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韓国の朴振(パクチン)外相は2023年3月6日、日韓間の最大の懸案である「元徴用工」の訴訟問題について、2018年に韓国大法院(最高裁)判決で確定した被告の日本企業の賠償を、韓国の財団が肩代わりする解決策を発表しました。
このような奴隷的労働は当時の国際法でも違法。
韓国大法院の判決は、1965年の日韓基本条約でも決着せず解釈を曖昧にした植民地支配の合法性について「不法」とした上で、元徴用工の個人の請求権を同年の日韓請求権協定で「最終的な解決」したものの対象外としました。
まず、大日本帝国による朝鮮併合が形式的に日韓併合条約という形をとったからと言って合法なわけがないのは、ロシアがウクライナ4州併合が形の上では4州がウクライナから「独立」し、「独立」した各州がロシアへの参入についての住民投票をして賛成が多かったため、ロシアが併合宣言をした。。。というのがウクライナの主権を侵害していて違法なのと同じです。
また、日韓請求権協定は日本と韓国の国同士の協定であり、それで韓国という国が別人格である元徴用工らの権利を放棄できるわけがありません。
日韓は日韓基本条約と同時に、この請求権協定も締結した(1965年6月、李東元韓国外相(左)と椎名悦三郎外相)
日韓請求権協定に調印した椎名悦三郎外務大臣が「協定は純然たる経済協力。賠償の意味を持っているというような法律上の関係は何らございません」と答弁している。
ですから同協定で最終的な解決をしたのは協定の名前通り日韓の国同士の請求権であって、元徴用工や元慰安婦ら韓国民の権利であるはずがないのです。
というわけで、2018年の韓国大法院判決は法的にはごく真っ当な判断でした。
元徴用工に対する賠償問題。日韓請求権協定で最終的に解決したのは国家間の請求権のみ。個人の請求権を政府が放棄することは法的にあり得ない。岸田首相と被告日本企業は最終解決のために心から謝罪すべきだ。
しかし、日本政府は安倍政権以来、賠償問題は1965年の日韓請求権協定によって解決済みで、韓国の大法院判決は国際法違反と主張してきました。
これに対して、当時の文在寅(ムン・ジェイン)政権は三権分立の原則から司法判断を尊重しなければならないという立場を一貫してとってきました。
これも、文政権の言い分は法的には正しかったのです。
韓国徴用工訴訟最高裁判決に、安倍首相が「国際法に照らしてありえない判断だ」のコメントがあり得ない(笑)
それで、日韓関係は戦後最悪というくらいに冷え込んだのですが、今回の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権による解決策は最大限に日本政府の立場を汲んだものとなっています。
2018年の韓国最高裁判所の判決で賠償を命じられた日本企業に代わって、韓国政府の傘下にある既存の財団が原告への支払いを行うとしていて、財源は韓国企業などの寄付で賄う見通しで、日本企業は被告企業も含めて一銭も払いません。
しかも、日本の岸田首相は新たに元徴用工らに謝罪をするのではなく、過去の政権の立場を踏襲すると表明するだけです。
尹政権がいかに保守政権とはいえ、よくここまで日本政府の言い分を丸呑みした解決策を出してきたものだと思います。
当然、韓国の最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、解決策の発表に先立ち、党の会議で発言し
「真の謝罪と賠償を求める原告側を踏みにじることだ。外交の歴史で最大の恥であり汚点にほかならない」
などと厳しく非難しました。
この解決策を受け入れる原告もいるようですが、原告側の一部の支援団体は記者会見を開き
「判決を事実上無力化し、日本企業の責任を問わずに原告の人権と尊厳を踏みにじるものだ」
とこれまた厳しく批判しています。
日本の右翼政治家はこれでもまだ文句を言っていますが、これ以上日本政府に有利な解決などあり得ないので、実際には今後は韓国内部で、低支持率に悩んでいる尹政権が原告らと支援団体をこの解決策で説得できるのかが焦点になるでしょう。
3月6日、ソウルで韓国政府に抗議するデモ隊。
ここで、澤藤統一郎先生のブログの、この日韓関係についての記事「侵略と植民地支配の傷は今も癒えていない ー 徴用工問題解決困難の理由」から引用させていただきます。
