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映画・舞台の感想や俳優さん情報等。基本各種メディア込みのレ・ミゼラブル廃。近頃は「ただの日記」多し。

ヒューヒュー!・259 OZシドニー公演レポート(2)

2006-08-17 10:50:47 | HJ・The Boy From Oz

マチコ様から頂いた "The Boy From Oz" シドニー公演レポート第二弾です。
今日はAct1終わりまで。おなじみ「客いじり」についての楽しいお話もありますよ。


『8.Sure thing baby

どうやらジュディのコンサートの楽屋という場面で、ジュディとライザがもめています。
ジュディはドラッグでおかしくなってしまっているようです。
ピーターも駆け寄ってジュディをなんとかしようとしますが、そこでピーターがライザに舞台に出ろと言います。
何をしろというのとライザが言うと、とにかくステージに上がって、何でもいいからジュディの歌を歌うんだとピーターが言います。
このとき、ライザは襟の詰まったトレンチコートを着ているのですが、舞台に上がり、たどたどしく歌いだします。
ピーターがうなずき、ジュディを抱えて舞台から消えると、ここからライザのステージです。
まずコートを脱ぐと、紫色のドレスになります。
で、男性のダンサーを従えて、赤いスパンコールのレオタードに白手袋、シルクハットで「キャバレー」ですね。
曲は変わりませんが、だんだん自信をみなぎらせて歌うようになるライザのようすで、彼女がスターに上り詰めていく様子が現れていました。

9.Quiet please there’s a lady on stage

舞台が終わり、満足げにダンサーたちと話しているところにピーターが現れます。
ちょっと待ってというライザに、今すぐ話があるんだとピーターが強い口調で言い、ダンサーが立ち去った後、ライザにジュディがなくなったことを告げます。
「亡くなった?ひとりぼっちで?」と呆然として頭を抱えるライザに「少し一人になったほうがいい」とピーターが告げ、ライザは舞台から去ります。

ステージ右に置かれたピアノにピーターが座り、「Quiet please there’s a lady on stage」を歌いだします。
やがて白いスーツを着たライザとコーラス隊が舞台に現れます。
ピーターはピアノから立ち上がり、お客さんに手拍子を求め、盛り上げます。
曲が再度のサビに差し掛かると、音楽が止み、自然と手拍子も止みました。
舞台中央のジュディが静かに歌いだします。
ピーターもピアノの手を止めて、ジュディを見つめます。
このとき、尊敬のこもった視線でジュディを見つめるヒューの表情が印象的でした。
ダンスやパフォーマンスのときの手振り身振りはもちろん決まっているのですが、
こういうちょっとしたシーン、自分が中心でないときの演技もちゃんとしてるんですよね、ヒューは。
2時間半以上の舞台で、ほとんど出っぱなし(ライザのシーンぐらいです、ヒューが完全に引っ込んでるのは)なのに、どの場面でもヒューは全力投球なんですよね。
そういうところに惚れ直しました。

10.I’d rather leave while I’m in love

ジュディが去り舞台が明るくなると、ステージ左からライザが現れます。
急いでいる様子のライザにピーターが伝言がいっぱいあったと話しかけます。
「わかったわ、じゃあね」と言って出て行こうとするライザをピーターが引き止めます。
「君はどこへ行くんだ?」「西海岸よ。映画の企画があるの」
どんどん売れていくライザにピーターは自分のふがいなさを感じているようです。
(すいません、セリフ聞き取れませんでした・・・)
「僕のことだめなやつと思ってるんだろう」「そんな。あなたは才能ある人だと思ってるわ」
「でも君は西海岸に行こうとしてる」とピーターが言うと、ライザが「私たちは反対の海岸にいるほうがいいと思うの」と言います。
「なんでだ?僕たちは愛し合ってるじゃないか」「ええ、でもそれは友達としてよ。あなたは女として私を愛してないわ。私は女として愛されたいの」
ピーターのほほに手を触れて、ライザが言う次のせりふがとてもよかったです。
「そう、きっとあなたを恋しく思うわ、そう、あなたを愛している、でも私は行くわ」

ここでライザが「I’d rather leave while I’m in love」を歌いだします。
ワンコーラスを歌うと、ライザは舞台から去ります。
舞台に残ったピーターが後半を歌います。
こういう歌い上げる系の歌はヒューは得意ですね~。
悲しげな表情で、でも力強く歌う姿はすごくよかったです。

