少しずつ木々の葉が色づき始めた、十一月の初旬に、この月1回目となるびわこ学園での活動を行いました。
まだ風に冷たさを感じるほどではありませんが、びわこ学園の大地には落ち葉がいっぱいでした

そんな中、第2病棟では、その落ち葉を部屋に持ち込み、また第3病棟では、散歩中に落ち葉を楽しんで頂きました

そして各病棟とも、秋を感じる絵本を読んだり歌を唄いました。

「紅葉」「里の秋」「まっかな秋」‥‥そんな秋の歌を唄っていると、長く歌い継がれている歌の良さを感じます

読む度に好きになる絵本や、唄うたびにさらに良いなと感じる歌があることは、活動のお陰です

本当に、心から感謝です



担当:まさよ、エイミー
今回も前回に続いて、それぞれ同じ利用者さんと過ごさせて頂きました。
ここ何回かは、同じ方と関わらせて頂いていますが、毎回、少しずつ違った様子をされています


担当二人で準備していると、お会いする喜びと、少しでも心地良い暖かな時間を過ごして頂きたいという気持ちが溢れてきます。
他の病棟さんのように紙芝居やクラフトなど行わないからこそ、この気持ちを大切にしていきたいと思います





【活動の内容と様子】Kさん

部屋に行くといつものベッドにおられず、別の可動式のベッドに寝ておられました。
「あいさつ活動」をされていたそうで、その活動の後ということで、起きておられました

ご挨拶すると、少し目をパチリとされて、見知ってくださっているように感じました

起きておられたので楽しいお話を〜

すると途中で眠ってしまわれましたが、眠りが浅いようだったので、次に「まいごのどんぐり」を読みました。
そして次の本「どんぐりかいぎ」を読ませて頂いていると、痰が詰まり処置を受けられました。
処置の後は、ゆっくりとして頂きたいと思い、歌を唄わせて頂きました。
「紅葉」「里の秋」「故郷」を唄いましたが、寝ておられる様な、起きておられる様な感じでした。
絵本はもう要らないかなと感じたので、「見上げてごらん夜の星を」を唄いました。
ほんのひと時ですが、同じ時をご一緒に過ごしているという気持ちで、何度か唄わせて頂きました

【活動の内容と様子】Uさん

Uさんは、よく眠られていましたが、いつものようにご挨拶すると、微睡んでおられるような様子でした。
手に触れさせて頂きながら、季節の話をした後に、「いっぽんの木のそばで」を読ませて頂きました。
眠られていましたが、もう一冊「あきねこ」という絵本を読みました。
読み終わると、目を開けられたので、もう一度「あきねこ」を読みました

すると嘔吐されそうな様子があったので、体調を崩しておられるのかと思い、静かにゆっくりと歌を唄うことにしました。
「紅葉」「大きな栗の木の下で」「たきび」「故郷」「上を向いて歩こう」を、唄いました。
たくさん唄いましたが、その間も、ずっと起きておられて、途中で、何度か大きな欠伸をされました。
いつもとは違ったご様子で、のんびりとした心地良いものを感じて頂けていたら嬉しいなと思いました


【活動の感想】
・ご一緒に穏やかな時間を過ごして頂きたいと思い、肩の力を抜いて、寄り添うような気持ちで〜と思っている。
少しずつではあるが、利用者さんに起こる様々な出来事(発作など)に、驚いたり動揺したりが少なくなってきて嬉しい。
・「あきねこ」は、秋の風景が出てくる、色が美しい季節感のある絵本で、Uさんのために選んできたものだった。
聞いてくださっているようだったので、本当に嬉しかった



担当:ちはる、さいは、アン
今回は、ぼのぼのグループさんとご一緒に過ごさせて頂きました。
利用者さん9名、職員さんが2名がおられました。
また今回から、アンが月二回の活動の両方に参加することになり、1回目の活動は3人で行うことになりました。
まだまだ2人でも試行錯誤中の担当達ですが、3人での学び合いができる機会を、活動に活かしていきたいと思います。
第2病棟では、なかなか散歩に行くことができないので、今回は、病棟に秋を持ち込む計画を立てました。
どんぐりやまつぼっくりは持参していましたが、花や落ち葉は、活動の前にびわこ学園の庭で集めました。
利用者さんはどう感じてくださるかな〜、3人での初めての活動はどうかな〜と、色々なことを思いながら部屋に向かいました。


【活動の内容】
*〔歌を唄う〕「切手のないおくりもの」
*〔歌を唄う〕「まっかな秋」
*〔紙芝居〕「かぜのかみとこども」
*〔絵本読み〕「あかいはっぱ きいろいはっぱ」
*〔歌を唄う〕「まつぼっくり」「どんぐりころころ」
*〔触れる感じる〕 秋を身近に感じよう
花・落ち葉・まつぼっくり・どんぐり