『近代日本の天皇制権力は、富国強兵を掲げて侵略戦争遂行を国是とした。侵略戦争の結果としての植民地支配を国力強盛の証しとして誇示さえした。恥ずべき強盗の論理と言ってよい。強盗国家は、台湾を侵略し、朝鮮を侵略し、満蒙から、華北に侵略の手を伸ばして泥沼の戦争に陥った。
ロシアのウクライナ侵略は、1年余である。近代日本の朝鮮侵略は、1876年の江華島事件以来の歴史をもつ。けっして日韓併合後の36年だけではない。積年の怨念が並大抵のものではないことを理解しなければならない。
朝鮮の侵略のために、日本の軍隊が朝鮮の人民をどれだけ殺戮したか。甲午農民戦争(1894年1月 – 1895年3月)だけで殺戮者数は3万~5万人とされている。また、「1919年、1年間で実に1542回にわたり行われたデモで、全国でおよそ7600人が死亡、1万6000人がけがを負い、4万6000人が逮捕・拘禁された」というのが、韓国政府の公式見解である。この「7600人の死亡」とは、日本の官憲による非武装のデモ参加者に対する虐殺ではないか。』
『さらには、創始改名を強要し、民族のアイデンティティである言語まで奪おうとした。もう過去のこと、十分に謝ったじゃないか、何度蒸し返すんだ、と居丈高となるのは、歴史に学ぼうとしない態度というほかはない。
私見では、韓国大法院の徴用工判決は、穏当で説得力あるものとなっている。これに従うべきが本筋だと思う。が、日本側が真摯な態度を見せることで解決に至るのであれば、もちろん、望ましいところ。戦後の日韓交渉は困難を極めたが、交渉が進展したのは韓国側が保守政権の時に限られている。今、支持率低迷しながらも、親日保守政権である。日本側に問題解決の意思があれば、誠意を見せるべきであろう。誠意を見せる相手は、韓国の政権ではなく、植民地支配に虐げられた当事者としての民衆でなければならない。』
せめて、岸田首相が日本の保守勢力の顔色をうかがうことなく、再度自分の言葉で元徴用工の方々と韓国・朝鮮の民衆に、日本の植民地支配を心から謝罪したら、それが最高の誠意になると思います。
なぜそれができないのだろう、日本の市民はなぜ自分たちの代表が過去の罪業について心から謝罪することを望まないのだろう、と情けない気持ちでいっぱいです。
DHCスラップ訴訟 スラップされた弁護士の反撃そして全面勝利
澤藤先生は私が弁護士1年目に入れていただいた、湾岸戦争への90億ドルの支出を憲法9条違反として国相手に訴訟を起こした市民平和訴訟の弁護団事務局長でした。
それ以来、澤藤先生の背中を見ながらずっと敬愛してきたわけですが、上にご紹介した澤藤統一郎の憲法日記を先生は10年間一日も休まず、書き続けてこられました。
ブロガーなら誰でも、いやどんな方でも、10年間1日も休まず投稿を続けることがいかに困難か、いやほぼほぼ不可能であることを理解されると思います。
しかも、その内容たるや今回の記事もそうであったように、常に目を見開かされるものばかり。
いかに、澤藤先生が日本国憲法を愛しておられるかがわかります。
その憲法日記が3月30日で丸10年を迎えるということで、いったん連載をストップされるそうです。
あと約3週間、弁護士歴で20年先輩の澤藤先生が何を紡がれるか、目が離せない思いです。
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太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国政府は、裁判で賠償を命じられた日本企業に代わって、韓国政府の傘下にある財団が原告への支払いを行うとする解決策を発表しました。
ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は「未来志向的な韓日関係に進むための決断だ」と意義を強調しましたが、原告側の一部から反発の声も上がっています。
韓国のパク・チン外相が記者会見で発表
ユン・ソンニョル大統領「未来志向的な関係に進むための決断」
さらに、ユン政権を支える与党「国民の力」も「解決に向けた勇気ある第一歩だ。この問題が新たな政争の具になってはならない」とする論評を出しました。
一方、原告側の一部の支援団体は、記者会見を開き「判決を事実上無力化し、日本企業の責任を問わずに原告の人権と尊厳を踏みにじるものだ」と主張するなど、反発の声も上がっています。
日本政府の反応は? 林外相「日韓関係健全に戻すもの 評価する」
日韓外相が5日に電話で最終確認
そして「林大臣からこれまでの外交当局などの協議を評価し、きょうの韓国側の発表、日本側の対応となった」と説明しました。
