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短編:想いのメモリ<23>好きな子と苦手な子とフォークダンス

2022-03-27 10:34:10 | 短編小説:想いのメモリシリーズ


あの頃は感情が先に「喜怒哀楽」が激しかったかな。
ボクは好きな子が一人ではなかった。
ナンパ?とは違うと思いたい。
二人の子を一度に好きになった、ボクにはないものを持っていたのと、お姉さんが欲しくて、こんな子がお姉さんだったらって思っていたんです。
そう、一人は体操部の子でいつも遊んでいた先輩の妹で同級生、もう一人は物静かで勉強ができ、ボクにはすごく優しかった同級生同じクラス。
運動会でフォークダンスがあった。
運動会前には何度かその練習をしてた。
その練習の時、全然好きな子とできなかった。
練習していても、その子を探すように周りを見ながら練習。
苦手な子とフォークダンスをする。
ボクよりも身長が高く、常にからかわれ遊んでいても何かとボクにちょっかいをしに来るんです。
「来るなよ」というとエスカレートして飛び蹴りとかほうきで叩いてきたりする。
すごく苦手な子で練習の時は「またかよ」って思いながら顔を見ずにダンスをしててボイコット一回したことがある。
「いやだったなぁ~」
それだけで運動会が楽しくなくなって運動会の時休もうかと考えたりしてたんですが親は楽しみにしてるし仲間も練習一生懸命だった。
いやいや運動会に望んでました。
でも、神様はいたんですよね。
運動会当日のフォークダンスは、学年全体で行うことで、その二人の好きな子とダンスができたんです。
こんな嬉しいことはありませんでした。
目と目が合ったりして、目が合うとよそ見をしたり、嬉しかったなー。
片思いだと思ってたけど体操部の子とダンスした時に「いつも一緒に体操やろうね」って言われたときはもうとにかく嬉しくなった。
告白しちゃったことがあり以前よりも仲良しになったんです。
でもね、苦手な子は急におとなしくなって、宿題のノートかしてくれたり、いじめてこなくなったんだよね。
なんか、つまんなくなった気がして、こっちからちょっかい出したりしてみたんだけど静かに笑顔だったんだよね。
奇妙な小学生時代でした。


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