びわこ学園の庭の紅葉が色鮮やかになった、十一月の半ば過ぎに、この月2回目となる活動を行いました。
この日は昼過ぎくらいから、お日様の日差しが気持ち良い晴天となりました
第3病棟では、今年はもう無理かな〜と諦めていた、散歩へ行くことができました
また、第1病棟では、大きな窓のカーテンが開けられていて、いつもより部屋の中が明るくて気持ちがよかったです
第2病棟では、他の施設でボランティア活動をした時に、知人に描いてもらったお地蔵さんの絵を使ったクラフトを行いました
また、今回はそれぞれの病棟で、改めて利用者さん目線の利用者さんのための活動にしようという話をしました。
私たちの方から「ボランティアさせてください」とお願いして始まった活動です。
せっかく頂いている機会ですから、私たちの“気遣い”や“優しさ”に、磨きをかけていきたいと思っています
第1病棟
担当:まさよ、エイミー
今回は、担当二人とも、初めての利用者さんと過ごさせて頂きました
同じ方と継続的に関わらせて頂くと、それ以前の活動を振返りながら活かしていくことができます。
何よりも、利用者さんへの親しみも増していきます。
でも、せっかく二人で行かせて頂いているので〜
ぞれぞれの違う声や言葉や、触れさせて頂いた時の手の感触などを、楽しんで頂けたらと思うようになりました。
二人ともが、お互いから聞いていた利用者さんのことを思い浮かべながら、準備しました。
いつもにはない新鮮な緊張感がありました
【活動の内容と様子】Uさん
Uさんは、午前中体調が優れなかったそうで、寝ておられるようでした。
間近で顔を見させて頂くことも初めてで、これからUさんのことをいっぱい知っていきたいなと思いました
「初めまして〜」と挨拶させて頂くと、薄っすらと目を開けられたような気がしました。
暫く様子を見させて頂き、そのままの様子を感じながら静かな絵本の「はるとあき」を読みました。
途中で、目を大きく開かれ、口を開けて舌を出される時がありましたが、またすぐに眠られました。
絵本の後は暫く様子を感じさせて頂き、その後に「紅葉」「里の秋」「上を向いてあるこう」を唄いました。
初めてなので身体に触れるのを控えていましたが、大きく動かれた時に右手が私の側にきました
それで、触らせて頂いても良いのかな〜と思い、声を掛けてから、手を触らせて頂きました。
反対側の左手がすごく冷たかったので、両方の手を摩らせて頂きました
午前中調子が悪かったとお聞きしたので、ゆっくり眠って頂けたらいいなと思いながらずっと過ごしました。
【活動の内容と様子】Kさん
Kさんは、起きておられて、両手を口に持っていかれていて、その後も手や顔をよく動かされていました。
その様子を見させて頂きながら、手に触れさせてくださいとお願いして、手に触れて初めましての挨拶をしました
初めてなので、様子を見させて頂く時間を長く取った後に、「あなたが生まれた夜に」「たいせつなこと」を読みました。
心静かにゆっくりと、落ち着いて、心を込めて読ませて頂きました
歌は「ふるさと」「証城寺の狸囃子」「紅葉」「里の秋」を唄いました。
動きをつけたいと思い「証城寺の狸囃子」を、Kさんの手をリズミカルに触れながら何回か唄いました
楽しい歌の時には、なんとなく一緒に楽しんでくださっているように感じました。
最後に「しんとしずかなほん」を静かに読み、今日の感謝と「これからも、よろしくお願いします。」と伝えて終了しました。
【活動の感想】
・今回、担当二人ともが初めての利用者さんと過ごさせて頂き、様子を見させて頂く時間をゆっくり長めに取った
利用者さんがどう感じられたかは分からないが、担当二人共に親しみを持って頂けたらいいなと思った。
・活動前にはいつものように、二人で絵本を読み合い、感想などを話し合った。
また、どんな気持ちで絵本を借りてきたか、また誰を思って借りてきたかも話した。
これからも、この時間を大切にしていきたいと思う。
第2病棟
担当:ちはる、アン
今回も、ぼのぼのグループさんとご一緒に過ごさせて頂きました。
利用者さん10名、職員さんが2名と、実習の学生さんが1名おられました。
前回の活動後に、利用者さんにとって心地良く楽しんで頂く活動にしようと話し合いをしました。
それを受けて、担当二人で、利用者さんへの関わり方などの細かい部分まで打ち合わせをしました。
そして当日は、一つ一つ、利用者さんの様子を見ながら&感じながら進めよう〜と、心を合わせて部屋へ向かいました。
今日も皆さんが並んで待っていてくださいました
【活動の内容】
*〔歌を唄う〕「切手のないおくりもの」
*〔歌を唄う〕「まっかな秋」
*〔紙芝居〕「つきよとめがね」
*〔絵本読み〕「おじそうさまとこぶた」「りんご みのった」
*〔触れる感じる〕 お地蔵さまにお供えを
台紙に貼った [ お地蔵さまの絵 ] に、秋の実り [ 柿・りんご・栗 ] を選び、貼って頂く
*〔歌を唄う〕「紅葉」
「切手のないおくりもの」も「まっかな秋」も皆さんと一緒に唄うつもりでゆっくり唄いました
ある方が、お地蔵さまと果物を近くでじ〜っと見ておられて、職員さんの「貼る?」に、うんうん♪と頷かれました。
そして、貼られた後も、お地蔵さまを見て、穏やかにうんうん♪と頷かれていました。
この方が、手を添えてもらわれながら、クラフトで貼られる姿を見たのは、初めてのことでした
