※この作品は、プレステ版“バイオハザード3 ラストエスケープ”を下敷きとした、
ファンフィクションです。残虐な表現が入っています。苦手な人は読まないで下さい。
今までの登場人物
全ての物語の主人公であり、白い猫 リオ
金髪の女の子 ジュリエーヌ(通称 ジュリ)
ジュリの母親 チェリベッサ(通称 チェリお母さん)
<バイオ3 獣記> 02 ショッピングセンター 認知
「怖いよぉ・・・お母さん」
「大丈夫よ。ここなら安全だからね。
ほら、リオちゃんも居るんだから、彼女を不安にさせちゃ駄目よ」
「ニャ!!(大丈夫だよ!!)」
怯えたジュリが、震えながら私の白い体を抱き寄せる。
私の勇ましい返事を聞き、親子二人の顔に生気が戻った。
狂った人物達により、チャラけた青年が外側で食されてから一時間程が経ったと思う。
センサーの反応しない自動扉から離れた私達は、一階のアトラクション広場に
集まり、各々長椅子に座り出した。
観賞用の植物、広々とした舞台、照明器具が幾つか設置され、ここで何かの催しが
出来る様になっている。色取り取りの風船が、直ぐにでも子供達に手渡せる様に
作られ、傍にある無人機械からはポップコーンの香ばしい匂いが漂っていた。
「ここに居れば安全だ。静かに救助を待とう!」
「そ、そうよね。あいつらの居る外に出るなんて、私は御免だわ」
黒髪のひょろひょろしたオタク風青年と、メガネを掛けたインテリスーツの女性が
喋り出す。
先程の事件により、センター内の客達は一か所に集まる者で溢れ返っていた。
ここに居れば、外界との接触は無いと問答が繰り返される。しかし・・・
「な、なあ。この事、テレビで報道されてないのかよ? 本当なら、スクープもんだろ。
ほら、ルーリア。熱いから気をつけろ」
「あ、ありがとう・・・ダイン」
「あ、ああ。人間が人間を食べるなんて、ホラー映画じゃあるまいし、狂ってるとしか
思えねえもんな。俺にまで噛み付いてきやがるし・・・クソッ、ツイてねぇ!!」
黒革のジャケットを着た、赤茶色の髪の青年が自販機から歩いて来る。
手に持つ紙コップを、傍らに居る彼女らしき人に渡し、飲むように勧めていた。
右腕を怪我した中年男性は、血が止まらないと悪態を吐き片手で腕を押さえている。
ひじ辺りの噛み付かれた部分は血管が浮き出て、既に変色が始まっていた。
「ニャ、ニャアアッ!!(このおっさん、ゾンビに噛まれてるっ)」
「リオちゃん?」
おっさんから離れろと、ジュリとチェリお母さんの服を軽くかじり引っ張る。
二人は不審に思いながら、私の必死の動作を見て中年男性から距離を取ってくれた。
――ショッピングセンター 2階 電化製品売り場――
外の様子がどうなってるか気になるので、私を入れた八人は電化製品売り場までエスカ
レーターで移動する。残った他の客達は、アトラクション広場で待ってるとの事。
二階に着くとオーブントースターや冷蔵庫、ドライヤーや扇風機などが沢山売られていた。
テレビが沢山置かれている場所に来て、一同は画面に釘付けになる。
ニュースが流れているプラズマテレビの大型画面では、凄惨な光景が映し出されていた。
ザーーッ
『ラクーンシティの大通り、中継繋がってますか?
リポーターは私、デリシア・アンドラーです! 今、町中は大変恐ろしい事態となっています。
死人が町を徘徊し、生きた人間の血肉を求めて襲いかかろうとしています!!』
『オオオオ・・・・』
『ギャアアッ』
『アアアア・・・』
『やめっ、ギャアーーー!!』
グチャッ、グチャッ、ペチャッ
『うぐっ、惨いです・・・! 死人はゾンビと化し、蟻の様に生者に群がります。
この悪夢を終わらせる事など、誰が出来ましょう? あっ、見て下さい!!
