【素中弓族山人島々在、採木実木肌剝畑耕潜漁、大霊垂力祀。応大君質答業。】
元々、ナカツ、ユマの一族は山人(ヤマト)の島々で暮らしていた。木の実を採取し、樹皮を剥いで繊維としたり、畑を耕し、海で潜って漁をしながら、タカミムツ大神を祀っていた。大君(オオキミ)の質問に答えること、つまり、大君のブレーンであること家業としていた。
※山人の島々とは五島列島。
※木肌を剥ぐということは樹皮を剥いで繊維をつくり布を造り衣服を造るという事だろう。樹皮が繊維になる木としてオヒョウ・シナノキ・オオバホバイジュ・フジなどがあるようだ。
【美山治国大君巫神懸、日留芽大霊事、宜曰。】
美山(みま)の地に入り、国を治められていた国の大君の姫が神がかりした。神がかりした姫は天照大神の意思を言葉にして伝えた。
※三輪(みわ)を倭人は美山(みま)と称した。「ワ」を自分たちの仲間であるという象徴的な音「マ」に替えて、ミワをミマと称した。美山は後の大和。
※国の大君とは崇神である。古事記は崇神のことを御眞木入日子印惠(みまきいりひこいにえ)の命、初國知らしめしし御眞木の天皇と書いてある。ハックニシラス=初めて国を統治した、ミマ=美山、キ=際立つ、イリ=鎮座する、ヒコ=御方、イニエ=親しみのある重厚、冷静なるとう意味。まとめると、初めて国を統治した、美山(三輪)という際立った地に鎮座した、親しみあり、丸く治める重厚な御方。後の世に作った崇神を褒め称えた諡だ。
※アマカド(天神戸・天の大君)に命令されて九州を出陣した崇神は三輪と呼ばれた国に攻め入り勝利した。365年頃。そして、三輪の王位を譲られることになり、崇神は国の大君となった。美山(三輪)の大君となった崇神は、三輪の先祖を祀った。
※国の大君の姫神とはモモソ姫。
※ピルメ、日留芽(ひるめ)大霊とは天照大神のこと。
【垂神産積大霊、垂力珠大八洲東果島一無処祀、日々霊垂育凝可。】
(天照第一のお告げ)
タカミムツ大神の子タチカラの珠を日本の東の果ての島がひとつもないところに祀って、毎日のピタチというタカミムツ大神の大自然の内から日々出て来る自由エネルギーを蓄えなさい。蓄えたエネルギーを必要に応じ随時分けてやりなさい。
※大八州とは、日本の異称で、淡路、伊予、隠岐、筑紫、壱岐、対馬、佐渡、大倭豊秋津島(本州)のこと。
※千葉から福島に至る太平洋沿岸の一番東の、茨城県鹿島市に鹿島神宮、千葉県香取市に香取神宮が後に建立された。
※ピタチ、霊垂育(ひたち)とは、大自然の自由エネルギー。常陸や日立の語源だろう。
【東山越渡積美入厳斎為地、各地祀生母珠集宮代。更宮代造日々昇海新日凝可。】
(天照第二のお告げ)
美山の東にある山を越えたところの海が入り込んでいる所をイツサの地とし、日本全国に祀られている天照のウカの珠を集めたものを祀る神殿を造り祀りなさい。その近くに新しい神殿を造り、東の海の彼方から毎朝の昇る朝日からわが光と熱のエネルギーを溜め込むアラタマ(新珠)を祀りなさい。集めたエネルギーは植物生育に必要な量を再分配してあげます。
※ワタツウミとは島と島の聞を満たす水面のこと、つまり海。この場合は伊勢湾。
※イツサとは珠を祀るにふさわしい汚れなきところ、この場合は伊勢。後に伊勢神宮の外宮・内宮が建立された。
※ウカの珠とは天照の分霊である熱と光。これを受けて植物が成育繁茂するに必要なエネルギー溜めて置く見えない袋。各地の田や畑で、どうか作物がよく実りますようにと当時日本各地に天照が祀られていた。これらを集合して一つにまとめて、伊勢に祀りなさいという事。
