倭人語のすすめ

倭人の言葉が残されていた。古事記の神々の多くは、秘文とされた文書を基にしていた。一音一義の倭人語を解き明かしたいと思う。

ヒミコ

2021-11-09 10:05:56 | 日々記
 魏志倭人伝に女王、卑彌呼の名がある。
 これを中国の中古音では、piĕ-miĕ-ho(ピェミェフヲ)と発音する。(蒲生新田の庭先考察より)
 ヒミコよりもピミホに近い。「卑」は紀元前から中国北部にあった「鮮卑(せんぴ)」と同じく、「ぴ」と発音すべきなのかも知れない。

 古代、倭人は神の意志を伝える巫女さんのことをピミホと言った。倭の女王は固有名調ではなく、巫女さんという一般名詞であった。
 ピミホをユマ仮名(簡易型弓前漢字仮名)で書くと、霊゜実子。ローマ字で書くとpiu miu xou。読み方はピゥミゥホゥ。
 「子xou」の発音は今の日本語では無くなっている。のどから声をだす喉音であり、コともホとも聞き取れる音だった。今でも母のことをハハともカカァ(かーさん)とも言う。倭人語のⅹ行は、日本語のカ行とハ行に別れたり、両方の発音があったりしている。
 
 霊゜piuは「自然に存在する意志」
 実miuは「実体」
 子xouは「母体から生まれた二世」
 ピミホは「霊を物質化する子ども」「自然の意志を実体化する子」という意味になる。

 魏志倭人伝によれば、卑彌呼は鬼道に仕えて人心を惑わしている。壮年だが夫はいない。弟が補佐して政治をおこなっている。王となってからは姿を見たものがいない。ただ一人の男子だけが飲食を給仕し、指示をうけるために出入りをしている。
 つまり、人に会わず、神の声を聴き伝えている、シャーマンだと言ってよいだろう。
 倭人の百余国の部族国家は相争い、三十国になってしまった。そうして女王をたててやっと争いは終わったという。
 では女王の役目は何だったのか。神聖な天の意向を伝える、最も公平な最高裁判官であった。卑彌呼の死後男王をたてたが服さず、同じような13歳の巫女さんの壹與をたてて諸国は納得したというのもこの辺の事情から窺える。

 ピミホはのちにピミカミ(霊実母身)とピミコミ(霊実子身)の二つに分かれ、前者は高級な神の媒介者、後者は一般の神の媒介者に名付けられるようになった。前者が後の姫神であり、後者が巫女さんという現代の名前になった。
 ピミカミをユマ仮名で書くと、霊゜実母実(piu miu xau miu、ピゥミゥカゥミゥ)、ピミコミは霊゜実子実(piu miu xau miu、ピゥミゥホゥミゥ)となると思う。

 参照「弥生の言葉と思想が伝承された家」弓前六十七代池田秀穂口述/朝日カルチャーセンター

 

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