横浜・池辺農園の秘密(旧中山農園の秘密)

横浜市都筑区にある農業体験ファーム中山農園が閉園したため、有志でやっている池辺農園での野菜作りなどを紹介しています。

人類と気候の10万年史

2022-06-26 17:26:44 | 

●普段はこのような硬い内容の本は読まないのだが、「講談社科学出版賞受賞」の帯に惹かれて入手した。
1年以上も積ん読状態にしていたのをやっと読み始めてみると、実に興味深いことが書かれていた。

●あまりにも多くのことが書かれていて紹介文を書くのが難しいのでAmazonから引用すると・・・
『福井県・水月湖に堆積する「年縞」。何万年も前の出来事を年輪のように1年刻みで記録した地層で、現在、年代測定の世界標準となっている。
その年縞が明らかにしたのが、現代の温暖化を遥かにしのぐ「激変する気候」だった。
人類は誕生から20万年、そのほとんどを現代とはまるで似ていない、気候激変の時代を生き延びてきたのだった。
過去の詳細な記録から気候変動のメカニズムに迫り、人類史のスケールで現代を見つめ直します』


●まあ、確かにそのとおりなんだけど、この説明では研究内容の凄さがよく分からない。
内容を箇条書きにすると・・・
・三方五湖の一つである水月湖の地層は1年分が1mmの層となっている。
・その中の花粉分布を調べると15万年間の植生の変化がわかる。
・一方、南極の氷に含まれる空気の分析から現在の地球は氷河期であってもおかしくないが、安定で温暖な気象が継続している。
・その分岐点は約5,000年前で農耕と牧畜が始まった頃と一致している。
・現在の安定で温暖な時代がいつ変わるかは予測できないと考えられている。

●上から2つが著者たちの研究グループの地道な業績だが、随分と端折った部分も多いので興味のある人は読んでほしい。
この本に★★★★★を進呈する。

転んでもただでは起きない

2022-05-13 22:00:26 | 
●正月明けの1/4から土曜日を除く毎日、あるテーマの原稿を少しずつ書き溜めていた。
ところが、途中で行き詰まってしまい、気分転換に別のテーマの原稿を書き始めた。
コロナ感染と後遺症で原稿書きは中断してしまったが、ようやく今日、校了した。

●本の題名は「脊柱管狭窄症 病院難民体験日記
最初にかかったクリニックの誤診から何件も整形外科と接骨院を渡り歩いて、大学病院で勧められた手術をしないでブロック注射の対処療法で激痛が止まった経緯を書いた。

●書きながら、調べ物をすると多くの本が出ていることに気付いた。
最も役立ったのは、体系的かつ豊富なデータを分析した医師向けの治療指針、つまり「腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021」だった。

●これを読むとどの治療法が効果があるのかが書いてある。
腰痛で苦しんでいる人は読むことをお勧めする。
勿論、私の本も。

重版未定

2022-03-11 06:46:55 | 

●中小出版社を舞台にしたフィクションだが、出版業界が置かれている状況がよく分かり興味深かった。
本が出る前には出版社で事前に会議に掛かるのだが、企画書を提出しないといけない。
前例のないような本は許可が降りない可能性が高く、売れている本の類似本は他所の出版社からも出る。
中小出版社の場合には取次があまり多くの書店へは回してくれないので売れない。
毎回頭をひねるのだが良い企画は出ない。

●とにかく出版して売らないと経営が成り立たない。
でも、出版したからと言って売れるとは限らず、採算ラインを下回ると編集・印刷・製本・配送・在庫費用が全て無駄になり赤字になる。
「地獄だぁ」
と編集者が叫ぶ。

●調べてみると・・・
年々、販売数は減っているのに新刊点数は増えていた。
出版社が生き残るために需要を無視して出版するため、売れ残りが増えて需給バランスが崩れて経営を益々圧迫しているのだ。

●おまけにAmazonで自己出版が可能になった現在、出版社を通さなくても紙の本を出せるようになった。
読者層が少ない専門書や限られた読者層に対する書籍などは、出版社に依頼しなくても世界中で販売することも可能だ。
しかし、編集の仕事は自分でやってみると結構大変だった。
今後はデザインと編集機能だけを請け負う仕事が主流になるかもしれない。

