東京都写真美術館で今展示している
米田知子 「暗なきところで逢えれば」
こんな骨太の女性写真家がいたのだなあ。
何気なく切り取られた光景、
晴れた日の野球場だったり、明るい青い空の写真だったりする。
それが題名に目をやると、
重い意味を持っている光景だということに気づく。
野球場は知覧(終戦直前まで特攻出撃の基地)だったり、
上の左の写真は、サイパン島在留邦人玉砕があった崖に続く道 だったり。
彼女は写真の奥に眠る「見えない歴史」を問いかけている。
その中のひとつ、「サダコの折り鶴・広島」
真っ白の画面の真ん中に置かれた、くちばしが真っ赤に染まった折り鶴 の写真
が、いまだ鮮明に目の奥に残る。
もうひとつ、「写真作品のつくりかた」
「写真のエステ」と副題がついているように、
「アングル」「焦点」「光のあつかい」「暗室作業」の4つにテーマを絞り、
秀作を展示。
特に「アングル」はおもしろい、笑える。
ひょっとして、自分もこんな場面に巡り合えるかも! と期待しちゃったりもする。
マイケル・ケンナの写真が一枚あった。
やっぱり好きだな、この人の写真。
ほかに惹かれたのは植田正司 。
この企画は、初心者にも勉強になる*