Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2009年12月号 国連は世界に貢献していない

2010年04月22日 | オピニオン
著者は激しい憤りを込めて、国連は世界平和のために何もしてこなかったと主張する。実際、戦争の結果ばかりに気配りし、本来負託されている役割から逸れてしまったようにもみえる。難民収容所での活動もその一例だ。

近代経済はしばしば、重大な国際問題の解決に失敗する病巣は世界の硬直化だと捉えている。私は、第二次大戦以後の世界の動向を注視してきた。そして、この時代、深刻な世界問題にどのような対処がなされたかを考えてきた。ベルリンの壁の崩壊に際し鉄のカーテンがいかにして開かれたか、ヨーロッパの経済危機はマーシャルプランによってどれだけ救済されたか。トルーマンはギリシャを共産主義から救い、NATOの創設によって西ヨーロッパ全体が共産主義者の侵略から救われた。大雑把に言えば、これらの試みはみな成功している。

しかしながら、戦争に関して言えば、国際連合は大失敗だった。我々は、世界の現場で、戦争という問題の解決に失敗してきた。そして、この失敗の責任を負わなければならない唯一の機関は国連である。少し歴史をひも解き、二つの世界大戦が世界中を悲惨な無法状態、追放、破壊に陥れ、誰もが、更なる戦争から護ってくれる救い主を切望し、国連を平和の管理者として受け入れたことを思い起こせば、そして、その後、いかに多くの戦争が国連の管理下で起きたかを考えてみれば、 我々はなぜ未だに自分達の命をこの失敗者に預けているのか、不思議に思わずにはいられない。

我々は、国連が創設される前よりも、創設後により多くの戦争に遭遇してきた。つまり国連が存在することで、より多くの命が失われ、より多くの財産が破壊され、より多くの人々が家をなくし、飢えと欠乏に打ちのめされてきたことになる。

国連は、その存続理由であった戦争という問題の解決に失敗してきた。その代わりに、国連は、戦争のもたらした結果に対処する道を模索してきた。祖国を追われた人々のキャンプへの収容、彼等へのテントや食糧の供給、そして、それらを維持していくための寄付金募集に専念してきた。これでは問題は未解決のままだ。国連が、武器製造業者や武器商人のような戦争扇動者に立ち向かっていく代わりに、戦争の犠牲者や難民に注力するのはなぜだろう? 国連が、戦争の結果に対処することにかまけ、戦争の原因に対処しようとしないのはなぜだろう?

私とすれば、国連は戦争の結果から利益を得ようと、戦争を助長する側に手を貸しているのではないかとまで考えてしまう。例えば、通常は明細を明らかにすることのない寄付金の増額を確保するためとか、食料品や機械装置のような商品の転売市場を見つけやすくするためとか・・・・・・。もちろん、難民野営者への物資供給やスタッフの安全確保のためというニッチ市場を作り出してきたというのなら、話は別だが。私は、世界の人々の目の届かない多くの裏取引が存在するのではないかと疑っている。なぜなら、国連が汚れた機関だとは誰も思わないのだから。

今こそ、国連を詳細に調査すべき時だ。世界の現場で戦争を解決するために形成されたにもかかわらず、戦争がさらに増えていくようなら、我々は、その役割について、しっかりと見極めるべきだ。戦争の傷跡を癒すのではなく、中心になって戦争をやめさせる、もっと平和志向の強い機関の創設に向けて行動し、支持していこうではないか。


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