春の予感。

柔らかい日差しが人々を除雪へと駆り立てる。
「この時期は締まって固いから、スコップは鉄なのだ。アルミは・・・」
ご婦人とて角スコップを雪の山に突き刺す。
白い雪の山は埃に塗れ灰色に。
高い山も一歩一歩が大事なのだ。
「そう。スコップを振りかざし雪を掘る」
オジサン家の西側はエベレスト級だ。
「屋根と差はごく僅かだ・・・」
幼少の記憶が蘇る。
「その当時の家は平屋で、その屋根からそりで滑って遊んでいた」
屋根まで辿り着く程の雪。
「雪下ろしの必要がなかったが、玄関が埋まる・・・」
そんな時代もありました。
春が待ち遠しい。
一心不乱にスコップを雪めがけて振り下ろす。
乾いたアスファルトに雪を散らす。
「山は徐々に小さくなって行く・・・」
今朝も６時起床、晴れマーク　スコップ片手に　残雪に挑む老若男女かな・・・字余り。