●書籍が売れない原因はネットなど色々と言われているが、長期低落傾向が収まる気配はない。
会社は退職金が払えるうちに店仕舞し、社員は貰えるうちに転職したほうが良いと思う。

●と、厳しいことを書いたが、この本自体は非常に面白かった。

日本縦断 徒歩の旅

2022-01-16 08:26:13 | 

●今朝は津波警報で何回も起こされたので寝不足気味だ。
スマホの警報が鳴るたびにリリィが騒ぐ。
朝起きたらリビングで脱糞していた。

●「日本縦断 徒歩の旅―65歳の挑戦」石川文洋著を読んだ。
著者はベトナムやアフガニスタンで取材経験のある元報道カメラマン。
私は知らなかったが、カメラマンとして有名な人らしい。

●フリーでベトナム共和国軍やアメリカ軍に従軍して戦場を取材、その実績で朝日新聞のカメラマンになる。
その後、朝日新聞をやめて再びフリーになりベトナム、カンボジア、サラエボ、ソマリア、アフガニスタンを取材している。
戦場放浪記」を書いた吉岡逸夫さんと同じ戦場カメラマンだ。

●元気なうちに憧れていた徒歩での日本縦断をしたいと、65歳の時に北海道宗谷岬から故郷の沖縄まで歩いた記録である。
日本はクルマ優先で歩道のない国道やトンネルが多くて怖かったという。
四国遍路の旅行記をたくさん読んだが、それらにも同じことが書いてあった。
一方、同じように千年以上の歴史があるスペインの巡礼路ではそのような区間はほんの少しで、途中の歩道のない区間では歩道を作る工事をしていた。

●歩き旅に興味があって読んだが、それよりも途中で色々な思い出話(戦場での体験や出身地沖縄の話など)を書いている部分が面白かった。

広告放浪記

2022-01-14 07:39:13 | 

●「広告放浪記」浅暮三文著を読んだ。
新聞のたかが3行広告を貰うために悪戦苦闘する広告代理店の新人営業マンのお話。
サボりぐせが付いて喫茶店や映画館での時間つぶし。
給料前にはお金がなくなり人気のないビルのトイレで居眠りといった毎日。

●それでも、営業日報を書くために飛び込みセールスをすると門前払い。
たまに会ってもらえても広告は取れない。
このままで良いのかという焦り。

●そういえば・・・
現役の頃、定期的に尋ねてくる測定器メーカーの若い営業マンがいて、こちらは忙しいので相手にしなかったが、彼も営業日報を書くために来ていたのだろうか。

●その後、自分は営業には向いていないと思って、広告クリエーターになろうと夜は講座を聞いたりコピーを試作して評価をしてもらうなどの勉強をして転職を目指す。

●新聞広告の業界裏話もあり面白かったが、営業マンにならなくて良かったとつくづく思った。

戦場放浪記

2022-01-13 06:16:07 | 

●「戦場放浪記」吉岡逸夫著を読んだ。
著者は高校卒業後、写真専門学校で写真と映像を学び、青年海外協力隊の隊員としてエチオピアへ。
一旦、日本へ戻るが再びエチオピアへ。

●その後、カメラマンとして湾岸戦争、自衛隊カンボジア派遣などを取材。
自衛隊カンボジア派遣時の取材で撮影した写真が東京写真記者協会賞を受賞している。
海外青年協力隊の報道部門を皮切りに中日新聞カメラマンから記者に転向し、さらに映画プロヂューサーなどを経験。

●政府がPKOから撤退した事情なども書かれている。
安全な場所にしか行かず政府発表しか伝えないマスメディア批判も交えた海外取材体験記が面白かった。

プリント・オン・デマンドで紙の本を出版

2021-12-21 08:30:06 | 
●先週はじめに本が2冊届いた。
電子出版していた本を紙の本にしたので校正用に申し込んだものだ。
印刷費と送料がかかるが、実物を見ないと文字や図表の見やすさが確認できない。

