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コロナ禍で緊急の相続、「口座凍結」に慌てない心得と3つの対策

2021-02-21 08:30:00 | 日記

下記の記事はダイアモンドオンラインからの借用(コピー)です

うっかり口を滑らせたら
口座凍結されてしまった例も
 口座凍結とは、金融機関の口座名義人が死亡した際、その金融機関が口座を使用できないようにすることである。入出金はもちろん、振り込みや公共料金の引き落としもできなくなる。
 理由の一つは「争族」防止。遺産分割協議の前に相続人の誰かが故人の預貯金を引き出し、保有してしまうと、公平な遺産分配ができず、揉めることになる。そのため、遺産分割協議が終了するまで、被相続人(故人)の口座は凍結される必要がある。
相続発生時における口座凍結のもう一つの理由は、「犯罪」防止である。法定相続人でもなく、また故人が遺言書で相続財産を遺贈すると指名した訳でもない人が、故人の口座から預貯金を引き出せば、それは違法行為だ。
 しかし、金融機関が勝手に口座凍結を行うことはない。誰かが国内で亡くなった場合、死亡を知った日から7日以内に役所や役場へ親族や同居者が死亡届を提出しなければならないが(国外で死亡の場合は3カ月以内)、役所から金融機関に知らされるということもない。死亡届は個人情報だからだ。
 では、なぜ、金融機関は名義人の死を知るのか。それは、遺族からの知らせによるものだ。故人の口座がある銀行に手続き方法を確認しようと電話したら、口座凍結されてしまったという例もある。「口は災いのもと」というが、ついうっかり喋ったでは済まない。家族も、親族も気をつけたいものである。
 それならば、口座名義人が死亡したことを金融機関に報告せずにいれば良いだろうと考える方もいるかもしれない。口座凍結されることもなく安心かというと、そういう訳にもいかないのである。
 平成30(2018)年に「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」(休眠預金等活用法)が施行されている。この法により、平成21(2009)年1月1日以降の取引から10年以上、取引のない預金等は預金保険機構に移管されてしまう。そして、民間公益活動などを行う団体の資金として活用されることになっている。
 口座凍結が行われる金融機関は、銀行だけではない。信用金庫しかり、信用組合や協同組合に故人の口座がある場合もしかり。証券口座やFX口座も凍結される。近頃は、ネット銀行や暗号資産(仮想通貨/ビットマネー/電子マネー/ビットコイン/ビットキャッシュ/ビットフライヤー等)の利用者も増えているが、これらも口座凍結が行われる。
口座凍結されても焦るなかれ
仮払い制度と解除方法
 口座凍結されてしまうと、故人の預貯金などが引き出せず、医療費や葬式代も払えない事態になり得る。故人のキャッシュカードを家族が預かっていて、暗証番号を知っていれば、口座凍結前に一定額を下ろすことも可能だ。
 しかし、新型コロナなどが原因で名義人が急逝された場合、カードを預かったり、暗証番号を聞いたりする余裕はないだろう。そこで、平成30(2018)年、民法改正に伴う相続法制の見直しにより、「預貯金の払い戻し制度(仮払い制度)」が創設され、令和元(2019)年7月1日より施行されている。
 相続人は金融機関から、相続開始時の預貯金債権額×1/3×法定相続分の金額の範囲で(1金融機関につき上限額は150万円)預貯金の払い戻しができるようになった。他の相続人の同意や家庭裁判所の認可も不要だ。使途も問われない。ただし、金融機関に被相続人の除籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、預金の払い戻しを受ける相続人の実印と印鑑証明書などの書類の提出が必要となる。
1金融機関につき150万円では足りないという場合は、家庭裁判所へ全相続財産について遺産分割の審判または調停の申し立てをすることにより、仮払いが認められる。こちらは、他の相続人に利害のない範囲なら、金額に上限はない。その代わり、家庭裁判所の判断が必要となり、時間がかかる。
 遺産分割が整えば、口座凍結は解除できる。まずは、金融機関の窓口に申し出るか、電話で連絡後、手続きとなる。必要書類は金融機関によって異なるが、概ね下記のものとなる。
◎口座名義人(故人)の通帳・キャッシュカード・証書など
◎口座名義人(故人)の戸籍謄本(通常、出生時から死亡時まで)、または法務局発行の「法定相続情報一覧図の写し」(登記官の認証文言付きの書類原本 ※参考:法務局『法定相続情報証明制度の具体的な手続について』)
◎相続人全員の戸籍謄本(口座名義人の戸籍謄本で相続人を確認できない場合)
◎遺産分割協議書、または遺言書(自筆証書遺言や公正証書遺言以外の場合は家庭裁判所の検認を確認できる資料・遺言執行者が裁判所に選任されている場合は遺言執行者選任審判書も必要)
