日本でも帝王切開での出産が増えていますが、アメリカでは32%の出産がが帝王切開によるものだそうです。この論文は帝王切開後の手術部位感染(SSI)に対する陰圧閉鎖療法と通常のドレッシングを比較したものですが、対象とした患者はBMI≥30の肥満患者というところがアメリカらしいです。陰圧閉鎖療法群はPrevena(KCI USA, Inc)という機器を術後7日間使用、通常ドレッシング群はガーゼで創を被覆する(1日でガーゼはオフ)というプロトコールで(1日でガーゼオフというのは産科では一般的なのですかね・・)、1624名をランダム化して、それぞれの群に816名、808名が割り付けられました。プライマリーアウトカムはCDC基準での表層あるいは深層SSIの発生です。結果は表層あるいは深層SSIの発生は3.6% vs 3.4%と有意差なし(P=0.58)。深層SSIのみでも1.4% vs 1.4%と有意差なし(P=0.73)、施設、BMI category、皮切のタイプ、糖尿病など、様々な層別化解析をしても有意差はありませんでした。アメリカ人は出血もすぐ止まるなど感染に強そうなので、日本人では異なった結果がでるのかもしれませんが、陰圧閉鎖療法に使用する機器のコストを考えるとむやみな使用は控えるべきでしょう。
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2770848