また「去年7月にパク外相が訪日した頃から真剣に意思疎通を始めた。韓国内では政治的にも法的、技術的に難しい問題があり、協議にも時間がかかったが、厳しい状態にあった日韓関係を健全な関係に戻すためのものとして大きな方向性を評価したい」と述べました。
そのうえで、解決策では韓国国内の法体系のもと日本企業の債務が取り除かれているとして、1965年の日韓請求権協定で解決済みだとする日本の立場に矛盾しないという認識を示しました。
一方、韓国政府の傘下にある財団が原告への支払いを終えたあと、日本企業に弁済を求めることがないか質問されたのに対し「解決策の趣旨に鑑みれば想定されていないと承知している」と述べました。
韓国国内では野党側が厳しく非難
このうち、与党「国民の力」の報道官は論評を出し、韓国政府の発表について「解決に向けた勇気ある第一歩」と評価したうえで、「過去が未来の足を引っ張ってはならないし、この問題の解決が新たな政争の具になってはならない」としています。
最近の韓国政府の対応は
「徴用」をめぐる問題を受けて、日韓関係は戦後最悪とも言われるまでに冷え込みましたが、去年就任したユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が、関係改善に意欲を示す中、韓国政府は「現金化」が行われる前に問題の解決を図りたいという姿勢を打ち出すようになります。
韓国政府は、問題の打開策について話し合う官民合同の協議会を設置し、4回にわたって開かれた会合で、有識者らがさまざまな案について議論を重ねたほか、最高裁に対して、「日本との外交協議を続けている」などとする意見書を提出しました。
そうした中、韓国外務省はことし1月、裁判で賠償を命じられた日本企業に代わって韓国政府の傘下にある既存の財団が原告への支払いを行う案を軸に検討していることを明らかにし、日韓両国の間で協議が続けられてきました。
この案に対して、原告側の間では、あくまで被告となった日本企業による賠償と謝罪が必要で、財団による肩代わりは認められないと反発する声がある一方、裁判の長期化などを理由に、政府案を受け入れて早期の問題解決を図りたいという声も出ていました。
“反発” “理解” 政府方針に原告は
裁判の原告の1人のヤン・クムドク(梁錦徳)さんは、先月に行った記者会見で、「私が死ぬ前に日本から謝罪を受けたい」と述べたうえで、財団による支払いは受け入れられないという考えを示しました。
一方、政府の方針に理解を示す人もいます。
ソウル近郊のスウォン(水原)に住むイ・ギュメ(李圭梅)さんは、最高裁で勝訴した14人の原告の1人だった父親を10年以上前に亡くして以降も裁判に携わってきました。
イさんは先月、NHKの取材に対し「日本企業は最初から賠償しないと言っており、それは仕方がない。誰が支払うかは関係ない」と述べました。
そのうえで、「どんな形であれ、一日も早く問題が解決して、日韓関係がよくなればと思っている」と心情を打ち明けました。
また、別の原告だった父親を亡くし、その後も裁判に参加してきた、韓国中部のピョンテク(平沢)に住むパク・チェフン(朴在勲)さんは、「日本側の謝罪を受けたいが、思いどおりにはいかない。日本での裁判を含めてもう20年も関わり、年もとって疲れ果てている。どんな形であれ、支払いを早く受け取って騒ぎを落ち着かせたい」と心境を明らかにしていました。
米 バイデン大統領「未来に向けた重要な一歩」
声明では、アメリカは引き続き両国を支援するとしたうえで「われわれが連携すれば世界はより安全に、そしてより繁栄する」として、3か国の関係強化に期待を示しました。
「徴用」の支援財団とは
これまで、本人やその遺族を対象にした支援や追悼事業、さらに、当時の研究や啓発活動などにあたってきました。
財団の活動には、政府の予算のほか、1965年の日韓請求権協定に基づき経済協力資金が投入された、韓国の鉄鋼大手・ポスコなど韓国の民間企業からの支援金があてられています。
解決策発表を受けて今後は
岸田総理大臣とユン・ソンニョル大統領は去年11月、およそ3年ぶりとなる首脳会談を行いましたが、ユン大統領は、日韓両国の首脳が相互に相手国を訪問する「シャトル外交」を再開させたい意向です。
また、韓国メディアは、ことし5月に広島で開かれるG7サミット=主要7か国の首脳会議にあわせてユン大統領が日本訪問を検討していると伝えています。
