響きあうA"LIFE & ~『ピッコロの冒険』~

ピッコロの自分探し、広大な内なる意識へと冒険の旅の物語
&つれづれの内なる対話、 A"LIFE&ONENESS

ウオッチング ”デズモンドモリス”

2011-01-28 18:12:47 | 冒険者たちへのオマージュ

 

 

それから
『モリス自叙伝-動物とわたし』も面白い。 角川書店

彼らしいユーモアのサービス精神に貫かれていて、彼の育った環境や、パートナーとの出会い、動物達との愉快なエピソード満載です。

 

*ひとつ抜粋
彼の先生のひとりであるノーベル賞受賞、雁の研究、”刷り込み”で有名な、コンラート.ローレ

ンツ博士のガチョウの研究観察のフィールドワークでのこと。

ローレンツ博士はガチョウを何世代も続けて飼育し、その間、つがいや社会的関係を記録して

いた。ある日彼は若い女性の助手につがいの記録を調べて、ガチョウは誠実に一夫一婦を守っ

ていると考えられている点を確かめるように頼んだ。 

 

しばらくして戻ってきた助手のお嬢さんは、

意外にも、「ある割合で実際には浮気をしている夫婦があります」と告げた。

 

これを聞いたローレンツがちょっと困った顔をした。

すると、この助手嬢は先生を元気づけようとしてこう言ったそうである。

 

「気になさることは在りませんわ、先生、ガチョウも所詮人間ですもの」これには教授も大笑いをしたとか。


モリスは、若い頃から美術へ傾倒していて自作の前衛的な映像なども創ったりして、

アマチュア映画賞まで受賞しています。

 

その後は、生物学へと膨大な時を過ごすことになりますが、

そんなアート嗜好と相まって、社会に出た若きモリスは、動物の行動や可能性を紹介するテレビシリーズの番組を作り、それは人気番組となっていました。(その頃助手の一人が、後にアフリカでチンパンジーの研究でノーベル賞を受賞した、ご存知ジュイン.グドールだったそうです)

 

その時の人気レギュラーがチンパンジーのコンゴでした。

ふとしたきっかけで、ひらめいたモリスは、コンゴに絵筆を与えます。

コンゴは絵画に、素早く能力を発揮します。

 

1957にはロンドンで、コンゴによるペインティングやドローイングの展覧会も主催することになったのです。

 

その際、そのギャラリーは、人間の?アーテストのれっきとしたギャラリーだったので、

猿!?の絵を展示することに対して、美術界に物議をかもしたのです。

 

しかし、当のギャラリーがコンゴの作品を立派なアートとして認め、展覧会は実現したのでした。


彼の絵は買い手あまたで、思うにコンゴは当時過労気味だったんじゃないでしょか?


 

ここでコンゴの絵をみることができます。
http://www.artistsezine.com/WhyChimp.htm

コンゴの作品、色彩感覚がいいですよね。

 

若い頃から描いていたモリス自身も50歳を超えた頃、

あらためて、シュールレアリズムの画家としてデヴュウ!ご覧下さい。

何冊かの本の表紙を飾ったりもしています。

 

デスモンド.モリスの絵の、きれいなサイトです。
http://www.desmond-morris.com/dm_art/late.htm

 

 

自伝を読むと若い頃から美術や映画の作風は、もともと、シュールレアリズム!

本人のキャラクターもそうだし、

デズモンドモリスは、生まれつき普遍的知性に支えられた前衛の人だったんだな..。

 

学生時代からの人生のパートナー、ラモーナとはうらやましいくらい絶妙な相性。

ふたりの冒険的なさまざまなエピソードも、この自伝に見ることができます。

 

 

そうそう、ひとつモリスの面白い発見がありました。

あるとき、アルタミラの洞窟絵を見物に行った彼は、動物達の絵を見て何か変!と妙に気にな

るのですが、いったい..なぜ気になるんだろう?と。



 

実は、

その後、気づくんですが、それは生きていた動物を礼賛した絵ではなく、狩りをした獲物、

つまり死んだ動物を描いたんだ!いう発見!狩りへの感謝の儀式だったのかもですね?

 

このことって洞窟絵の意味あいが、全く違ってきますよね?!

 

 

最後にデスモンド.モリスへのオマージュとして、

エーゲ海の旅行社のサイトに、彼自身の一番最近の (2008年10月24日)ポステイングした家族写真を御紹介!





