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コロナ感染で自宅療養…急変を生き抜く「10の知恵」を呼吸器外科医が解説

2021-08-22 10:00:00 | 日記

下記の記事は日刊ゲンダイデジタルオンラインからの借用(コピー)です。  記事はテキストに変換していますから画像は出ません

 新型コロナウイルスの感染者が増え続け、感染者を受け入れる病院やホテル療養施設がパンク寸前。軽症者は自宅療養を余儀なくされるケースが増えている。東京では2万人を超え、入院や入所の基準を厳格化した大阪では、40歳未満は軽症か無症状で重症化リスクがなければ自宅療養が基本になった。しかし、急変による死亡例も相次ぐだけに不安だろう。
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 コロナ感染が疑われる人がPCR検査で陽性だと、保健所が病状を確認する。東京や大阪など感染爆発エリアで自宅療養になるのは原則、無症状か軽症と判断されたケースだ。自宅療養が始まると、保健所などから電話やLINEで健康観察のほか、希望者には食料や血中酸素飽和濃度を測るパルスオキシメーターが提供される。

 感染者の病状をフォローするには健康観察が必要だが、必ずしも機能しているとはいえない自治体もある。横浜に住む40代の男性は今月2日に喉が痛み、翌朝37度8分の熱があり、近所のクリニックを受診したところ、抗原検査で陽性が判明したというが……。

「その日の夜に保健所から連絡があり、体調について簡単な質問を受けました。『詳しいことは明日』と電話が切られ、待っていたのですが、翌日も翌々日も連絡はナシ。クリニックで処方された解熱剤が効いたのか、体温は幸い上がっても38度の小康状態。でも、『これより上がったら』という不安が募り、自分で保健所に連絡したのが発症から4日目です。病状を伝え、『パルスオキシメーターはいつ届くか』と伝えると、『これから発送します』と。最初の保健所の電話の後すぐ発送されると思っていただけに愕然としました」

 病院だけでなく、保健所も手いっぱいな様子がうかがえる。東京では、自宅療養者のフォローは、フォローアップセンターが担う。今年に入ってセンターを拡充し、65歳未満の健康観察を引き受けていたが、先月28日以降は30歳未満に引き下げている。保健所の負担が増した格好だ。

 病状の悪化を待っていたら、手遅れになりかねない。では、自宅療養で注意すべきことはどんな点か。東京医大名誉教授の加藤治文氏(呼吸器外科)に聞いた。

【Q】13症状のうち見逃してはいけないものは?

 厚労省は緊急性の高い症状として13項目を掲げる。

 唇が紫色になっている、息が荒くなった、急に息苦しくなった、もうろうとしているなど。どれも危うく感じるが、シロウトは判断に迷うかもしれない。

「コロナ感染症は結局、喉や肺の炎症で、感染が喉から肺に広がってからが怖い。たとえば、喉の痛みと微熱だった症状に息苦しさが加わるのは、炎症が肺に広がった証拠で見逃してはいけません。当然、熱も上がっているはずです」

【Q】熱が上がったり、下がったりするのはどう判断するか?

 前述の男性は、ほぼ37度台後半から38度で一進一退を繰り返したが、一度だけ39度近くになったという。熱が下がるのは、よくなったのか。

「そうではありません。低くても熱があるのは、炎症が続いているためです。解熱剤を服用している場合は、多少薬が効いているのでしょうが、治ってはいません。定期的なチェックを続けることが大切です」

【Q】報道では重症でも息苦しさを感じないこともあるようだが……。

 今月6日に亡くなった東京の30代男性は37度台前半の微熱程度の症状で、重症ではなかったとされる。

「息苦しさを感じなくても、肺の炎症が進んでいると、肺での酸素の取り込みが悪くなり、体は酸素不足を補おうとして、呼吸数が上がるはずです。呼吸が荒くなった、呼吸数が増えたというケースは、要注意です」

 1分間の呼吸数は成人が20回、小児が30回ほどだ。万が一に備え、元気なときにチェックしておくといいだろう。
パルスオキシメーターはウソをつくことも(C)日刊ゲンダイ

【Q】パルスオキシメーターの使い方は?

 パルスオキシメーターは血中の酸素飽和濃度を測る医療機器で、96~99%が標準だ。厚労省のコロナ感染者の分類では、96%以上を軽症としているが、測定方法によって誤差が生じやすいという。

「イスに座って手をテーブルなどに置いて測定するのが基本です。ベッドやソファなどに横になった状態で測ると、数値が下がりやすい」

 前述の男性もパルスオキシメーターが届いてすぐ、横になった状態で測った酸素飽和濃度は89%だったという。人工呼吸器が必要な重症レベルに驚き、慌てて保健所に電話。保健所の指導で座って測ると、96%の軽症レベルの数字に「ホッとした」そうだ。

「パルスオキシメーターを正しく装着することも重要で、まず指をしっかりと奥まで差し込むこと。先端のセンサー部分に爪が当たっていないと、正しく測ることができません」

 指先に余裕があると、ダメなのだ。

【Q】指先が冷えていると測れないって本当?

 本当だ。指先が冷えて血流が十分でないと、数値が不正確になる。指を温めるか、血流のいいほかの指で測定するか。ただし、「指を動かしていると、正しく測れない」ため、測るときは座位で安静が鉄則だ。

【Q】マニキュアをしているとダメ?

 パルスオキシメーターを使う場合、座位のほかにも注意点がある。その典型がマニキュアやネイルで、これをしていると数値が下がりやすいため足の指で測定する。もちろん、ペディキュアもNGで、入院病棟の看護師はそんなとき耳たぶや鼻で測定する。

【Q】水虫があると酸素飽和濃度がブレる?

 足の指の間がジュクジュクするタイプの水虫ではなく、爪が濁る爪水虫だと、マニキュアのケースと同様に正しく測定できない。

【Q】酸素飽和濃度が正常でも危ないときは?

「数値が96%以上でも、呼吸数が増えているときは体が酸素不足を感じて補おうとしているサインです。ちょっとしたことで急変する恐れが高いといえます」

【Q】1日に何回測定すればいいか?

「自宅療養の方が亡くなるケースがあるのは急変のサインをとらえきれないためです。それを解釈すれば保健所の健康観察では不十分ということですから、自分で状態をチェックすることが急変をいち早く知る手がかりになります。そのためには、朝昼晩のほかに起床後と就寝前を加えた1日5回は体温、血中酸素飽和濃度、呼吸数などを測定するのが無難でしょう」

 もちろん、5回以上測定してもいい。数値はメモしておこう。

【Q】イザというときは保健所か119番か?

「上がったり下がったりしながらも、38度以上の熱が続いていて、息苦しさが増す(呼吸数が増える)ときは、正しい姿勢で血中酸素飽和濃度を測定。96%未満のときは、保健所ではなく、すぐに119番に連絡です」

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 パルスオキシメーターは時にウソをつく。正しく測って90%台前半で、さらに症状の変化があれば、迷うことなく119番と肝に銘じよう。



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