【活動の様子】
〔紙芝居〕
・優しいお話しだったので、ゆっくり丁寧に読み進めた。
・いつもベッドで横になられている方が、よく見える場所にいて、顔を向けて聞いてくださっていた
〔絵本読み〕
・「おじそうさまとこぶた」は関西弁で読んだ。
・「りんごみのった」では、笑い声のような声が聞こえた
〔触れる感じる〕
・ほとんどの方が、果物を選ぶ時には、しっかりと意思表示しておられた
・1つ貼られる方、続けて貼りたそうにされて2つ目も貼られる方もおられた
・果物を手にお渡しすると、匂っておられる方もおられた。
・お地蔵さまの絵も、折紙の果物も、じ〜っと見ておられる方が多かった。
・ある方は、職員さんの介助の手を払ったりされ、最初からあまり貼られたくないようだった。
・折紙の果物は、たくさん準備していたが、全体の雰囲気を見て終了とした
【活動の感想】
・今回は、心を落ち着かせて、利用者さんの様子を見させて頂きながら、ゆっくり進めることを大切にした。
すると何か、利用者さんにもそれが伝わっていて、穏やかにゆったりして頂けているように感じた。
・担当の一人が絵本を読む時、もう一人が利用者さんの中で聞くと、端の方は聞こえにくいことが分かった。
読み方や声の出し方なども含めて、これから改善していきたい。
第3病棟
担当:たえ、しげよ
今回は、ガンバグループさんと過ごさせて頂きました。
部屋へ行くと、9名の利用者さんが、半円に並んで待ってくださっていました
その9名の中には、ラッコグループさんから、いつもお洒落にされている利用者さんも参加されていました。
前回の散歩が終わった時に、次は無理かなと思っていましたが、昼過ぎから風もない穏やかな散歩日和になりました。
もちろん絵本やクラフトは準備していましたが、職員の方と相談して、紙芝居を一つ読んだ後に散歩へ行くことになりました。
職員さんはいつも、もっと人手があったら、利用者さん達の大好きな散歩に連れ出したいと言われています。
11月の半ば過ぎに散歩日和に恵まれて、皆さんと散歩できて、とてもとても嬉しかったです
【活動の内容】
*紙芝居 「みいちゃんの秋」
・歌が挿入されていて、唄いながら進めました。
「どんぐりころころ」「紅葉」「かかし」「赤とんぼ」「夕焼け小焼け」
*散 歩
( 1回目 ) 利用者さん4名、職員さん1名、実習生さん1名
た え担当:SBさん
しげよ担当:KNさん
( 2回目 ) 利用者さん4名、職員さん1名、実習生さん1名
た え担当:REさん
しげよ担当:NSさん
紙芝居のどの歌も、身体を揺らしたり声を出したり足でリズムを取ったりと、皆さんが楽しんでおられました
職員さんも「小さい頃に唄われていた年代なので、懐かしかったんでしょうかね〜」と言われていました。
紙芝居に続いて、散歩も秋の歌を唄いながら、車椅子を押させて頂いたりしました
職員さんが途中で歌われた唄には、皆さんがそれぞれに、とても楽しそうな様子を見せてくださいました。
「とんとんとんとんひげじいさん」「あわてんぼうのサンタクロース」「さんぽ」「にじ」「証城寺の狸囃子」
【活動の様子】
〈紙芝居〉
・今まで部屋の中では見たことがない位、「楽しい」を身体や声で表現されている方がおられた
・身体を揺らして歌を聞いてくださり、歌が終わるたびに拍手をしてくださる方がおられた。
・足で楽しさを表現される方は、今日も楽し〜いと言わんばかりに足をピコピコ動かしておられた。
〈散 歩〉
・秋の歌を唄いながら車椅子を押していると、左右に首を振りながら「なん〜、なん〜」とお喋りもされて、とてもご機嫌だった。
・職員さんが「秋を感じるお散歩〜」と、紅葉したもみじや葉っぱを、利用者さんに触れさせておられた
・もみじの木の下で車椅子を止めて、しばらく過ごした
・赤いもみじをお渡しすると、二回ともポイっと投げられたが、その投げることを楽しまれたのかも?とも思った。
・何曲も歌わせてもらったが、ある方はずっと身体を揺らしておられた
職員さんが「これは良い反応ですね〜」と教えてくださり、本当に歌がお好きなのだなと思った。
【活動の感想】
・今回は、担当二人で改めて、利用者さんの様子や気持ちを見ながら進めようと話をした。
紙芝居は、ゆったりと聞いてくださっている穏やかな雰囲気に合わせて、ゆっくり丁寧に読み進めた
これからも、一回一回こんな気持ちを大切にしていきたいと思う。
・職員さんが「繰り返しのリズムがある曲が皆さんお好きです」と、教えてくださった。
利用者さんは好きな歌の時はとても楽しそうなので、色々探して活動に活かしていきたい
秋が深まり、第1病棟ではマスクを着用しての活動となった。
今年もこんな時期になったなと感じながら、私たちも月二回の活動をいくつも重ねてきたなと思う。
メンバーそれぞれが一回一回、一生懸命に取り組んでいるけれど、果たして利用者さんにはどう届いているのかは分からない
利用者さんが、楽しそうにされている姿は、そのまま素直に受け取りながら〜
職員さんが掛けてくださる嬉しい言葉を、励みにしながら〜
もっともっと繊細に感じ取れる感性を磨いていきた〜いと、みんなで思っている。
み〜んなで、気づき合い&高め合っていこう
(活動の練習風景です 第3病棟の果物(折紙)は次の活動の時に使用の予定です。)