11.Taught by exparts

ピーターをお母さんがそれぞれ客席の方を向いて、話し出します。
これ以後もこういうシーンが何度も出てくるのですが、どうやら電話しているという設定みたいですね。

お母さんはうれしいそうに「ライザはいい子ね。どのインタビューでもあなたのこと、優しくて才能にあふれてる人だってほめてるわ。本当にいい子よ」
でも、ピーターは落ち込んだままです。
そんなピーターにお母さんは「早くまたいい人をみつけなさい」と励まします。
ここのヒューは眉間にしわを寄せてしかめつらの厳しい表情なんですが渋くてかっこよかったです。
明るい表情のヒューもいいですが、こういう暗い表情もいいんですよね、ヒューは。

落ち込んだままのピーターがピアノの前に座り、「Taught by exparts」の最初の部分を歌うと、ピーターの後ろからジュディが現れます。
「なかなかいい滑り出しね」「ジュディ!?あなたは死んだんじゃないの?」と驚くピーターに「・・・まあ、肉体的にはね。それより曲を作りなさいよ」とピーターに発破をかけます。

ジュディがワンコーラス歌うと、舞台にプロデューサーが現れます。
ピーターはピアノから立って、プロデューサーに駆け寄ります。
「僕の曲聞いてくれました?」「君は?」「ピーター・アレンです」「ピーター・・・?ああ、あの有名な女優と結婚してたやつか。ええと・・・バーブラ・ストライサンドと」「・・・それより僕の曲はどうでした?」
「ありゃsick songだな」(もしかしたらsit songかも・・・はっきり聞き取れませんでした)「sick songってどういう意味ですか?」「だめだってことだよ」とすげなく扱われてしょんぼりピアノに戻るピーター。
ジュディが2コーラス目を歌います。「そんなに落ち込まないで。離婚にだっていい面もあるわよ」と
ジュディがピーターを励まします。
3コーラス目はピーターが歌います。
その途中で舞台が変わり、ピーターはNYのクラブで歌っている場面になります。
最後のフレーズでマイクをはずしマイクスタンドを脇に押しやって(このしぐさがめちゃめちゃかっこよかったです!)、歌いながらピアノに這い上がります。で、寝そべってフィニッシュ。

クラブには観客もいて、そのなかにクラブで働いているらしき、グレッグが現れます。歌い終わったピーターにグレッグがタオルを差し出すと「サンキュー、ジェフ」「違うよ、僕はグレッグだ」「ごめん、覚えられなくて」
グレッグとの出会いの設定もブロードウェイ版とは違うみたいですね。
「あそこに座っている人、昨日も来てたよ。名前を調べてみたら有名プロデューサーみたいだ」「すごいじゃないか」「話しかけてみろよ」
ピーターがプロデューサーに話しかけると、ピーターを気に入っていた彼と次の日オフィスで会う約束をします。
ピーターがグレッグにお礼を言います。「キュートなアクセントだね」「テキサス出身なんだ」「カウボーイってことか。僕もそうなんだよ。いや、ほんとなんだ。祖父はサドルを作る人だった。すごい腕でね。僕もいつか祖父みたいになるんだって思ってたよ。でも僕は革アレルギーだったんだ(←最後の部分は自信がないです・・・。違うかも)」「君のパフォーマンス、気に入ったよ。君のことも気に入ったよ」とグレッグが言い、いい雰囲気で去っていきます。

舞台の端にピーターとお母さんが立っています。
「ママ、とうとういい人を見つけたよ」「まあ、すてきね。うれしいわ。なんてお名前なの?」「・・・グレッグって言うんだ」「・・・・・・まあ、すてきな名前ね」

12.Not the boy next door

グレッグとお母さんが舞台から去ると、女性コーラス3人が登場します。
「ここで着替えるからちょっと待っててね」といい、女性たちが着ていたコートを広げてピーターの前に立ちます。
ここ、すごくうまくできてて、ステージ真横のかなり上のほうから見たときも、ヒューの上半身さえ見えませんでした。
女性たちのコートの中にシャツやパンツがあったらしく、着替えながらピーターは(というかここはかなりヒューの素だったような・・・)女性たちに話しかけます。
最終日日曜日の夜公演には、女性の一人の婚約者が来てたらしく、「彼が来てるの?どこ?」「あそこらへんよ」と女性がコートを広げていた手で客席を指したら、ヒューを隠していたコートがずれてしまって、ヒューがちょっとあわてたりしてました。