【吾没御渡日乃泊、厳結生戸其国珠祀、事代主天大成積力与可。】
(天照第三のお告げ)
太陽が沈む日乃の泊に、聖なる力を生み留める所として神殿を造り日乃の国珠を祀りなさい。そこには国珠を育てる意志を統括するものとして大自然の秩序をコントロールする力を与えます。
※ピノイ、日乃(ひの)とは、日が終わるところ、太陽の沈む所の意味。日乃の泊とは日御碕(ひのみさき)がある出雲の泊のことだろう。
※トマリ(泊)とは、宿泊所、港。古語で船を停泊させる水域のことを。
※御渡(みわた)のミは自然の意志が宿っている所という意味で、ワタは渡って行く、いわば神の意志のある、泊まるべき所という意味。
※イツユムの戸、厳結生戸(いつゆむのと)とは、聖なる力を生むところ。後に出雲大社が建立された。戸は戸締りとか宿の意味。後に出雲となった。
※国珠(くにたま)とは、国々のポテンシャル。
※事代主(ことしろぬし)とは、国珠を育てる意志を統括する力。
※天大成積(あおなつ)とは、大地の自然秩序をコントロールする力。アオナツは古事記では大国主命。1300大成積凝充醸。
※日は終わった。天照の熱と光は、太陽は終わったという意味の日乃の地から西の彼方に沈んで行く。これまでに受けた大八洲の大自然のエネルギーと太陽の熱、光のエネルギーは、全部が使われることはない。その余分のエネルギーを戸、この宿で泊まっていただく。そしてそのエネルギーをユム(結生)、再び必要なエネルギーとして使う、その地にしたい。そのためには、それを溜めておくエネルギー袋として、その地(日乃・出雲)にある国珠のエネルギー袋を使いたい。だから現地の国珠を祀りなさい。
【美山国珠祀。大物力与可。】
(天照第四のお告げ)
美山に美山の地の国珠を改めて祀りなさい。生命を管理する力を与えます。
※大物主(おおものぬし)とは生命を管理する力。1400大萌延日奇醸。
※後に大神(おおみわ)神社が建立された。現桜井市。
【山人珠美山地移祀。茲垂神産積大霊、垂力珠日毎分与、国大八洲鎮治。】
(天照第五のお告げ)
山人の珠を美山に移して祀りなさい。これら五つのお告げを実行するならば、タカミムツ大神のタチカラの珠のエネルギーが毎日配分されて、国を良く治めて行けるだろう。
※山人(五島列島)から、美山(大和)に山人の珠を引っ越しさせなさいということ。大八州の真ん中に国を造ったわけだから、それに見合う中心部にエネルギーの袋を持ってきてエネルギを補給しないといけない。
※後に大和(おおやまと)神社が天理市に建立された。
※①第八州(日本)の東の端(常陸)にタチカラの珠、②太陽が昇るイツサ(伊勢)にウカの珠、③太陽が沈むイツユム(出雲)にその地にある国珠、④美山(大和)に美山の国珠、⑤更に加えて美山に山人(五島)の国珠を移転させる。言葉を変えれば、常陸に宇宙の珠を祀り、伊勢には太陽の珠を祀り、出雲には地上の珠を祀り、大和に大和の珠を祀り、更に倭人の珠を五島から大和に移し祀る。この配置によって日本のエネルギーの補給分配を良くして国を発展させるという事だろう。徳川の江戸も様々な寺社を配置して国の安定を図っていることが思い浮かぶ。
※毎年十月、神無月、国々の八百万の神々が集まって、事代主の議長の下、この出雲の地に蓄えられた大地の秩序を保つアオナツ(大国主)の力のエネルギーを、いかに配分するかの会議がこの地で行われる。その出雲神話の起源はここにあった。
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