薩摩武士による一撃必殺の剣として恐れられた薬丸自顕流の奥義を伝える文書類がこのほど、黎明館に寄託された。12代宗家の故薬丸兼吉氏の孫である樋之口靖博さん(70)=東京都在住=と弟の敏夫(68)さん=鹿児島市在住=が保管し、これまで門外不出となっていた。
一子相伝の技を収めた秘伝書や稽古(けいこ)場での掟(おきて)書など約350点。西郷信吾(従道)や生麦事件の奈良原喜左衛門による幕末のころの起請文もあり、「教えられたことを書き留めたり、親兄弟にも話したりしない」「勝手に他流試合をしない」と誓約させるなど、厳しい約束事があったことがうかがえる。
靖博さんによると、兼吉氏は跡継ぎと見込んだ長男の兼教さんが沖縄で戦死した後、「断絶」を宣言したという。これらの文書は、長女で靖博さんらの母でもあるシヅ子さんが継承。外部の人間には明らかにしていなかったが、靖博さんらは「県民全体の文化的財産として公にすべきだと考えた。子弟の教育に生かし、薬丸自顕流を正しく伝えたい」と話している。
文書類は順次、展示していく予定だが、秘伝書などは未定。同館の崎山健文学芸専門員は「薬丸自顕流の研究に役立つのはもちろん、幕末の精忠組とのかかわりなども興味深い」としている。
南日本新聞 5月14日
一子相伝の技を収めた秘伝書や稽古(けいこ)場での掟(おきて)書など約350点。西郷信吾(従道)や生麦事件の奈良原喜左衛門による幕末のころの起請文もあり、「教えられたことを書き留めたり、親兄弟にも話したりしない」「勝手に他流試合をしない」と誓約させるなど、厳しい約束事があったことがうかがえる。
靖博さんによると、兼吉氏は跡継ぎと見込んだ長男の兼教さんが沖縄で戦死した後、「断絶」を宣言したという。これらの文書は、長女で靖博さんらの母でもあるシヅ子さんが継承。外部の人間には明らかにしていなかったが、靖博さんらは「県民全体の文化的財産として公にすべきだと考えた。子弟の教育に生かし、薬丸自顕流を正しく伝えたい」と話している。
文書類は順次、展示していく予定だが、秘伝書などは未定。同館の崎山健文学芸専門員は「薬丸自顕流の研究に役立つのはもちろん、幕末の精忠組とのかかわりなども興味深い」としている。
南日本新聞 5月14日
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます