優子の初恋 トナカイとサンタクロース
優子は気づいてしまった。
3才から保育園に入った。
直也も同じように3才で保育園に入った。
そして中学生まで同じクラスの同級生だった
直也は、清美を好きだったが、清美は四才の時、父の転勤で保育園を去った。
「もう、直也を思ってもいいのかな?」
優子の心の中に抱いていた直也への思いが募る。
直也の周りには、たくさんの友達がいた。
優子は直也に近寄ると、何もできなくなる。
声をかけることもできなくなる。
優子、5才になる前に、クリスマスがあった。
歌をうたう子、トナカイ、サンタクロース、演奏者。
直也は、サンタクロースをすると泣きまくる。
直也に負けた先生たちは、いいよって。
優子は演奏者だったけど。
直也に近づきたくて、トナカイをすると泣いた。
優子はトナカイになり、直也はサンタクロースになった。
直也が優子に近寄ってくると心の中で思いが動かされる。
「どうしよう・どうしよう・どうしよう・ドキドキドキドキ」
「ユウコ、何でトナカイなんだ?」
「えっ?」
「ボクを引っ張れるのか?」
そりをひかなければならなかった。
「どうしよう」
「ボクも一緒に歩いてあげるね」
直也の優しい言葉に、ありがとうと言いながら涙目の優子の姿があった。
5才の優子の初恋は、直也の優しさからはじまった。
そして、優子の手には、ドリームキャッチャーのアクセサリーがあった。
久美子がくれた、同じドリームキャッチャーだった。
「それって何?」
「久美子ちゃんから、もうらったの」
「そうなんだ、ボクも持ってるよ」
「何でだろうね」
不思議なことに直也と優子の2人の心の中に浮かぶ光景があった。
「優子ちゃん、直兄ちゃんを守ってください」
直也と優子は互いに見つめ合いながら笑みを浮かべた。
2人の思いは優子の片思いではなくなった。
久美子からメッセージのようなものだったのかもしれない。
久美子の願いは、直也と優子を結び付けていたようだ。
メリークリスマス、久美子、そして、ありがとう
次回は
第2弾:セイネンキシリーズ:蒼い時のドリームキャッチャー
主人公の少年時代を描いています。
長編小説になると思います。
電子書籍小説から、ゆっくりとブログへ再更新していきます
未熟ですが、今後ともよろしくお願いいたします。