サイレンを鳴らして、数台のパトカーがこの惨事を治めるかの様に、集まって来ました。
警官達が銃を取り出し、応戦しています!!』
バンバンッ、バンッ、バンッ
『どんなに撃ってもモノともしません! 痛覚もないのでしょう。立ち止まる事はあっても、
倒れる迄には至りません!!・・・えっ、本当ですか。あ、すみません。今、緊急の情報が
テレビ局本部から入って来ました。
なんと、大企業の“アンブレラ”から、増援部隊がラクーンへ送られるようです!
さすが、我らの救い主。彼等が来るまで、持ちこたえてくれれば良いのですが・・・』
ブツッッ
「なっ、何で消えるんだよ!」
「あのアンブレラが・・・? 何を考えてるのか知らないけど、助けてくれるなら誰でもいいわ」
腕から血を流しながら、テレビを激しく揺する中年男性。
インテリ眼鏡のスーツを着たお姉さんは、“アンブレラ”と口にし、救援の情報を聞いて
安心している。
「自動扉も開かないし、救助が来るまでじっとするしかないのか」
「おい、ちょっと待てよ。何で扉が開かなくなったんだ? 人間に反応して開くはずだろう。
不良のガキは扉の中に入ってこれなかったのに、あんたは難なく外から入って来たじゃねえか。
一体どこで誰が操作してるのか、調べる必要があるんじゃないか?」
オタク風青年が喋り、ダインと呼ばれた男性は彼女を抱き寄せながら疑問を口にした。
彼の言う通り、私達の他にも人間が居るのなら、見つけて少しでも沢山の情報を手に入れ
なければならない。しかも、ショッピングセンターの出入り口は一つだけではない筈だ。
それらを頭に入れた上で、外へと繋がる扉の鍵を全て閉めないと完全に安全とは言えない。
「まず、このショッピングセンターの制御室へ行かないと駄目だな」
「二手に別れるか。よし、俺とルーリア、そこの親子二人の四人。
そっちはひょろ男とおっさん、メガネの女と・・・」
チラリと視線を向けられる。
えっ、どこを見てるのかって言うと・・・私かよっ!
「白い猫を入れた四人な」
「ちょっ、ちょっと。私をこっちに入れるの? オタクと怪我したおっさんと、ただの猫がいるだけじゃないよっ」
「ちょっ、オタクって。僕はロイムだ」
「俺はバッカスってんだ。怪我はしょうがないだろうが」
「フ、フウウウーー!!(ただの猫だとーーー!!)」
馬鹿にされて、憤る。
見た目は確かに猫だけど、多分あんたらよりは生存の確率は高いんだからね!!
なんたって、作者のラクトからのお墨付きだし、物語の主人公なんだからっ。
毛を逆立て目付きを鋭くして唸っていると、上から手が伸びて来た。
「分かったよ。じゃあ、俺達は三階を回ってみるから、あんた達はこの二階と、もう一度一階を見て
回ってくれ」
「・・・私の名前はエミリアよ。はぁ、しょうがないわね。さっ、早く行きましょ」
「まっ、待ってよ」
腕を怪我したバッカスさんが、私を抱き上げ腕に寄せる。
インテリ眼鏡の女の人、エミリアさんは落ち着きながら歩き、オタクのロイムが地面にコケながら、
後ろから慌ただしく付いて来た。
「あっ、リオちゃん!!」
「気を付けてね。絶対に生き残るのよ!」
ジュリとチェリお母さんが、心配そうに私を見てくる。
ゾンビ化決定のバッカスさんに、腕に抱き寄せられ顔を蒼白くするが――
心配無用と、勇ましく鳴いてみた。
「ニャ、ニャオオオオッ(ジュリ、チェリお母さんも、心配しないで。私、頑張るよっ!!)」
「白い猫が居れば、幸運があるかもしれないだろ。リオだったな? お前頑張れよ」
「そうね。ちょっと都合が良すぎる感じかもしれないけど・・・白い猫が居れば何とかなるかしら」
「期待出来るんですかね? こいつ・・・」
勝手に連れてきといて、低い評価ばっかしかいっ!
