『これが、今までのお前の世界を生み出している装置だよ。』声が言った。
『この回り灯ろうとなっている壁こそが君が世界を見るフィルターなんだ。
それは君自身の
自己イメージにもつながっている。そして、きみはその
フィルターを通して世界を限定している。
本当の君というのは、それを創っている君なんだよ。君は、今、君の創造物を見た。
それを見た君、解るかな?それが本来の君だ。
それ以外は、すべて君の与えられた創る力が働いた結果なんだ。厳密に言うと、それはお前ではなく、お前と他のものとで創った、
現象ってやつだ。』
’この僕は、僕が創った現象だと言うの?ほかのすべての物事も現象?’
『そうだよ。君の内なる思いや感情、思考、全てが、空の雲のようなもの。それは、ひたすら生まれては消える、そんなものなんだ。君そのものは、それを許している青空のようなもの。
だから、君がすべてと一つのときには、雲ひとつない青空なんだから、心持ちは晴朗そのものなんだよ。
その時、一切の迷いや、
自己憐憫や、自己批判などに汚されてはいない。
それが本来の君なんだ。』
’じゃあ、考える僕、思う僕、そして怒る僕、悲しむ僕、ときには得意になっても良いかもと思う僕、そのすべてが僕だと思ったけど、本当は、僕がその考えを選択している、僕がその思いを
選択している、僕がその
感情を選択しているんであって、それそのものが自分ではない?
そういうことなのかなあ?’
『そのとおり!そのとおり!
まさに、そのすべてを君が選択している。解っただろう?
それ程、君が自由と、創る能力を持っているって事が。』
そこで声は急に調子を変えた。
『問題はそこなんじゃ。自分のその偉大な能力に気づかないでいること、これがやっかいなんじゃ。』
ピッコロのけげんな表情を見て、声は続けた。
『わかっとる、わかとっる。このあたりの話しをするには、この調子が一番具合がいいんじゃ。
肝心な知恵を伝えるには、多少カジュアルな語り口の方が伝わるんじゃから、そんな些細なことは..気にせんでええ』
『つまり、
宇宙意識というのはじゃ、すべては平等、善し悪しや、才能が有るとか無いとか、美しいか醜いかとか、一切、何のひいきも区別もしないんじゃ。
だから、おまえが自分にとって、たとえ好ましくない考えであろうと、思いであろうと、お前の選択を、宇宙はお前の望みとして、直ちに受け取るんじゃ。
それをお前が味わいたいに違いないと思う親心なんだな。なぜなら、その親という宇宙意識がお前そのものなんじゃから、なんたってお前に
慈愛をもって当然じゃろう。』
『そこで、重要なのは、お前が何を望むか、選択するかなんだ。
これ程の能力を持っているからこそ、心してかかることが大事なんじゃ。
自分を幸せに出来る者は、お前自身でしかいない、そうじゃないか?』
”じゃあ、簡単に言ったら、僕が自分をとるに足らないやつだなんて、思っていたら、それが自分の選択になっちゃうってこと?”
『選択どころか、そうでありますって事を世界にふれまわっとるようなもんじゃ。
そして、その想念や、思考を全宇宙に発信する。宇宙はそれを
受信する。
まあ、たいていの場合、それは無意識にやりとりされておるんじゃが。
人々が自分をそう見てるに違い無い、だから自分を変な顔して見たんだなとかね。実はその人は朝から胃痛に悩まされていたのかも知れないし、ほかの心配事があるのかもしれない。しかし、お前は自分の選択した自己イメージに捕われておるものだから、相手を思いやれる余裕は全く無い。
自分がどう見られているかしか、心に無いんじゃから。
そうだろう?..によって、結果的にその状況に於いては、おまえは自分が気にいられない存在だという要素を引き出してしまったりするんじゃ。
によって、自分の選択した
自己イメージを、またまた、確固とした事実にする訳だ。
そうやって、現実というもの、お前にとってのその都度の現実というものが自分によって創られるんじゃよ。』
’じゃあ、自分は価値があり、大切な存在だと自分自身で選択したら、そのように扱われ、それに見合う現実が生まれるって言うの?’
『まさにその通りじゃ。もし、おまえが認められたかったら、心の底から自分を認めればいい。
もし、愛されたかったら、心の底から自分を愛せばいい。ただそれだけのことなんじゃよ。
そうすれば、おまえは価値ある存在として、宇宙に発信し、自他共にそのように扱われることになる。
実に簡単な科学性じゃよ。しかし、問題がひとつある。
それは心の底からということじゃ。方法論として、それを選択してもダメなんじゃ。』
ひょっとして自分を決め込んでいるのは、ほかならぬ僕自身だったのか?
それによって、自分をそのように思われ、扱われていると思い込む?
それを僕は唯一の事実と思い込んでいた?そうだったのか?!
ピッコロは思った。なんとなく解って来たぞ。
事実というのは、人の数だけあるのかもしれない。
事実とは絶対的なものではないのかもしれない。
そうか..これまで僕は僕の事実を創って来たってんだ..。ピッコロにようやく理解できてきた。
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