横浜美術館で開催中 「魅惑のニッポン木版画」
とってもおもしろい*
浮世絵版画から千代紙、現代版画と幅広い。
海外から日本に技術を学びに来た作家の作品もあり興味をひく。
ヘレン・ハイド アメリカの女性版画家。
イギリスの挿絵画家メアリ・バーカーにも似た線も持ち、
女性の柔らかい視点が温かい画面を作る。
展示作品の中の一点「愚痴」
アヒルたちが女の子に愚痴をきいてもらってるのかな、
笑みがこぼれてくる。
版画画家の層の厚いことにも改めて驚く。
特に初めて知った二人の画家。
勝平得之
お国の秋田の市場を描いた「北国の市場」
とても温かいまなざしと色合いで魅かれた。
もうひとり、福島の画家 齋藤清。
画面の構成が大胆・斬新且つ柔らかい。
生まれた地を愛する気持ちが二人の作風を作り上げたのか。
日本版画が、西洋・印象派に多大の影響を与えた斬新さも実感できることのほかに、
なにより版画が変遷して行っている様子がおもしろい。
現代版画は、従来の版画の枠にとどまらず、
絵画にも近づき、また絵画を超えた方向性も獲得していって、
多くの可能性を秘めていることに驚く。
棟方志功の力作も一点、展示されてあり(上・左)
改めて彼の作品のもつエネルギーに圧倒される。
長谷川潔の作品はどれも秀逸。
以前、やはり横浜美術館で開いた
彼の展覧会に行かなかったのが今も悔やまれる。
↑ パンフレット右下の、ダンスの版画 桐月沙樹。
若い才能である。