デズモンド モリス 1『裸のサル』

2011-01-15 12:19:05 | 冒険者たちへのオマージュ

 


デズモンド・モリス(Desmond Morris、1928年1月24日 - )は、イギリスの動物学者。動物行動学と人間行動学に関する啓蒙的な著作で知られる。


カールセーガンを想起する時、同時にデズモンド.モリスに連なります。

デズモンド.モリスの『裸のサル』同じ想いを持っていらっしゃる方も多いんじゃないでしょうか。

この本も、『エデンの恐竜』と同じく、種としての人というものをベーッシックに受け入れることが出来たという私にとってエポックな本です。
 

 

日常的生涯読書趣味の私ですが、本をピックアップすることに於いて、一切、何の紹介とか見るでもなく、本屋でその都度、自分の嗅覚に導かせて、買うんですが..。 

私の”裸のサル”との出会いというのが..
 

あるとき(随分昔ですが)、テレビの深夜番組で、タイトルも知らないまま..面白そうな出だしの映画が始まって.....

それは博物館らしいところで、原人からホモサピセンスまで、等身大のケースが並んでいるらしいんです。

一人の男性の足下がアップで映されて、次々と標本のケースを見ていく様子。ケースも当然足下しか映りませんが、そこに人類の進化の推移に伴って猿から原人というふうに、ネームプレートが映し出されていきます。

その男性は次々と標本の前に立っては、移動して、最後にホモサピエンスの標本の前で立ち止まります。(最初から、ずっと、このくだりはすべて足下だけ映されていきます)

そして、その男性は、ホモサピエンスのネームプレートの位置で、おもむろにズボンを脱ぎ、裸になって、ホモサピエンスのケースに立つのです。(ここも足下だけを映して想像させるんですが..)

ふ~~ん?この映画って、な~~に?と興味を引かれ見てしまったのが、映画「裸のサル』でした。(1973年の作品)

人類10万年の歴史を性の営みを通して軽く描いたユニークなコメディなんですが、随所に、しゃれたアニメーションも挿入されていて、これが、かなり、いい!

全編軽妙で面白く..この映画ちょっと風変わりで、強く印象に残ったのでした。

 

それから、数年経った頃でしょうか、あるとき本屋で文庫本の『裸のサル』に遭遇!
あの映画の原本があったなんて!と、大喜びで買いました。

今は細かいところは忘れていますが、その内容は私の中にしっかり入っていると思います。おかげさまの本のひとつです。
 

 

まさに”裸のサル”という観点が画期的だったんですね。人という種の様々な行動、表現が、たとえ、服を着て、そしらぬ顔をしているようでも、他の生物と同じように、いかに本能に支配されているか...

いい意味で思い知らされたと同時に、人の(自分をふくめて)本能の発露に対する、余計なあれこれの批判じみた、それまでの抑圧的な観念的思考を、自他ともに向けることを排除してくれました。



人間を他の生物と並列に考察したこの本で、私たち人間は、いくらか謙譲になったんじゃないでしょうか?

そういう意味でデズモンド.モリスの功績は大きいですね。


彼のキャラクターはイギリス人的なユーモアーに充ちていて、チャーミングな人柄、

好きな学者です。

カールセーガンと同じように闊達で精力的な科学のセールスマンですね。

その後は、有名な『マンウオッチング』や...様々なウオッチングシリーズ..

彼は、日本にも来日して、花見で浮かれる日本人、大の相撲大好き、日本人ウオッチングもしていましたね。

下はウキペデイアのデズモンド.モリスのサイトです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%BA%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%AA%E3%82%B9

 

書ききれないほどの沢山の著書がありますが、

やはり名著『裸のサル』でしょ!



(そうそう、それからずっと後にビデオショップで、映画『裸のサル』を偶然見つけて、借りて再び見た覚えがあります。興味がある方、チャンスがあったら是非!珍品です。映画館未公開ですし。)


 

デズモンド モリスは,つづく~

 

 

 

余談ですが、
その頃私は、『裸のサル』から興味が派生していって、いくつか読んだ本の中で、これもアメリカではベストセラーだった『ノンバーバルコミュニケーション』という本がありました。

イラスト入りの、あえて軽い感じの作りの本でしたが、非言語コミュニケーションにおける、メッセージのやりとり、無意識的意識的な人の情動の表現を解説した内容で、これは具体的に、私のコミュニケーションの領域を広げてくれました。これも感謝!

言葉以外のメッセージを読み取る非言語コミュニケーションは、たがいの感情を正確に読み取ることを、より可能にします。

言いにくいこと、聞きにくいことなど、それを使えば、ストレスも減って、理解度も自由度も増しますしね.(*^_^*)
 


『ノンバーバル・コミュニケーション—ことばによらない伝達』
W.フォン・ラフラー・エンゲル

 

 


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