御利益と言われ、背中や喉をこれでもかと三人に撫でられる。
私を入れた四人は三階へと、中央にあるエスカレーターで移動した。
ファンフィクションです。残虐な表現が入っています。苦手な人は読まないで下さい。
今までの登場人物
全ての物語の主人公であり、白い猫 リオ
金髪の女の子 ジュリエーヌ(通称 ジュリ)
ジュリの母親 チェリベッサ(通称 チェリお母さん)
<バイオ3 獣記> 02 ショッピングセンター 認知
「怖いよぉ・・・お母さん」
「大丈夫よ。ここなら安全だからね。
ほら、リオちゃんも居るんだから、彼女を不安にさせちゃ駄目よ」
「ニャ!!(大丈夫だよ!!)」
怯えたジュリが、震えながら私の白い体を抱き寄せる。
私の勇ましい返事を聞き、親子二人の顔に生気が戻った。
狂った人物達により、チャラけた青年が外側で食されてから一時間程が経ったと思う。
センサーの反応しない自動扉から離れた私達は、一階のアトラクション広場に
集まり、各々長椅子に座り出した。
観賞用の植物、広々とした舞台、照明器具が幾つか設置され、ここで何かの催しが
出来る様になっている。色取り取りの風船が、直ぐにでも子供達に手渡せる様に
作られ、傍にある無人機械からはポップコーンの香ばしい匂いが漂っていた。
「ここに居れば安全だ。静かに救助を待とう!」
「そ、そうよね。あいつらの居る外に出るなんて、私は御免だわ」
黒髪のひょろひょろしたオタク風青年と、メガネを掛けたインテリスーツの女性が
喋り出す。
先程の事件により、センター内の客達は一か所に集まる者で溢れ返っていた。
ここに居れば、外界との接触は無いと問答が繰り返される。しかし・・・
「な、なあ。この事、テレビで報道されてないのかよ? 本当なら、スクープもんだろ。
ほら、ルーリア。熱いから気をつけろ」
「あ、ありがとう・・・ダイン」
「あ、ああ。人間が人間を食べるなんて、ホラー映画じゃあるまいし、狂ってるとしか
思えねえもんな。俺にまで噛み付いてきやがるし・・・クソッ、ツイてねぇ!!」
黒革のジャケットを着た、赤茶色の髪の青年が自販機から歩いて来る。
手に持つ紙コップを、傍らに居る彼女らしき人に渡し、飲むように勧めていた。
右腕を怪我した中年男性は、血が止まらないと悪態を吐き片手で腕を押さえている。
ひじ辺りの噛み付かれた部分は血管が浮き出て、既に変色が始まっていた。
「ニャ、ニャアアッ!!(このおっさん、ゾンビに噛まれてるっ)」
「リオちゃん?」
おっさんから離れろと、ジュリとチェリお母さんの服を軽くかじり引っ張る。
二人は不審に思いながら、私の必死の動作を見て中年男性から距離を取ってくれた。
――ショッピングセンター 2階 電化製品売り場――
外の様子がどうなってるか気になるので、私を入れた八人は電化製品売り場までエスカ
レーターで移動する。残った他の客達は、アトラクション広場で待ってるとの事。
二階に着くとオーブントースターや冷蔵庫、ドライヤーや扇風機などが沢山売られていた。
テレビが沢山置かれている場所に来て、一同は画面に釘付けになる。
ニュースが流れているプラズマテレビの大型画面では、凄惨な光景が映し出されていた。
ザーーッ
『ラクーンシティの大通り、中継繋がってますか?
リポーターは私、デリシア・アンドラーです! 今、町中は大変恐ろしい事態となっています。
死人が町を徘徊し、生きた人間の血肉を求めて襲いかかろうとしています!!』
『オオオオ・・・・』
『ギャアアッ』
『アアアア・・・』
『やめっ、ギャアーーー!!』
グチャッ、グチャッ、ペチャッ
『うぐっ、惨いです・・・! 死人はゾンビと化し、蟻の様に生者に群がります。
この悪夢を終わらせる事など、誰が出来ましょう? あっ、見て下さい!!
