けた事があります。
「一般人」窓口は非常に込み合い、朝は開院待ちの行列に並び、それでも2時間〜3時間待ちはザラでした。
後で知ったのですがそのクリニックは有名人の受診も多く、「一般人」とは別の入口があり、院長や腕の良い医者は全員有名人の治療しかしないそうです。
極端な例ですが、これが志らくさんの言う
「芸能人やスポーツ選手のかかりつけ医」
なのだと思います。
そして「検査出来る病院を紹介してもらえる」との発言ですが、これも「上級国民」の発想だと思われます。
我々「庶民」もかかりつけ医は持っています。多くは近所の町医者やクリニックでしょう。
私の場合、子供がまだ小さいので5月〜8月までの間に39度以上の発熱が3回ありました。
かかりつけの小児科で見てもらい、毎回「3日発熱が続いたら保健所に連絡して検査するか相談しよう」という判断でした。
直近の8月はじめの発熱は3日で下がらず、再診すると血液検査・レントゲンをして、
「症状からも新型コロナではない」
と診断してもらい、結局検査はしませんでした(翌日熱は下がりました)。
これが「庶民」の現実だと思います。
希望しても即検査とはならず、検査必要となっても「まず保健所に連絡」です。
※東京では医師会が40ヶ所以上の「検査会場」を開いているので事情は違うかもしれませんが、それすら「地域間格差」だと思います。
やはり「即日PCR検査を受けられる」というのは上級国民と言われてもしょうがない気がします。
そしてそれよりも重要なのは、私のような庶民にとってPCR検査は
出来れば受けたくないもの
だということです。
これは私だけの考えかもしれませんが、正直に書いてみようと思います。
もしも検査を受けて「陽性」となったら無症状であっても
2週間の隔離
となるでしょう。
その間の仕事はどうなる??
妻は時給制のパートなので最低でも2週間分の給料がなくなります。それどころか辞めることにすらなりかねません。
私は正社員ですが零細企業で業績もコロナの影響を大きく受けているので、2週間も私が休んだらヘタしたら倒産するかもしれません。
休業給付金がありますが、妻の勤め先も私の会社もちゃんと申請するのかわかりません。
※もしかしたらちゃんと補償されるのかもしれませんが、制度が複雑なので確信が持てません。
それだけでなく、子供達が2週間も外出禁止でいられるか。大人はともかく好き嫌いの多い子供達の食事をちゃんと用意出来るか、、
心配の種はきりがありません。
診てもらった小児科の先生はとても良い先生で、そういう「庶民の事情」も考慮して血液検査やレントゲンなど出来る限りの事をして検査を避ける方向で診てくれたのだと思います。
これは感染拡大防止の視点からすれば
いけない事
だと分かっています。
感染拡大防止のためには、今の状況で発熱があれば
「検査してください」
とこちらから頼まなくてはならないと思います。志らくさんと同じように。
志らくさんは自身の正義感や責任感から検査を受ける事を選んだのだと思います。
それは正しく、素晴らしいことです。
でも、もし陽性だった時に
芸能界に復帰出来ない
としたら、それでも検査を受けられたでしょうか?
検査を受けても受けなくてもコロナに感染したら感染しているのに、
感染している
と検査結果が出たら自分と家族の人生が終わってしまうかもしれない。
だとしたら「検査を受けない」という方を取ってしまうのはやむを得ない事ではないでしょうか。。
経済的な問題で検査を受ける事を躊躇する、というのは世界的に起こっている
「コロナが炙り出した格差問題」
なのですが、日本ではそのことがまだ十分認識されていない気がします。
次回はそのことについて掘り下げて書いてみようと思います。
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