酒好きたちの幸福論

善の達人はこう言っています。
「お酒の偉大さを感じるには、そこにとらわれてはいけない」と。

般若心経のメッセージにはこう記されています。

それはイメージです。夫婦が円満なのは、夫が働き者だから良いのではなく、妻が働き者だから良いのでもない。家族がお金持ちだから幸福なのでもなければ、貧しいから不幸なのでもない。運が悪いからどうしようもないのでもなければ、たまたま幸せがめぐって来たわけでもない。夫婦が円満なのはただ「ありがとう」にあるのだと。

何事も満たされたアルコールほど飲酒をそそらないものはない。

時には素面でいることが心地よいものです。

まして、酒好きたちの生活はその単純さによっていっそう快適になるものだからです。

「徒然草」の一章節に、「お酒は友と飲むべし。酒の上で友を創るなかれ」とあるように、月下独酌、昔からずっと変わることなく酒好きたちの最高の報酬は永遠の晩酌のようです。

その夢見心地の楽園で酒を飲んでひっくり返っているのです。

ただ、「天命」を黙して、「宿命」を待つのも酒好きたちの「運命」なのです。