不気味な目覚まし時計

　最近分かったのだが、セットをしてもいないのに、６時に鳴るのだ。初めのうちは、誤ってセットしたのかな、と思っていた。だが、鳴り響いた時計の裏側を眠い眼で探り、呼び鈴をオフにしても停まらない日が続いた。

　４日前には、鳴る時間を７時にして、オフのままにしてみた。ところが、朝の６時に鳴って起こされた。３日前は電池を外してみた。だが、６時に鳴り響いた。夕方の６時には絶対鳴らないことを付け加えておく。
　窓のカーテンが風に吹かれて、目覚まし時計を机上から落としたのが原因らしい。何かの物理的ショックを与えられたのがいけないのかなと思って、一昨日はわざと落としたり、金槌でたたいてみた。だが、朝６時に眠りから敲き起こされた。

　これから毎日、こんなことが続いてはたまらない。処分するしかない。だが、待てよ、コイツはゴミとして出しても、ゴミの中で鳴り出すかも知れない。いや、誰かが、「もったいない」とゴミ収集所から持ち出すこともあり得る。まさか、古自転車のように、リサイクルとして東南アジア行きの貨物船に積まれることはないだろうな？---貨物船の中で、沢山の（日本では）不用品の山の中で、何処からともなく目覚ましの音がするなんて、不気味だよ、これは。

　今朝５時過ぎに起きて、この記事を書いているところだ。今、５時５８分--ああぁ、またもアイツが鳴り出した。見ると、パソコンの時刻表示が６時になっている---たすけてくれっ！