◎相続人の実印・取引印
◎相続人の印鑑証明書(通常、発行日より6カ月以内のもの)
◎その他、金融機関所定の書類
自ら備えておく
コロナ禍での「口座凍結」対策
 では、いざという時のために、自ら口座凍結に備えておく対策はあるか。相続なんてまだまだと考える20~30代のビジネスパーソンもあろうが、コロナ禍による生命の危機はもはや高齢者に限られない。また、いつ何時、自身が相続人にならないとも限らない。対策は打てるなら打っておいたほうが良い。
◎対策例1:「代理人カード」を作成する
 銀行の普通預金口座なら、口座名義人のキャッシュカード以外に「代理人カード」を作ることができる。夫婦や親子で生活費を共有している場合、離れて住む家族へ定期的に仕送りする場合にも便利だ。
 家族の名前で口座を作り、入金すると、「名義預金」とみなされ、贈与税や相続税が課税される場合がある。また、相続発生後、税務調査の対象となりやすい(参考:税務調査に関する当税理士事務所の相続コラム)。むしろ、「代理人カード」の作成をおすすめしたい。
 ただし、「代理人カード」は口座名義人本人が作成手続きする必要がある。手続きには、口座名義人と代理人各々の本人確認書類(運転免許証、各種健康保険証、パスポートなど)の提出、発行手数料を要する。口座名義人が亡くなった際には口座凍結されるが、その前にキャッシュカードを預かったり、暗証番号を聞いたりする必要がないという点で有用だ。
 また、口座名義人が認知症と認定された時も口座凍結が行われるが、その場合は「代理人指名手続き」をしておいたほうが良い。こちらも口座名義人に判断能力があるうちに手続きしておく必要があるが、介護施設への入所費用など、まとまった現金が必要な時に役立つ。
◎対策例2:「生命保険」に加入する
 入院給付金付き生命保険に加入していれば、新型コロナウイルス感染症で入院した場合も、契約内容に応じて給付金が支給される。自分が加入している保険の規約をよく確かめておきたい。
 また、生命保険や損害保険の死亡保険金には、非課税枠がある。計算式は以下となる。
 500万円×法定相続人の数=非課税限度額
 現在は、残念ながら、銀行預貯金はほぼゼロ金利となっている。水面下では「口座維持手数料」の導入も検討されていると聞く。実施されれば、預金者にとっては実質マイナス金利だ。
 すぐに用立てる必要のない預貯金ならば、自分のためにも、家族のためにも、保険加入に切り替えるというのも方法だ。年齢が増せば保険料も増すので、できるだけ早いうちがいい。保険金の受け取りは、保険会社が定める必要書類さえ用意できれば、申請から1週間程度。「預貯金の払い戻し制度」による仮払いより短期間だ。
◎対策例3:「生前贈与」する
 いずれは相続させる予定の財産なら、「生前贈与」して、口座に残す金額をできる限り減らしておくという方法もある。夫婦、親子、兄弟姉妹といった扶養義務のある者同士なら、生活費、医療費、介護費の負担は、一定の要件を満たせば、贈与税は非課税だ。将来、これらの費用を負担してくれることを見越して、「生前贈与」する。
 1人が1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税は課せられない。贈与税の申告も必要ない。贈与税には年間110万円の基礎控除が認められているからだ。これを「暦年贈与」というが、ただし、注意点もある。
 一定期間、一定の給付を目的に贈与を行うと「定期贈与」とみなされ、贈与税が課されてしまう。例えば、1000万円を100万円ずつ10年間かけて贈与するとしよう。兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合などの一般贈与なら、計算式は次の通り。(1000万円-基礎控除110万円)×40%-控除額125万円で、231万円の贈与税を納付しなければいけなくなる。
「定期贈与」とみなされないためには、以下の点がポイントだ。
◎毎年違う時期に違う金額を贈与する
◎贈与契約書を交わす:相続発生後、相続税の申告・納税をした際、税務署に申告漏れを指摘されないための証拠として
◎受贈者(贈与された人)が口座を管理する:通帳やカードなどを含め、贈与金の口座を贈与者が管理していると「名義預金」を疑われ、相続税納税後に税務調査に入られる可能性が高くなる
◎3年以上かけてコツコツと:生前贈与を開始して3年以内に相続が発生すると、贈与された財産は相続財産に計上され、相続税を納税することになる。
 もっとも、その後、贈与した相手が生活費も、医療費も払ってくれず、どこかへ逃亡してしまったでは目も当てられない。その予防線として、保険に加入しておくことも必要かもしれない。「代理人カード」にしても、家族といえども信頼関係は重要である。疑い出したら限(きり)はないが。



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