北朝鮮が核・ミサイル開発を加速させる中、ユン大統領としては、アメリカを含めた3か国による安全保障面での協力の強化が不可欠だという立場で、今後も日韓の首脳会談の実現に向け、調整が進められるものとみられます。
「徴用」をめぐる裁判で、韓国の最高裁判所で日本企業に賠償を命じる判決が初めて確定したよくとしの2019年、日本政府は半導体の原材料など韓国向けの輸出管理を厳しくする措置をとりました。
韓国政府は、この措置を報復だとして強く反発してきた経緯もあり、今回の解決策の発表を受けて、日本側に解除を求めていく方針です。
一方、政府の方針に対し、原告側の一部にはあくまで被告の日本企業による賠償と謝罪が必要で、政府傘下の財団による肩代わりは認められないと反発する声が根強くあります。
原告側の弁護士は、財団が日本企業の支払いを肩代わりするという方法が、最高裁の判決に照らして法的に有効なのか、今後も裁判で争う可能性も指摘しています。
韓国向け輸出規制の状況
▽高純度のフッ化水素、
▽レジスト、
▽フッ化ポリイミドの3品目について、韓国向けの輸出管理を厳しくしました。
具体的には、これらの3品目を企業が韓国に輸出する際、それまで免除されることがあった経済産業省への申請を、契約ごとに許可を受ける形に変更しました。
さらに8月には、輸出の手続きを簡略化できる優遇措置の対象国から韓国を除外しました。
その理由として経済産業省は、
▽韓国側の貿易管理に関する審査などの体制が不十分なことや、
▽問題の解決に向けて情報を交換するための局長級の政策対話が、長期間開かれていないことなどを挙げました。
これに対して韓国側は強く反発し、両国の事務レベルの会合などが開かれましたが、主張は大きく食い違って歩み寄ることはできませんでした。
そうした中、韓国は2019年9月、3品目の輸出管理を厳しくしたのは韓国をねらった差別的な措置だとして、WTO=世界貿易機関に提訴する手続きに入りました。
これに対して日本は、適切な輸出管理を行うために運用を見直したもので、WTOのルールには違反していないと反論していました。2019年12月には日韓両政府の局長級の政策対話が3年半ぶりに開かれましたが、2020年3月を最後に対話は行われていません。
日本はあくまで2国間の対話で解決すべき事案だという立場ですが、2020年6月には韓国がWTOへの提訴に正式に踏み切り、日韓両国の対立は解決の糸口が見えない状況になっていました。
日韓請求権協定からこれまで
協定で日本政府は、有償・無償で総額5億ドルの経済協力を約束し、韓国政府は1970年代に、日本からの資金を運用して、「徴用」で死亡したと認定した人に対し、一人当たり30万ウォンを支給しました。
また、韓国政府は2008年以降、これまでの補償が道義的に不十分だったとして「徴用された」と認定した人や遺族に対しても、慰労金の支給や医療支援を行ってきました。
こうした中、2012年に韓国の最高裁判所が「徴用」をめぐって「個人請求権は消滅していない」とする判断を示し、日本企業に賠償を命じる判決が相次ぐようになりました。
そして2018年、韓国の最高裁で日本企業に賠償を命じる判決が初めて確定すると、原告側は企業が韓国国内に持つ資産を差し押さえて売却することを認めるように地方裁判所に申し立てました。
地方裁判所がおととし、これを認める決定を出し、日本企業側が即時抗告しましたが退けられ、その後、最高裁に再抗告し、現在も審理が続いています。
“元慰安婦合意”めぐる経緯
2016年には、この合意に基づいて、韓国政府は、元慰安婦の女性たちへの支援事業を行う「和解・癒やし財団」を設立し、女性や遺族に支援金を支払ってきました。
しかし、2017年にムン・ジェイン(文在寅)大統領が就任すると、翌年に韓国政府は、「『被害者中心主義』の原則で、財団に対する多様な意見を集めた結果だ」として、財団の解散決定を発表しました。
これによって合意は、事実上、「骨抜き」となり、日本と韓国の対立が深まりました。
強制動員賠償、結局日本は抜けた…首相の直接謝罪も見込めず
日本の代わりに韓国企業の寄付金で賠償
岸田首相、直接謝罪はしないもよう
尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、強制動員被害者に対する賠償の基金を日本企業がかかわることなく韓国企業「単独」で造成する「第三者併存的債務引受」(第三者弁済)策を6日に公式発表する予定だ。「過去の直視」は疎かにし、「未来指向的な韓日関係と韓米日協力の強化」を叫びつつ直進してきた尹錫悦政権の一方的外交の決定版となるとみられる。日本の被告企業の賠償への参加はもちろん、この事案に対する日本政府の直接の謝罪も欠けているため、被害者団体はもちろん国内世論の激しい反発も予想される。
