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オリンピックと技能実習生 その二

2021-07-31 23:18:19 | 日記

前回の記事で「オリンピックと技能実習生」とタイトルをつけたものの、オリンピックの問題点しか書かなかったので、今回は改めて技能実習生について書こうと思います。

 

まず、この記事をご存知でしょうか??

 

 

「この制度は危なすぎる」 五輪でも露呈した日本の人権意識の低さ、“ヒーロー” 弁護士が指摘する問題とは

 

ヒーロー弁護士、と聞くとなんとなく胡散臭く感じますが、内容はまじめな物です。

 

ベトナムから来た技能実習生の女性が妊娠したが、「妊娠が知られたら帰国させられる」と隠したまま双子を出産したが死産だったために箱に隠した、というう事件について裁判が行われ、その判決が先日出ました。

 

判決は「死体遺棄」で有罪。

 

この判決について「残酷過ぎる」と主張する弁護士の意見を取り上げた記事です。

 

 

母国ベトナムで借金を背負い、「妊娠しない」と契約書を書かされて来日したこの女性。

 

彼女は奴隷でもなんでもない「技能実習生」です。妊娠・出産して通学する大学生も当たり前になった今、なぜ技能実習生は妊娠したら帰国しなければならないのでしょうか。

 

 

技能実習生なんてよくわからない

 

と思う人もいるかもしれませんが、実は私達の身近に存在する制度です。

 

コンビニや飲食店の店員が、外国人が増えたと思いませんか?

 

彼らが「技能実習生」です。技能実習生がコンビニで働いたり、飲食店で料理を運んだりしているのです。

 

 

この「技能実習生」という制度は、前から「体のいい低賃金労働制度」と言われ続けています。

 

ベトナムはじめ東南アジアの途上国から「出稼ぎ」させ、法外な低賃金で働かせ、問題が出たらすぐに捨てる。

 

そんな悪徳制度であっても、母国で働くより割がいいために次から次へと新しい技能実習生が来日します。

 

日本国内で低賃金・悪条件で働くだけでもひどい話ですが、先述した母国での借金も輪を掛けてひどいものです。

 

母国では絶対に払えないような額の借金をすることを「技能実習生」となる事の条件とし、日本に行ってから帰れないように仕向ける周到さ。

 

そのために問題が発生した時に母国に帰れず、「行方不明」になる技能実習生か後を絶ちません。

 

さらに「妊娠したら帰国」「職場変更を希望したら帰国」などという条件を追加することによって、日本に行ってからの職場が不利を被らない契約を次々と追加しているそうです。

 

これらの契約は斡旋を請け負う母国のブローカーが課しているそうですが、日本の「技能実習生」制度に関わる企業が損をしない内容からして日本側の関与は明らかです。

 

有罪判決を受けたベトナム人技能実習生は、

 

「妊娠が知られたら帰国させられる」

 

という恐怖で病院にも行けず、そのまま時間がたち、誰にも知られないまま出産したそうです。

 

恐怖によるストレスにより、かなり早く出産となり、その結果死産だった訳ですが、その双子の赤ちゃんをどうしていいかわからず、それでも捨てたり埋めたりすることはなく箱に保管した、というのが実情とのこと。

 

その女性に対して「有罪」と判決を下した裁判所。

 

 

これが、「平和の祭典」オリンピックを開催している日本の現実です。

 

 

オリンピック憲章は 平等、博愛、協調、団結 などを唱っています。

 

このベトナム人をはじめとする技能実習生制度は、果たして「平等」なのでしょうか。

 

先の記事でも書いた、目も耳も聴こえないパラリンピック選手のアシスタント帯同を認めないオリンピック委員会に「博愛」はあるのでしょうか。

 

もっと言えば、4000人を超える新規陽性者を出す東京でオリンピックを続ける事は「協調」「団結」を表しているのでしょうか。

 

 

繰り返しますが、オリンピックに出場する選手にはなんの関係もない話です。

 

彼らは純粋に競技に集中しているだけで、その目標としての到達点のオリンピックで活躍することは何も非難されることではありません。

 

けれど、そのオリンピックを主催するIOCや東京オリンピック組織委員会、それをサポートする日本政府に、選手たちの様な純粋な輝きがありますか?

 

 

もしIOCや組織委員会が本気でオリンピックを「平和の祭典」と考えているのであれば、開催国が行っている技能実習生という「奴隷制度」を許すはずがないと思うのです。

 

このコロナ禍で、オリンピックの選手達の輝きを楽しむのであれば、その前提として私達は「技能実習生」という悪徳制度を改善する責任があると、私は思います。



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