下記の記事をダイアモンドオンライン様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。
大切な血管を守るため、日頃から心がけるべき有酸素運動とは
運動によって心身を健康に保つためには、どうしたらいいのか。命を守るために最も重要なインフラである血管について考える。血管にダメージを与えるものとして近年話題なのが、食後に血糖値が急激に上がる「食後高血糖」だ。その防止策とは。(マガジンハウス『ターザン』2021年6月10日号特集「運動は、なぜ脳に効くのか?」より転載)
大切な血管を傷つけてしまう
「食後高血糖」の怖さ
血管にダメージを与えるものとして近年話題なのが、食後に血糖値が急激に上がること。食後高血糖(血糖値スパイク)だ。食後高血糖が起こると、有害な活性酸素が生じやすくなり、動脈を傷つけて動脈硬化が起こりやすい。
血糖値が上がり、下がらなくなるのが、糖尿病。他の生活習慣病と同じように、かなり進行するまで痛みや不快感などの自覚症状はない。
糖尿病の判定には、空腹時の血糖値や、過去2ヵ月間の血糖値の平均値を示すヘモグロビンA1c(HbA1c)が用いられる。だが、空腹時血糖やHbA1cが正常でも、食後高血糖が起こっている可能性は否定できない。とくに食後に眠くなる人は、食後高血糖が生じ、その反動で血糖値が急に下がっている恐れがある。
糖尿病ではない健常者を対象とした実験。食後の血糖値の上昇を比べると、運動をした群の方が有意に低く抑えられている。Chinmay Manohar et al., Diabetes Care 2012 Des; 35(12): 2493-2499.
食後高血糖から血管を守るのは、筋トレと有酸素運動の組み合わせ
血糖の最大の引き受け手になるのは、筋肉。筋トレで筋肉を肥大させると、血糖の貯蔵庫が広がるので、食後高血糖が抑えられる。
加えて、食後にウォーキングや階段昇降などの軽い有酸素運動を行うと、運動のエネルギー源として血糖が消費される。それにより、食後高血糖は避けられるのだ。
1日8000歩から
有酸素運動を始めよう
血管を守り、体脂肪を減らすには、有酸素運動をどのくらいやればいいのか。WHO(世界保健機関)では、成人に必要な運動の指針として、1週間に激しい有酸素を75分以上か、緩やかな有酸素を150分以上行うことを薦める。前者なら毎日10分以上、後者なら毎日20分以上なので、クリアするのは大変。
ハードルが高すぎると、継続は難しくなる。そこで、筑波大学人間総合科学学術院の久野譜也先生は、よりわかりやすく、手軽なウォーキングで1日8000歩以上歩くことを薦めている。
日本の成人男性の平均歩数は1日7000歩、成人女性は6000歩とされている。1000歩は約10分の歩行に相当するから、男性なら10分、女性なら20分の歩行をプラスすれば、1日最低8000歩がクリアできそう。
「ハードルを下げるために、歩き溜めはできると考えてOK。1日単位ではなく、1週間平均で1日8000歩をクリアしましょう。6000歩しか歩けない日があったなら、翌日頑張って1万歩歩けばいいのです」
(取材・文/井上健二、イラストレーション/しりあがり寿、監修/久野譜也【筑波大学人間総合科学学術院】)
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