キム・ソンハン国家安保室長は5日、米国のワシントンに向けて出国する前に仁川(インチョン)国際空港で記者団に対し、「韓日強制動員賠償交渉」の解決策について、「韓日外交当局間の協議は最終段階にある」と述べた。パク・チン外交部長官が政府を代表して6日に「第三者弁済」案を公式発表する予定だ。この案は、行政安全部傘下の日帝強制動員被害者支援財団が、1965年韓日請求権協定で恩恵を受けたポスコなどの韓国側企業から寄付金を集め、2018年の最高裁判決で勝訴した強制動員被害者に賠償金を支給するというもの。日本の被告企業(日本製鉄、三菱重工業)の基金造成への参加は結局貫徹できず、ポスコ、韓国道路公社、韓国鉄道公社などの韓国企業のみが参加する見通しだ。
日本政府はパク長官による発表後、岸田文雄首相が1998年の「金大中(キム・デジュン)-小渕共同宣言」を継承するとする宣言的談話を発表するという。金大中-小渕宣言には、日本側の歴史に対する「痛切な反省と心からのお詫び」、「過去を直視し相互理解と信頼に基づいた関係を発展させていくことが重要」などの内容が含まれる。しかし岸田首相の談話には、強制動員に対する直接的な謝罪メッセージは含まれないという。
韓日は一方で、未来志向的な韓日関係の発展を大義名分として、韓国の全国経済人連合会(全経連)と日本経済団体連合会(経団連)を通じて、強制動員の被害者とは関係のない「未来青年基金」(仮称)を造成して運営していくことを暫定的に確定したという。キム・ソンハン室長は「韓日の青年世代、未来世代が、両国関係の新たな時代を切り開くためにどのような役割が果たせるか、どんな潜在力を蓄積していけるかに関して、両国の経済界や様々な分野で貢献できる案を協議中」だと語った。
政府は今月中の日本での韓日首脳会談開催を推進している。日本による半導体素材の輸出規制の解除と韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の正常化などを「正常外交の復元」の成果として示すという構想だという。
「1965年の国交正常化以降で最悪」とまで評された日韓関係を改善する好機だ。協力して新しい時代を築いていかなければならない。
懸案だった徴用工問題の解決策を韓国政府が発表した。2018年の韓国最高裁判決で日本企業に命じられた賠償金支払いを韓国政府傘下の財団が肩代わりする。
岸田文雄首相は国会答弁で「日韓を健全な関係に戻す」ための措置だと評価し、「歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいるし、今後も引き継いでいく」と述べた。
国交正常化時の請求権協定で解決済みという日本側の立場に配慮した内容になった。日本側も歴代内閣の立場を踏襲することで、韓国側の求めてきた「謝罪」に応じた形を取った。日本による半導体素材の輸出規制についても、解除する方向で政府間協議が始まる。
危機が後押しした決断
両国が念頭に置いたのは、98年の日韓共同宣言である。
当時の小渕恵三首相は植民地支配に対する「痛切な反省と心からのおわび」を表明した。金大中(キムデジュン)大統領は「不幸な歴史を乗り越えて和解と善隣友好協力に基づいた未来志向の関係」を作ることが重要だと応じた。
教訓とすべきは、15年の慰安婦合意が韓国世論の支持を得られず、最終的な解決策とならなかったことだ。徴用工問題の解決策が多くの原告から受け入れられ、世論にも支持されるよう両国は努めなければならない。
そのためには、談話継承について首相が語った「適切な発信」が重要となる。韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領との会談などで自らの言葉として明確に発信し、今回の解決策の精神を確認すべきである。
日韓首脳会談のための相互往来は11年を最後に途絶えている。慰安婦問題や竹島問題での対立が続いたからだ。徴用工問題での対立は経済や安全保障協力にまで飛び火した。
背景には、90年代以降の両国関係の構造的変化がある。
東西冷戦の時代、日本にとって韓国は「反共の防波堤」だった。一方で韓国は、日本との経済協力を必要とした。外交摩擦が生じても、双方が決定的な関係悪化を避けることに努めた。
