楽謝 Mikiの覚え書き

サウンドヒーラー 楽謝 美紀です♪
世に出ている情報の中で、いいな!って 思った記事を書き留めています

「精霊の世界に覚醒して」

2011-01-01 | 「精霊の世界に覚醒して」
ヤスの備忘録 歴史と予言のあいだより転載

http://ytaka2011.blog105.fc2.com/


ハンク・ウェセルマン著 「精霊の世界に覚醒して」

第1章
シャーマニズムとはなにか?

霊感のある神秘家

シャーマニズムは人類に知られているもっと古いスピリチュアルな実践であり、その意味では、すべての宗教の祖先である。シャーマニズムの方法は、特定のものごとを実現するために集中する瞑想方法である。しかしそれは、人の生き方になると同時に、この本で解説するように、人を根本から変えてしまう力を持っている。
 ”シャーマン”の語源は、シベリアのツングース族のエヴェンキ語から来ていると考えられている。シャーマンは、秘密の知識と驚異的な精神的能力を持ち、精神世界と人間世界の橋渡しを行う人物のことだ。”シャーマン”を訳すと、”暗がりの中で見える人”または”知識と知恵のある人”の意味である。
 シャーマンの実践方法はシベリア、アジア、アフリカ、オーストラリア、グリーンランド、北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカ、そしてラップランドのサミー族のような北ヨーロッパなどの諸部族の民俗学的調査から明らかになった。こうした調査から、シャーマンは世界全域のすべての文化に存在していることが分かった。
 文化の違いにかかわらず、シャーマン非常によく似た世界観を共有している。彼らは、2つの異なった世界があるという。一つは、”目に見えるものの世界”で、もう一つは”目に見えない世界”だ。シャーマンは霊感の強い神秘家のような存在だ。そのような存在としてシャーマンは”目に見えない世界”に入って行く。そこでは、さまざまな超日常的な生き物や元型的な力に遭遇する。シャーマンはこうしたものを”精霊”や”祖先”、またはときとして”神”と呼ぶ。
 シャーマン、そして現代の本当の意味の神秘家は、自分が容易にトランス状態になることができるのを発見する。トランス状態とは意識がなくなることをいうのではない。その逆である。トランス状態とは、日常的な意識の状態を離れ、伝統的な部族の人々が”精霊の世界”と呼ぶ、日常世界と平行して存在しているもう一つの世界に意識して入って行くことなのである。その意味では、トランス状態とは意識の拡大なのである。
 シャーマンは精霊と関係を持つ。すると精霊はシャーマンや他の人々のためにさまざまなことをやってくれるようになる。たとえば、愛する人をなくしたトラウマから力が抜けてしまったような人々に働きかけ、生きる力を回復させてやることができる。また、生命エネルギーの流れを遮断している障害を取り除いてやり、身体や精神の病気から人を回復させることもできる。さらに、”憑依”と呼ばれる方法を用いて、目に見えない世界にアクセスして、貴重な知識をこちら側にもたらすことができる。そして、この世をさまよっている死者を、死者が本来ゆくべき死後の世界まで導くことができる。また、人の魂に働きかけ”魂の回復”の技法を使い、魂の傷ついた部分を修復することもできる。
 キューバ出身の医療人類学者でアンデスの部族からシャーマニズムを学んだアルベルト・ビロルドは、シャーマンは”目に見える世界”と”目に見えない世界”を自由に行ったり来たりできる人達のことだと言っている。ビロルドは現代人が”目に見えない世界”の存在をいかに無視しているか嘆いて次のように書いている。

「 シャーマンは目に見えるものの世界と目に見えない精神とエネルギーの世界を橋渡しする人のことである。シャーマンにとって超自然的な世界などというものは存在しない。自然の世界のみが存在し、その世界に目に見える次元とそうではない次元があるだけだ。
 しかし、前世紀には科学は古代から伝わるシャーマンの世界を無視した。電子顕微鏡で見える最小の存在は微生物でしかないし、天体望遠鏡は天国ではなく暗黒の宇宙を映し出すだけだ。
 宇宙のすべての現象を統合的に説明する理論は、統一場の理論となった。信用されるためには、シャーマニズムさえも量子力学の言葉で語らなければならなくなっている。これは5万年の歴史を持つシャーマニズムの価値を低めるものである。」

 対照的に、科学は”向こう側の世界”のような現象を説明することには慣れてきており、ゆっくりとではあるが、シャーマニズムは主流の科学に受け入れられつつある。ネイティブアメリカンで20年間シャーマンニズムとかかわっているキャロル・プラウドフット・エドガーは次のように述べている。

「私がシャーマニズムを教え始めた1989年、私のワークショップの参加者でシャーマニズムのことを聞いたことのある人は非常にまれであった。それが今では、シャーマニズムのことを聞いたことの無い人は私のワークショップにはほとんどいない。確かに私は非常に狭い範囲の人々を対象にしている。だが、それでもこの変化は、人類の集合無意識にとっては巨大な変化なのだ。
 最近ではシャーマニズムはポップカルチャーの一部になっている。シャーマニズムに関する膨大な量の文献が手に入るし、シャーマニズムの変性意識を題材にした小説やテレビ番組にはことかかない。医療の分野でも、代替治療やヒーリングはシャーマニズムの技法を取り入れている。この変化はあまりにも速いので、シャーマンの視点から世界を見ることはまったく知られていなかった時期が思い出せないくらいだ。
 これは世界中どこに行っても同じ状況だ。これまでエキゾチックな風習としてしか見られなかったシャーマニズムが、どこでも受け入れられつつある。私は夢を見た。それは世界中のあらゆる英知を結集し、この惑星の進化のために新しい現実をともに作り出すという夢だ。これからどのようなパラダイムが出てくるのか分からない。しかし、シャーマニズムが行くべき道を指し示す役割を果たすことだろう。」

