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座りっぱなしは「心臓病」「糖尿病」「がん」のリスクを高める

2021-10-26 08:30:00 | 日記

下記の記事は日刊ゲンダイヘルスケアデジタルからの借用(コピー)です。

 全都道府県で、緊急事態宣言が解除されました。再び宣言が発令される可能性もなきにしもあらずでしょうが、ひとまずは、だんだんと人流が活発化していくことが予想されます。今まで家の中で多くの時間を過ごしていた人も、旅行や買い物などを楽しめる。ホッと胸をなで下ろしている人も多いのではないでしょうか?

 一方で、ステイホームに慣れてしまい、外出をおっくうに感じてしまう人もいるかもしれません。家から出ずにゲームや動画配信の観賞三昧なんて方も珍しくないと思いますが、アメリカでは「Sitting Kills You」と報道されるほどで、座りっぱなし……つまり体を動かさないと、さまざまな罹患リスクを高めかねないといわれています。適度に体を動かすことは大事なんですね。

 実に、日本の成人は1日で平均約7時間座っているといわれ、これは世界一の長さというデータもあります。ただでさえ座りっぱなしの状態が多いというのに、休日もだら~っと動かずにいるのは、お勧めできません。オーストラリアの研究機関によると、1日の総座位時間が4時間未満の成人に比べて、8~11時間の人では死亡リスクが15%増、11時間以上だと40%増という話もあります。

さらに、米ハーバード大学医学部のリーらによる座位行動に関する研究(2012年)では、「動かずに座りっぱなしの時間が長いと、心臓病6%、糖尿病7%、乳がん10%、大腸がん10%、それぞれ罹患リスクが上昇する」と指摘されています。

 座りっぱなしを控えることで、早期死亡率の9%を縮小でき、座りっぱなしの人が10~25%ほど歩く機会を増やせば、毎年50万~130万人ほどの人が死亡リスクを回避できる可能性があるとも述べています。

 体を動かすようにできている脳を有するのが、人間です。そもそも、脳をはじめとする中枢神経は「体を移動させる」ためのものであるという意見もあります。

 そのため、座り続けていると記憶力低下や注意力散漫といった弊害が発生し始め、日中に体をある程度動かさないと交感神経と副交感神経の交代がうまく行われず、結果、自律神経が乱れて夜にしっかり休めない。夜間に回復がはかどらない分、疲れやストレスがたまりやすくなるというわけです。座りっぱなしは「ストレスの天敵」とも言えるのです。

人間は立っているだけで1時間に50キロカロリーほど消費しますし、健康のためにも、仕事の効率化という意味でも、立っている時間を増やすことはとても良さそうです。

 近年、グーグルやフェイスブックなどの企業がスタンディングデスクを導入していますが、テキサスA&M大学のメータらが行った実験(2015年)では、34人の高校生に24週間にわたってスタンディングデスクを使ってもらったところ、脳の実行機能とワーキングメモリーに改善が見られました。

 外出しやすくなった今だからこそ、適度に体を動かす習慣を身に付けるチャンス。生活の中で座りっぱなしの時間が多い人は、特に意識してみてください。

堀田秀吾
明治大学教授、言語学者
1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。



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