*〔歌を唄う〕「赤とんぼ」「まっかな秋」

「まっかな秋」では、手拍子のように手を叩かれる方もおられました


葉っぱをお見せして手に近づけると、硬く組んでいる指を緩ませて、手のひらや指の先で感じくださる方もおられました

【活動の様子】
〔紙芝居〕

・登場人物が多く、3人で役割分担して読む。方言が含まれていたが、集中して聞いてくださっていた。
〔絵本読み〕

・大きな声で何か言われながら聞いておられる方もおられた。
〔触れる感じる〕

・3人別々に回りました。最初は、違う花をじっくり見て頂こうと、3人が違う花を持って回った。
・ほとんど香りのしない花を、鼻に近づけると目を大きく見開かれる方もおられた

・指先で触られる方、また、手に軽く触れさせて頂くと、手を引っ込める方もおられた。
・目がご不自由な方が、葉っぱの匂いをかいだ時



・赤い大きな葉っぱを一枚 自分で選び、暫く握っておられニコニコされる方もおられた

・大きくて赤い葉っぱは、どの方も、じっと見たり触ったりされる方が多かったと感じる。
【活動の感想】
・今回終了後の反省会において、触れる感じるに関して、3人で次のような課題を見つけた。
それは、3人それぞれが全員の方の所を回って、利用者さんに沢山の対応をさせてしまったのではというものである。
これでは、利用者さんを疲れさせてしまう可能性も高いし、興奮しやすい方にはもっと慎重な対応が必要と感じた。
活動の内容について、もっと繊細に感じながら考えて、細かい部分までの打ち合わせの必要性を感じた。
また、活動中においては、利用者さんの様子を見ながら、繊細に感じながら進めることの大切さも思った。
・初めての3人での活動で、これから先、全体的にもしっかり準備し段取る必要性を感じた。


担当:たえ、しげよ
今回も、穏やかな日和の中で、利用者さん3人と散歩に行くことができました。
利用者さんそれぞれが


そして部屋に戻ってからは、ラッコグループさんに、紙芝居や絵本を楽しんで頂く時間もありました

利用者さん10名、職員さん2名がおられました。


【活動の内容】
*散 歩

利用者さん3名、職員さん1名、たえ、しげよ
*紙芝居 「あひるのぴいぴいとひよこのぴっぴ」
*絵本を読む 「おちばがおどる」
*歌を唄う 「紅葉」「ちいさい秋みつけた」「琵琶湖周航の歌」
Sさんは、部屋の中では閉じておられた目を、外に出るとパッと開けられて、首を左右に動かされ周りを見ておられました。
途中で、赤い千日紅を一枝、差し上げると、枝を振ってくださいました


Hさんは、散歩から帰ると、急に


そして紙芝居を始める時にも手を振られていて、「楽しいって言ってはりますね」と職員さんが言われていました

【活動の様子】
〈散 歩〉

・「鳥が鳴いていますね〜」と言って、みんなで止まって、鳥の声を聞いたり、
落ち葉を拾って、持って頂いたり、耳元で崩して、カサカサという音を聞いて頂いたりした。
・Sさんは、話しかけると、じっと私を見て、「あ、あ」と何か言いたそうにされていた

そんなことが何回かあり、何か話されたいのだろうな〜と感じた。
・Hさんは、木の下では、上を向いて目を細められながら、ずっと見ておられた

私も同じ目線で見ようとしゃがんで見上げると、木の枝と葉の間に、青い空とキラキラ輝く光が見えて美しかった。
〈紙芝居〉〈絵本〉〈歌〉

・いつも私たちを笑顔で迎えてくださる方が、紙芝居も絵本も歌も、ずっと笑顔で楽しんでくださっていた

・ベッドに横になられたまま、両手を上に上げて楽しさを表現してくださる利用者さんもおられた。
・少し気持ちが不安定ということで散歩に行かれなかった方が、楽しそうに聞いてくださっていた

職員さんが、「機嫌が戻ったね〜ご機嫌だね〜」と言われていた。
【活動の感想】
・穏やかな日差しの中をゆっくりと散歩させて頂けて、利用者さんと親しく交流させて頂けたように感じた

散歩にご一緒した利用者さんは、散歩後の活動の時にも、こちらを見て楽しそうにされていて、とても嬉しかった。
・最後の歌は、職員さんも楽しそうに一緒に歌ってくださり、部屋中が、とっても楽しい空間になった。
終わって、廊下で病棟課長さんにお会いした時「とっても素敵な歌声が聞こえてました〜」と言ってくださった

今回、第3病棟では、職員さんから「さいわいさんが来られるのを楽しみにしていました。ありがとうございます。」と言って頂いた

何回も言ってくださり、恐縮してしまうほどだったが、やはりとても嬉しかった。
でも、私たちの方こそ、いつもいつも、優しい気持ちにさせて頂き

いつもいつも、びわこ学園を流れている、穏やかで和やかな空気にホッとさせて頂いている

そして、誰かのためにと思い、一生懸命に取り組むことの喜びを、経験させて頂いている

また、さいわいの仲間は、福祉に関係する仕事をしている者も多く、職員さん達の利用者さんに関わられる様子は学ぶことばかりである




(活動の練習風景です
