素晴らしき哉、人生〈特別版〉ビデオメーカーこのアイテムの詳細を見る |
以下は、前ブログで昨年同時期に書いた文章の再録です。
いよいよ真打ち登場!アメリカでクリスマス映画の定番と言えばこれ。毎年このシーズンにはTVで放映されているようです。
1946年フランク・キャプラ監督作品。主演ジェイムス・スチュワート、ドナ・リード。
あらすじ:小さい町を出て、いつか世界中を旅したいという憧れを胸に抱きつつ、父の住宅金融会社を継ぎ、町の権力者と対立しながらも、安価できれいな住宅を提供することで町の人たちに尽くしてきたジョージ・ベイリー。弟や親友が町を出て社会的成功をおさめて行く姿を横目で見ながらも、幼なじみとの初恋を実らせ結婚。子供たちにも恵まれ、多くの人たちからの敬愛と感謝を受けて、つましいながらも幸せな生活を送っていた彼を、あろうことかクリスマス・イブにとんでもない災難が見舞う。
陥れられ、全財産を失い、刑務所行きを宣告され、絶望のあまり自殺を企てる彼の前に現れたのが、二級天使クラレンス。
「自分など生まれてこなければよかった」とまで口走るジョージに、クラレンスが見せたものとは…
あらすじを見てもお判りの通り、『クリスマスキャロル』の反転図とも言えるお話。
また、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(特に2)が、この映画へのオマージュを捧げていることでも有名。
古き良きアメリカの「善意」に、素直に感動でき、泣ける映画…などということより、前半部分の一見退屈にも思える描写の積み重ねが終盤すべて伏線として生きてくることに、映画的感動を覚えます。それがまた、あの怒濤のクライマックスからラストにかけてきれいにたたまれていく様は、快感としか言いようがありません。「伏線投げっぱなし」がカッコイイ、みたいな昨今の風潮がバカらしくなってきますし、あのクライマックスがあるからこそ、この映画は「情けは人のためならず」的なお説教臭さを免れているのだと思います。
主演がまさに「アメリカの良心」みたいな存在だったジミー・スチュワートであることもドラマに説得力を与えていますが、脇役の、特にオジサンたちがみんな「いい顔」なんですよ。
中でもやはり、「ベイリーの命を救う」ことに成功したら翼を貰えることになっている、冴えないおじさん天使クラレンス(ヘンリー・トラヴァース)がいいですね。この「翼」についての伏線、小ネタもいい感じにラストを締めてくれます。
アイ・ヴィー・シーはじめいろいろなバージョンが出ていますが、こちらの「特別版」がお奨めです。