こうした状況は冷戦終結後に様変わりした。安保上の危機感は双方で薄れ、成長した韓国経済は日本への依存を大きく減らした。互いの重要性を感じにくくなったことで外交摩擦が起きやすくなり、関係改善への熱意は薄れた。
だが、日韓関係が漂流した10年余りの間に国際情勢は大きく変化した。
金正恩(キムジョンウン)体制へと代替わりした北朝鮮は核・ミサイル開発を加速させた。米国を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)を繰り返し発射し、韓国への戦術核使用までほのめかしている。
世界第2位の経済大国となった中国は強圧的な姿勢を取り、経済を武器にして周辺国に圧力をかけるようになった。ロシアによるウクライナ侵攻は国際秩序を揺るがし、台湾有事への警戒感が高まっている。
こうした状況に対応するには日米韓の連携が欠かせない。そのためには日韓関係の悪化を放置しておくことはできない。今回の決断の背景には、国際情勢に対する両国政府の危機意識がある。
地域安定に協力強化を
政治的な対立が深まる中でも、民間交流は活発化した。
両国間の往来は、新型コロナウイルスの流行前には年間1000万人前後に達した。若者を中心に同じ目線で互いの文化に親しむ人が増えている。
経団連と韓国の経済団体が協力し、若い世代の交流を後押しする基金を設立することも検討されているという。長期的な相互理解の増進につなげていきたい。
日韓の協力強化は北東アジアの平和と安定に欠かせなくなっている。さらに韓国の国力増大に伴って、グローバルな課題についての連携も求められるようになった。昨年11月の日米韓首脳会談では、経済安全保障での協力を含め、中露両国を念頭に置いた連携強化が合意された。
失われた信頼を取り戻すためには互いを尊重し、理解しようとする姿勢が大切だ。日本と韓国は、対等なパートナーとして関係を再構築するための努力を共に尽くさなければならない。
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何ともすっきりしないのは、加害者側が非を認めながら金銭的負担をしないこと。まるで統一教会の犯罪による被害者の存在を認めながら加害者をのさばらせるだけの「被害者救済法」のようです。
こんな決着では、人殺しもやっているのではと疑われている犯罪組織統一教会が、また「日本は朝鮮半島でひどいことをした。贖罪のために献金しろ。」と脅迫のネタにするでしょう。現にやっていますね。正に特殊詐欺。献金しても統一教会の幹部たちの遊興費になるだけなんですがね。献金詐欺です。
岸田首相は、この「言うだけ」という傲慢な態度のついでに、統一教会の一掃に協力してくれと頼めばいいのに。
でも、この手打ちで日韓両国の国民が互いに尊重しあえる関係になれば、統一教会の特殊詐欺のネタが無くなっていきますね。
日韓基本条約の本質は、交渉過程の中によく表れている。日本側が企業の不法行為の事実認定を拒絶、〈法律上の根拠に基づく〉ものに支払いを限定していた。それが最終的に経済協定に変遷し、被害者への賠償は日韓政府間の交渉から排除されていった。
現金化は日本企業の不誠実さに対する懲罰の意味もあるだろう。が、被害者からすれば、まずは政府と企業に謝罪してほしいというのが本意ではないか。岸田首相はもちろん、ユン大統領も眼中にない。国民の反発も当然だろう。
という解釈がかなり以前に国会で示され(法務大臣or内閣法制局長官)、数年前の国会審議でも河野太郎が同様に答えていたと思うのですが。。。
エブリワンにはこれを取り上げたエントリーもあったと記憶していますが、うまく探し出せない😢
このことをきちんと伝えているメディアもないようですね。
今回こんな変な解決策を示すことになったのは、日韓両国の宗主国様からの命令が効いたんだとか。
朴正煕系統で親自民党の保守派が政権を執っていることも一因でしょう。
徴用された人たちも高齢なので、従軍慰安婦問題もそうだけど、早く心からの謝罪と補償をして解決しろ、って言いたい。
そしてメディアは憎悪を煽るのをヤメロ!!
世間が注目したのに、共同声明も共同宣言も無く、共同記者会見だけでごまかしました。結局のところ、両国首脳の希望が語られただけ、アメリカの望みが語られただけでした。
極東アジアの平和と安定のためには、日韓両国の友好はもちろん、朝鮮半島の安定と、台湾も含めたこの地域の平和と安定に向けた協力が必要です。アメリカによる極東での対立をあおる言動に従うのではなく、米中の対立に抗する協力が必要です。