別の日には、着替えてる最中になにかあったらしく(ヒューがスラックスを脱ぐときに下着まで下げてしまったのかなと思ったんですが)、ヒューがかなり素に近い感じで「あっ!」と言って笑い出したこともありました。このときはこの女性コーラス隊が本当にうらやましかったです(笑)。

で、着替えが終わると、そこには2004年トニー賞のときのヒューの姿になってました。
豹柄のシャツに金色パンツ。
この姿を再び、しかも生で見れるとは思ってませんでした。
本当に、ヒュー以外こんな格好でサマになる人がいるとは思えないほど、派手な衣装でした。
ここで、毎回お約束「あ、靴を忘れた」といって、女性の一人から靴と靴べらを受け取り、靴を履きます。豹柄の靴です。
ここから「Not the boy next door」が始まります。
舞台の上を駆け回り、ピアノを弾いたり、ピアノ上に寝そべってみたり(一度、乗った位置が悪かったらしく、落ちそうになってあわててたりしましたが)、とにかくエネルギッシュなパフォーマンスです。
1コーラス歌い終わると、舞台の中央で腰を振るピーター。ドラムがぴったり音を合わせます。ここらへんはもう、セクシー過ぎて圧倒されてしまいました。もちろん客席は黄色い声を上げて大盛り上がりです。

腰振りパフォーマンスが終わると、ピーターが舞台左側の階段を駆け下り、客席に下りてきました!
私は気づいてなかったのですが、アリーナ席後方にトニー賞と同じような小さなステージが用意されていて、そこに毎回ひとりお客さんをサラ・ジェシカ・パーカーのように上げて、ダンスをさせたんです。
私が見た4回の公演では、一度目はアリーナ席前から5列目ぐらいに座っていた20代30代ぐらいの女性。最初ヒューが目をつけたのは隣の連れの女性だったんですが、「彼女があなたの大ファンなの!」と言って友達を連れて行かせたんです。本当にヒューのファンらしく最初はどぎまぎしてる感じがして、親近感を感じました。だって、あれだけ人がいる会場で舞台に上げられて、しかも隣でヒューが手を握ってくれたり、肩を抱いてくれたりしたらそれはまともにしゃべれないですよね。でも、サラのときと同じように、ピーターが「セクシーな音楽をお願い!」と言って、オーケストラに演奏を頼んで、「ほら踊って!」と隣で腰を振ると、その女性もだんだんノリノリになって腰を振ってました。客席も拍手で盛り上げます。
2度目の公演のときはスタンド席正面のかなり高いほうまでヒューが駆け上がっていって、横縞セーターを着た20代ぐらいの女性を連れてきました。彼女は連れがとっさに持たせたデジカメを持って舞台に上がり、ヒューが肩を組んでデジカメでとってあげたりしてました。写っているかかなり怪しい録り方でしたが、心の底からうらやましかったです。
このときは、通路に控えている客席案内のスタッフに「この仕事はどう?」みたいに話しかけてました。
3度目のときは、スタンド席正面の中ほどの段の、白髪のおじいちゃんを指名。60~70代ぐらいの方でしょうか。「今日は奥様と来てるの?じゃあ、奥様のために踊って!」と言って、最初は「踊れないよ~」とおっしゃってたおじいちゃんに「じゃあ僕が教えてあげる。こうやって腰を振るんだよ」と言ってヒューが踊りを指導すると、おじいちゃんもだんだんのせられて腰を振り始めました。このおじいちゃん、すごくかわいらしくて、4回見た中で一番盛り上がったのはこの方のときでした。すごくヒューもうれしそうで楽しそうで見ているこちらも自然と笑顔になってしまいます。どんな年代の人も虜にしてしまうヒュー。すごいです。
4度目のときは、アリーナ席通路近くにいたプロレスラーのようながっしりした体型のお兄さん。この人はどんなにヒューが盛り上げても、最後まで踊りませんでした。変な例えですが「日本男児」みたいな感じで、「そんな軽薄なことはできない」と頑なに断ってました。でも、それでも踊らせようと一生懸命なヒューがおかしくて、雰囲気は悪くはなりませんでした。さすがヒュー。でも、ちょっと人選間違えちゃったかなと思いました。

ダンスが終わると、舞台に駆け戻り、最後の決めポーズ。このときピアノが舞台から上がっていき、ちょうと半月型スクリーンの高さまで上がって、両腕を広げるポーズのシルエットがヒューの後ろに重なってスクリーンに映し出されます。
ここで第一幕が終了。

この曲の間は、ミュージカルというよりヒュー・オンステージを見ている気分でした。』

ここまでとさせて頂きます。続きをお楽しみに!

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