先日、図書紹介の記事へのコメントにありました、久留米での勉強会に参加してきました。
ご講演いただいたのは、
慶応義塾大学医学部放射線診断科 准教授 陣崎 雅弘 先生
演題は、タイトルの通りです。
心臓CTは、全くの初心者でどのようなお話が聞けるのが楽しみにしていたのですが、想像以上に興味深く、楽しい講演でした。
提示されたそれぞれのスライドのほとんど全てが勉強になり、とてもまとめることができないのですが、特に強調されていた事項を書いてみようと思います。
・冠動脈CTの適応について
日本でのデータがまだなく、厳密には難しいが、いわゆるClass Ⅱa、つまり適応としては「中等度以上のリスクのある有症状患者」であるということ。被爆や検査の感度/特異度を考えると、リスクを階層化して適応を選択することが必要である。
・冠動脈CTの成績について
スタディとして
GEによるACCURACYと、TOSHIBAによるCorEが紹介されていました。それぞれの結果は”alternative to ICA”,"can't replace"とされてるが、対象集団および、X線量の差による相違である可能性を指摘されました。
つまり、これらから考えられる事は、必要であれば十分な線量を用いて精度の高い診断を行うべきである、と。
ちなみに、現時点では検診目的の冠動脈CTはClass Ⅲ、つまり有効ではない、とされているようです。
・読影の方法について
Angiographic viewの有用性。読影に関して注意すべき事。レポートの作成例。
とてもここには書ききれません…
・冠動脈CT以外の、心臓CTについて
アブレーションやペースメーカー留置前のガイドとしての利用、有用な画像処理など
・今後の課題、方向性について
プラークイメージングや、ステント内の評価
Dual-source imaging、高分解能CT、ADCTについて。
GEの方向性がどのようなものかを知ることもできました(十分な理解とは言えませんが…)。
それにしても、心臓CTは、他の分野の画像診断と比較して、よりエビデンスに基づいた診断が必要であるというのがよくわかりました。その辺りが、これまで冠動脈CTに近づきがたい理由の一つだったかもしれません。
今回勉強会に参加して、包括的に学ぶことができたのは、とても大きなことだったと思います。
懇親会では、kuma先生に紹介していただき、陣崎先生に御挨拶することができました。講演中の印象とは違って、とても気さくな先生でした
ご講演いただいたのは、
慶応義塾大学医学部放射線診断科 准教授 陣崎 雅弘 先生
演題は、タイトルの通りです。
心臓CTは、全くの初心者でどのようなお話が聞けるのが楽しみにしていたのですが、想像以上に興味深く、楽しい講演でした。
提示されたそれぞれのスライドのほとんど全てが勉強になり、とてもまとめることができないのですが、特に強調されていた事項を書いてみようと思います。
・冠動脈CTの適応について
日本でのデータがまだなく、厳密には難しいが、いわゆるClass Ⅱa、つまり適応としては「中等度以上のリスクのある有症状患者」であるということ。被爆や検査の感度/特異度を考えると、リスクを階層化して適応を選択することが必要である。
・冠動脈CTの成績について
スタディとして
GEによるACCURACYと、TOSHIBAによるCorEが紹介されていました。それぞれの結果は”alternative to ICA”,"can't replace"とされてるが、対象集団および、X線量の差による相違である可能性を指摘されました。
つまり、これらから考えられる事は、必要であれば十分な線量を用いて精度の高い診断を行うべきである、と。
ちなみに、現時点では検診目的の冠動脈CTはClass Ⅲ、つまり有効ではない、とされているようです。
・読影の方法について
Angiographic viewの有用性。読影に関して注意すべき事。レポートの作成例。
とてもここには書ききれません…
・冠動脈CT以外の、心臓CTについて
アブレーションやペースメーカー留置前のガイドとしての利用、有用な画像処理など
・今後の課題、方向性について
プラークイメージングや、ステント内の評価
Dual-source imaging、高分解能CT、ADCTについて。
GEの方向性がどのようなものかを知ることもできました(十分な理解とは言えませんが…)。
それにしても、心臓CTは、他の分野の画像診断と比較して、よりエビデンスに基づいた診断が必要であるというのがよくわかりました。その辺りが、これまで冠動脈CTに近づきがたい理由の一つだったかもしれません。
今回勉強会に参加して、包括的に学ぶことができたのは、とても大きなことだったと思います。
懇親会では、kuma先生に紹介していただき、陣崎先生に御挨拶することができました。講演中の印象とは違って、とても気さくな先生でした


陣崎先生のご講演に外れはありません。
いわゆる”鉄板” というやつです。
話の中身も、現在・過去・未来という時系列と、理論・方法・結果・結論という流れを、うまく配合してあり、かなり聞きごたえのあるご講演でした。
風邪をおして久留米までいった甲斐があったというものです。
余談ですが、スライドのところどころに腎臓が映っていて(CT angioとか、Dual sourseの部分とか・・・)、泌尿器領域が専門だというのも、わかる人にはわかるスライドにしているのだろうなと思ったので、ご講演の後に、直接陣崎先生にお聞きしたところ、「えっ!?」という反応でした。と、いうことは、単なる私の深読みか、はたまた、陣崎先生の深層心理がそういうスライドをつくらせたのか・・・。こちらも個人的に興味深いご講演でした(笑)。
ちなみに、スライドの腎臓は全く気付きませんでした…
もし、冠動脈CTについてもっと掘り下げるなら下記correspondenceを御一読ください。
Coronary angiography by 64-row CT.
N Engl J Med. 2009 May 7;360(19)
http://content.nejm.org/cgi/content/full/360/19/2027
現時点でのさまざまなとらえ方、今後の研究・臨床応用への方向性へのヒントがたくさんあるように感じました。
是非また、おもしろい論文を教えてください