古代、日本の数詞は倍数同域子音の法則で出来ていた。分配の為の数詞だ。
YI YU YO YA (1,2,3,4)
MI MU (3、6)
TU TO (5、10)
7はMUTA(6が溢れる)、9はYATA(8が溢れる)と表すことができる。
これがどのようにひふみの数詞になったのか。
文字の無い弥生時代から口伝でつたえられてきた教えが、610年頃、弓前値成(ゆまあてな)によって、文字化された。
当時、渡来人が使っていた漢字の音を利用した日本語表記にヒントを得て作成した。
倭人の言葉の特徴は、一音ごとに意味があること。一音一義。この特徴を生かすべく、倭人の言葉一音一音に意味が近い漢字を当て、元の漢字の音は無視して倭人の音を当てた。
別の言い方をすると、漢字を訓読みで読んだ最初の人と言えるだろう。万葉仮名などは、漢字の意味を無視して音だけを使う。それに対して、漢字の意味だけを使い、読み方は変えてしまうということだ。
ただ、元の漢字だけでは意味を表すには足りない場合があった。その場合には、弓前冠というものを考案し、元の漢字に付け加えた特殊文字を考案した。
又、一音で複数形の意味を表す場合に、文字やへん、つくりを二重にした特殊文字を使った。
カタカナやひらがなと同様に、一音に付一漢字が対応する。
これらを、池田秀穂氏は「弓前漢字仮名」と命名した。
ところが、この特殊文字、ワープロで書けない。外字作成しても、他のパソコンでは文字化けが起きる。
そこで私は、汎用性を重視して、弓前冠がついている特殊文字は半濁点「゜」を使い、複数形を表す場合には濁点「゛」を使って表すことにした。
縦書きで使用すると面倒なことになるが、横書きなならば問題なく使える。外字を作成する必要もない。たとえ外字を作成しても、弓前冠を付けた文字は画数が多すぎて、通常の活字の大きさでは文字がつぶれて読めない。
私は「簡易型の弓前漢字仮名」をユマ仮名と呼ぶことにした。
弓前文書(ゆまもんじょ)は神文(かみふみ)と委細心得(いさいこころえ)の2つの文章から成り立つ。通常、私が「弓前文書」「弓前文書の行番号」「行番号」と言うのは、神文の行番号を指す。原書の「弥生の言葉と思想が伝承された家」池田秀穂口述では3桁の行番号がついているが、4章、各章4節、各節最大12行をきちんと示すためには4桁が必要であると判断し、私が4桁で付け直した。
行番号3201から3205に次のような文章がある。
結霊゜震゜実 因積醸成 因゛凝充垂 重萌増育 因集゛実放゜
ユピプミ ヨツムナ ヤコトタ エモマチ ヨヂュミペ
you piu pu miu you tu mu na yau kou tou ta yai mou mau tiu you jiu miu pai
意訳すると「天から与えられた生命、すなわちエネルギーは、まずその生態をつくり、余分はその維持に費やされる。しかし、ついには無秩序な物質の塊となって生命エネルギーはなくなってしまう。」ということだが、ここではひふみ数詞について書いているので、詳しくは書かない。
数詞の変遷を書いてみよう。
結 ユ you
一、YI ⇒霊゜ピ piu ⇒PI⇒HI⇒ひー、ひとつ
二、YU ⇒震゜プ pu ⇒PU⇒HU⇒ふー、ふたつ
三、MI ⇒実 ミ miu ⇒MI ⇒みー、みっつ
四、YO ⇒因 ヨ you ⇒YO ⇒よー、よっつ
五、TU ⇒積 ツ tu ⇒TU ⇒いつ、いつつ
六、MU ⇒醸 ム mu ⇒MU ⇒むー、むっつ
七、MUTA⇒成 ナ na ⇒NA ⇒なー、ななつ
八、YA ⇒因゛ヤ yau ⇒YA ⇒やー、やっつ
九、YATA⇒凝 コ kou ⇒KO ⇒こー、ここのつ
十、TO ⇒充 ト tou ⇒TO ⇒とー
垂 タ ta
重 エ yai
百、 萠増 モマ mou mau ⇒もも
千、 育 チ tiu ⇒ち
万、 因集゛実 ヨジュミ you jiu miu ⇒よろず
放゜ペ pai
古代ではMUTAを7、YATAを9としてきたが、おそらく数詞としては、あまり使われていなかっただろうと思う。文字の無い時代、弓前文書をまとめた時に7番目と9番目を考えたのだろうと思う。
弓前文書と日本語数詞の関連に納得できただろうか。
意味のある文章であるからこそ、ひふみは呪文であり、ひふみ祝詞(のりと)がある。
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