古代のスピリチュアルな実践

 シャーマニズムの源流は、何十万年もの過去に溯ることができる。精霊の助けを借りて行うシャーマンの実践は現代でも広く行われており、シャーマニズムの潜在力を証明している。アルベルト・ビロルドによると、シャーマンの痕跡は人類の遺跡の発掘から明らかになるという。

「シャーマニズムの最も古い痕跡は、イラク北部、クルディスタンのザグロス山、シャニダー遺跡である。ここには30代後半の男性が胎児のような姿勢で埋葬されている6万年前の遺跡だ。埋葬されている男性にはいろんな花々がかけられているが、それらはすべて薬草として知られるものだ。現代のホモサピエンスが出現するずっと以前から、シャーマニズムは存在していたのである。」

 古人類学者としてエチオピアで発掘調査に従事したハンク・ウェスルマンは、考古学的な遺跡からシャーマニズムの痕跡が多数見つかり、シャーマニズムの埋葬の方法を溯って見ることができるという。

「 さらに古い時代の埋葬の儀式の痕跡が明らかになっている。エチオピアの中部アワシュ地域から出土した16万5000年前のホモサピエンスの頭蓋だ。このホモサピエンスは、前の時代の原始的な人類の特徴を幾分残している。
 この頭蓋には長い時間をかけて磨かれたつやがある。これは、死者に対する尊敬の念が、歴史が始まる前の時代から存在していたことを証明する科学的な証拠だ。」

 シャーマニズムには多くの儀式がかかわっていることは間違いない。だが、シャーマニズムと宗教とは大きく異なっている。シャーマニズムはいわばスピリチュアルな道なのである。アルベルト・ビロルドは、シャーマニズムは神秘主義とは異なるとして以下のように述べている。

「 スピリチュアルな実践は、個人の直接的な体験に根差している。この体験は個人的でありながらも、多くの人が体験できるタイプのものである。
 一方、宗教は信仰が基礎にある。私のインド人の師匠とアンデスのチチカカ湖の周囲を一緒に散歩したとき、師匠は次のように説明した。

「宗教というのは、スピリチュアルな直接体験の単純化された表現だ。宗教はスピリチュアルな体験の原理や価値、そしてその真実を物語りや詩などの比喩を使って、スピリチュアルな英知を語る。」

 宗教の物語は何度も繰り返し語られるにつれ、比喩や言葉のちょっとした彩までもが字句通りに受け取られ、そこに込められた教えは忘れ去られる。
 私の師匠は彼らのものではない宗教を守る役割を果たしていた。
 しかし、シャーマンは物語の著者なのだ。神秘の創造者なのである。私の師匠であるエル・ヴィエジョは神々しい自然そのものを信じていた。シャーマンは、片足をこの世に、そしてもう一本の足は精霊の世界に置く。私は神学校で他の人々の体験(宗教)を学んだ。そして私の師匠、エル・ヴィエジョとともに自分の体験を学んだ。
 エル・ヴィエジョは、覚醒時に経験する日常世界を形成している意識は、普遍的な意識である。この普遍的な意識は、ナビゲーションが可能な巨大な海のようなものだ。大抵の人々は、この巨大な海を沿岸から眺めるだけで満足している。しかし、海を航海し、渡り、海に洗われることで、海の深さを発見し、そうやって海の全体を知ることはできるのだ。シャーマンとは、この普遍的な海を泳ぎ、航海し、そして安全に岸までたどり着き、そして、その驚くべき体験を人々に伝える人のことなのだ。
 シャーマンとなるトレーニングは、ギリシャ人が「傷ついたヒーラーの道」と呼ぶ過程を通る。その道は、シャーマンが自分自身を癒す過程で、自分の能力を発達させる道である。これは、シャーマンが他者を癒すことができるためには、自分を癒さなければならないからだ。
 ところで、神秘家もシャーマンと同じようにエネルギーと精霊の世界を体験する。しかし、シャーマンと神秘家とは大きく異なる点がある。シャーマンは自分の属する共同体に奉仕するが、神秘家は自分の神秘的な体験に沈殿するだけである。
 私の師匠が言うには、新しいタイプの現代のシャーマンは西の世界からやってくるという。「いま、私達インディオは、祈りの力で世界をまとめるスタミナと力がなくなってしまった。私達の多くのものは魂を失っている。希望は、あなたたちとその子供たちにあるはずだ。」と言っていた。」

 シャーマニズムには多くの儀式が存在している。だが、シャーマニズムと宗教とは基本的に異なる。さらに、シャーマニズムの人気がいまのように高まっても、シャーマニズムを呪術師と混同する人々が後をたたない。
 呪術師というのは、共同体のために儀式を執り行う人々のことである。現代の階層化された宗教でいえば、呪術師は司祭のような儀式の執行者のことなのだ。たとえば、プレインインディアンの呪術師である女性は、薬草の知識を用いて癒しを施す。だがそれは、あくまでもこの世の目に見える世界で行う癒しなのだ。
 シャーマンと他のヒーラーの大きな違いは、シャーマンは精霊の世界と関係を持ち、精霊の助けを借りてヒーリングを行う点にある。シャーマニズムとは、精霊と呼ばれるトランスパーソナルな力の助けを借りることなのだ。イニシエーションで得た聖なる力と、守護霊の助けを得ることで、ただひとりシャーマンのみが目に見えない世界の神秘の世界に入ることができるのだ。





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