●実物を手にとって見ると本を出したという実感があり、やはり紙の本はいいと思った。
昔なら自費出版するためには数十部〜100部は印刷する必要があったが、今は受注生産で1冊単位で印刷製本が出来る。

●これをPOD(プリント・オン・デマンド)といって、日本語だと受注毎の印刷といった意味だ。
PODは在庫なしのため売れなかった時のリスクがない。

●「野菜の作ろう」は修正が少なかったので、本が届いたその日のうちに修正できた。
一方、「電気工事入門」は結構大変だった。
誤字脱字は少なかったが、電子出版の原稿をそのまま紙の本にしたらFontの不統一が多くて非常に手間がかかった。
というのも電子出版ではFontは読者がPCなどの端末側で設定するので書き手は気にしなかったのだが、そのまま紙の本にすると書体や文字の大きさがバラバラになってしまうのだ。

●次に、印刷費を安くするためにモノクロ印刷を指定したら、図表の色が消えてしまい困った。
図表の説明で「青色の線は何々で」という文章は、モノクロ印刷では何のことかわからないため書き直しをしないといけない。

●これら以外に、小さなことだがTab位置の不統一や余白の最適化など、300ページ近くのチェックと修正で1週間も掛かってしまった。
編集者を通すとこういった手間が楽になるけど、その分のコストが掛かってしまう。
逆に考えると、PODだとその分のコストが不要になり安くできるのだが・・・

はちのじぶんこ;鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

2021-11-25 08:19:50 | 
● はちのじぶんこに「またたび落ちたタマ」をお返しした。
そのついでに自分の持っている本を預けた。

●何か面白かった本はないかと本棚を眺めていると、これが見つかった。
鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」川上和人 (著)
著者は国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員(長ったらしい肩書だ)で、噴火で出来た新しい島へ生態系の調査に行く話が面白い。
真面目な話をウケ狙いでしつこく笑いへ持っていくので、出身地を調べたら大阪だった。
やっぱり・・・

はちのじぶんこ;またたび落ちたタマ

2021-11-18 11:41:30 | 
●はちのじぶんこで借りた本「またたび落ちたタマ」(村上春樹著)は奇書だった。
ケース入りというのが最近では珍しいが、このケースは両側が開口部になっていてどちらからでも本を取り出せる。

●背表紙を見ると文字が左右に反転していて、これも面白い。
本を取り出すと、カバーの余白部分がしおりとして使え、猫のイラストが裏表紙とつながっている。

●表表紙には題名も何も書いていない。
いや、右下の方に少しだけ猫のイラストの一部が見える。

●凝っているのは装丁だけではない。
内容も、各々が1ページ分の小分とイラストがセットになっていて、それらの題名が廻文になっているのだ。
しかも、廻文の題名の先頭文字が「あ」から始まり「わ」で終わっている。

●あとがきを読むと、著者がもう仕事はしないと宣言したが、正月に暇で仕方なくて作ったメモを本にしたそうだ。
さすが天才は違う。
内容も装丁も遊びココロが素晴らしい。

はちのじぶんこ

2021-11-15 10:40:39 | 
●リリィの散歩をしていたら近所に見慣れないポストが立っていた。
近付いてみると・・・
はちのじぶんこ
いつでもだれでも 自由に参加できる図書館です
と書いてあった。

●噂には聞いたことがあるが、個人で自由に読んだ本を貸し借りできるミニ図書館だ。
本棚を覗いて、これまでに読んだことのない作家の本を1冊借りようとも思ったが、村上春樹の本を借りてしまった。
今度返す時には、私の持っている本をついでに置いておくことにしょう。

PaperBack版を出版した;その2

2021-11-14 07:53:37 | 
●ここでは既にA4サイズでDoc版を書いているとの想定で設定変更から説明する。
1)B5サイズに変更
 A4のままだと紙から文字が溢れてしまうためB5サイズに変更する。

