白井市の図書館に行ったら、廃棄処分の本が並んでいた。自由に持って行ってよいという。そこで入手したのが、次の本だ。
《マリールー、夏/堀内貴和(Marie-lou's dream and my summer)》
---河出書房新社、1993年6月25日初版、1300円、ISBN4-309-00845-3
ジャズ演奏をする大学サークルの一員で就職を控えた青年を軸に、彼を支える元テナーマンのジャズ喫茶オーナーや彼をプロの世界に誘ってくれるバンドリーダー、はたまた、高校時代からの音楽仲間や大学の友人たち、その中の女性やジャズ喫茶オーナーの娘マリールー----
こうした青春群像が描かれるのだが、実にさわやかなのだ。私も学生時代のサークルを思い出したが、あの『ふぞろいの林檎たち』 は当然として、なぜか『湘南暴走族』が浮かんだ。たぶん、江口と織田の関係が、オーナーと青年の関係を髣髴とさせたのかも知れない。
ということで、この小説を読みながら、これは映画やTVになるなと思った。映像化に向いている作品だ。それにしても、不思議な出会いだ。普通だったら、絶対に読むことがなかった本だ。