サイレンを鳴らして、数台のパトカーがこの惨事を治めるかの様に、集まって来ました。
警官達が銃を取り出し、応戦しています!!』
バンバンッ、バンッ、バンッ
『どんなに撃ってもモノともしません! 痛覚もないのでしょう。立ち止まる事はあっても、
倒れる迄には至りません!!・・・えっ、本当ですか。あ、すみません。今、緊急の情報が
テレビ局本部から入って来ました。
なんと、大企業の“アンブレラ”から、増援部隊がラクーンへ送られるようです!
さすが、我らの救い主。彼等が来るまで、持ちこたえてくれれば良いのですが・・・』
ブツッッ
「なっ、何で消えるんだよ!」
「あのアンブレラが・・・? 何を考えてるのか知らないけど、助けてくれるなら誰でもいいわ」
腕から血を流しながら、テレビを激しく揺する中年男性。
インテリ眼鏡のスーツを着たお姉さんは、“アンブレラ”と口にし、救援の情報を聞いて
安心している。
「自動扉も開かないし、救助が来るまでじっとするしかないのか」
「おい、ちょっと待てよ。何で扉が開かなくなったんだ? 人間に反応して開くはずだろう。
不良のガキは扉の中に入ってこれなかったのに、あんたは難なく外から入って来たじゃねえか。
一体どこで誰が操作してるのか、調べる必要があるんじゃないか?」
オタク風青年が喋り、ダインと呼ばれた男性は彼女を抱き寄せながら疑問を口にした。
彼の言う通り、私達の他にも人間が居るのなら、見つけて少しでも沢山の情報を手に入れ
なければならない。しかも、ショッピングセンターの出入り口は一つだけではない筈だ。
それらを頭に入れた上で、外へと繋がる扉の鍵を全て閉めないと完全に安全とは言えない。
「まず、このショッピングセンターの制御室へ行かないと駄目だな」
「二手に別れるか。よし、俺とルーリア、そこの親子二人の四人。
そっちはひょろ男とおっさん、メガネの女と・・・」
チラリと視線を向けられる。
えっ、どこを見てるのかって言うと・・・私かよっ!
「白い猫を入れた四人な」
「ちょっ、ちょっと。私をこっちに入れるの? オタクと怪我したおっさんと、ただの猫がいるだけじゃないよっ」
「ちょっ、オタクって。僕はロイムだ」
「俺はバッカスってんだ。怪我はしょうがないだろうが」
「フ、フウウウーー!!(ただの猫だとーーー!!)」
馬鹿にされて、憤る。
見た目は確かに猫だけど、多分あんたらよりは生存の確率は高いんだからね!!
なんたって、作者のラクトからのお墨付きだし、物語の主人公なんだからっ。
毛を逆立て目付きを鋭くして唸っていると、上から手が伸びて来た。
「分かったよ。じゃあ、俺達は三階を回ってみるから、あんた達はこの二階と、もう一度一階を見て
回ってくれ」
「・・・私の名前はエミリアよ。はぁ、しょうがないわね。さっ、早く行きましょ」
「まっ、待ってよ」
腕を怪我したバッカスさんが、私を抱き上げ腕に寄せる。
インテリ眼鏡の女の人、エミリアさんは落ち着きながら歩き、オタクのロイムが地面にコケながら、
後ろから慌ただしく付いて来た。
「あっ、リオちゃん!!」
「気を付けてね。絶対に生き残るのよ!」
ジュリとチェリお母さんが、心配そうに私を見てくる。
ゾンビ化決定のバッカスさんに、腕に抱き寄せられ顔を蒼白くするが――
心配無用と、勇ましく鳴いてみた。
「ニャ、ニャオオオオッ(ジュリ、チェリお母さんも、心配しないで。私、頑張るよっ!!)」
「白い猫が居れば、幸運があるかもしれないだろ。リオだったな? お前頑張れよ」
「そうね。ちょっと都合が良すぎる感じかもしれないけど・・・白い猫が居れば何とかなるかしら」
「期待出来るんですかね? こいつ・・・」
勝手に連れてきといて、低い評価ばっかしかいっ!
御利益と言われ、背中や喉をこれでもかと三人に撫でられる。
私を入れた四人は三階へと、中央にあるエスカレーターで移動した。