2)段落で白紙を挿入
 普通の本を真似て段落ごとに余白を入れたが、ページ数が多くなると印刷費が高くなることに気づき、後で元に戻した。

3)図表の調整
 これもA4版では用紙サイズに収まっていた写真や図表が用紙からはみ出るために小さなサイズへ変更する。

4)ページ数の見直し
 電子本ではフォントをタブレット側で設定して読みやすいサイズに変える。そのためにページ数が変わり意味がないため、普通は目次も含めてページ数は入れない。紙の本ではページ数を挿入する必要がある。ワードの「参照設定」画面からで簡単にできる。

5)pdfでエクスポート
 現時点で入力を受け付けているのはpdfファイルのみのため、ワードの「名前を付けて保存」でpdfを選択して保存するとpdfファイルが作成される。

6)pdfを適正化(圧縮)
 ファイル容量が大きい場合は、圧縮してアップロードするのだが、面倒ならやらなくても良い。

●表紙の設定
実は最も時間を要したのは表紙の設定である。
表表紙・背表紙・裏表紙をセットで1枚のpdf画像としてUPする必要がある。
表紙の作成にはテンプレートが用意されているのだが、これを使うためにはエクセルの最新版が自分のPCにインストールされている必要がある。
私のMacは最新版ではではなかったために試行錯誤を繰り返しながら、丁度よい設定値を探した。

7)サイズは31.895mm✗22.42mmで余白も出ずピッタリだった。
8)pdfでエクスポート(変換)する。
9)pdfを適正化(圧縮)する。
 これもやらなくても構わない。
10)Upして画面を確認、修正
 プレビューワーがあるので、ページ全体を見てバランスなどのチェックをする。

●ここまで進むのに数日間も掛かった。

PaperBackを出版した

2021-11-12 15:22:54 | 
●電子版で十分だと思っていたが、段々と紙の書籍を残したくなってきた。
そこで調べてみると(半年前の時点)、米国AmazonではPOD(Print On Demand)という機能があって、1冊から受注生産できる体制になっていたが、日本ではサービスしていなかった。

●では、全く駄目かというとそうでもなく、いわゆる代行業を出版社が行っていた
『モノクロ書籍は810円から、カラー書籍は1430円からで、それぞれページ数により価格は変動し、送料(500円)も別途必要となる』
と書いてあったので、試しに自動見積もりを取ってみるとカラー版で確か2,500円くらいした。
この中には印刷費の他に出版社の経費(40%)も含まれていて、「ISBN付与」が5,000円(ISBNは、書籍特定用に世界共通で定められた番号)
高いと思ったので中断したままになっていた。

●ところが、日本のAmazonから米国並みにペーパーバック(要するに紙の文庫本)を出せるとのメールが届いた。
そこで早速「自産自消で安心安全な野菜を作ろう」という題名で試しに紙の本を作ってみた。
内容は「貧乏人は野菜を作ろう【上中下巻】」の合本版を再編集し改題したものである。



耐性菌が出来にくい農薬

2021-09-25 11:34:23 | 
(本日の農作業は雨のために順延)
●図書館でコロナ禍で行けないけど旅行関係と野菜作りの本を借りた。
この中で勉強になったのが「図解でよくわかる病害虫の基本」
初歩から最新の研究成果まで分かりやすく纏められていた。

●同じ野菜に何度も同じ農薬を使うと耐性菌が出来て効果がなくなる事は知っていたが、何種類もの農薬を管理するのは大変で面倒くさいし、費用もかかるので1、2種類だけしか使っていなかった。
この本には耐性菌が出来にくい農薬も紹介されていた。
それがZボルドー、ダコニール、カリグリーン、粘着くん(展着剤)で、そうとは知らずに使っていた。

くらべる東西

2021-08-26 19:33:22 | 
●「くらべる東西」という本を図書館で借りた。
よくまあこれだけ多くの比較をしたなぁと感心した。
著者は京都の人だという。

●例えば、座布団の写真が2枚ある。
東西の違いは何処か?
じーーと見つめても全然わからない。

●実は真ん中の糸留めの形状が違うというのだ。
T字型とX字型。
へぇ~~

●キツネとタヌキの違いは載っていなかった。

++++++++++++++++++++++++++++++
電気工学を習ってない人の為の電気工事入門(統合編)に追補版の30項目を合体し、リニューアルました。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08NV14BS9