コタロウくんは柴ちゃん。
いつもお家と塀の狭い間にある小屋に、ごろんとしてる。
たまに、幼稚園にもならないような年齢の女の子とかにひかれて、
散歩してる姿をみかけていた。
車道と歩道を女の子に気まぐれにひっぱられたり、
彼が方向を決めたり、持ちつ持たれつ。
車の往来も結構多い道をゆらりゆらり。
それがね、小さな女の子が何をしても、怒らない。
口をむんずとつかまれて、いたずらされたってされるままにしてる。
「わんちゃんと仲良しなのね。
わんちゃん、なんていう名前?」
「コタロウ!」
きょう、お母さんと散歩してるのに会った。
「おりこうさんのわんちゃんですね。」
「ええ、でも辛くされてたのを引き取ったんです。」
「え?! そういうボランティア活動されてる方たちから?!」
「いえ、家はついこの先なんですけど。」
コタロウくんは、もう一匹の犬ととても折り合いが悪かったらしい。
それでしょっちゅう家出して逃げてきた。
なぜか行くところは、いつも同じ家。
それで、飼い主に返すと、逃げたことでまた飼い主からひどく怒られる。
それがいやでまた家出・・・負の連鎖。
いつも逃げていくお家では、犬は飼えない事情が。
その近くの、前のわんこを亡くした今のお家で引き取ることに。
12歳だって!
とってもそんな年には見えない。
ちゃおと同い歳だよ*
前の飼い主さんが悪かったとはいちがいには言えない。
でも、すごく居づらかったんだろうね。
よかったね、コタロウくん。
小さな家族やおじいちゃん、おばあちゃんたちに囲まれて
もう逃げ出すこともなく、ゆっくり自分の居場所ができて*
朝から 素敵な話が聞けました*