ここで本質サービスと表層サービスの相違点を比較すると、相互に重なる部分があり、次のような相違点が見えてきます。
◎本質サービスは=「上手・下手・良い・悪い・環境・専門的」であり、
◎表層サービスは=「親切・思いやり・気くばり心くばり」となります。
つまり、
◎本質サービスは、論理的なことが多く、
◎表層サービスは、感性に訴える要素が多い。
以上のような相違点があります。
しかし、「本質サービスの充実」だけでは、満足度は頭打ちになりますが、「表層サービスの充実」は満足度をどんどん上昇させます。但し、「本質サービス」の中の一つでも欠ければ、「表層サービス」ではカバーできないという側面があります。
従って、「上手な技術」を提供するのは最低限の条件です。これらの各条件の充実は顧客の満足度を高めて行くことに強く影響を与えます。このように突き詰めていくと、お客が求めているのは「技術的な面」だけではないということです。しかし、お客自身は、これらに対して明確に意識しているわけではありません。
お客が意識している欲求を顕在的欲求と言いますが、そこに存在している意識として以下のような欲求があります。
◆綺麗になりたい。
◆可愛くなりたい。
◆カッコ良くなりたい。などです。
一方で「意識できない欲求」がり、これを「潜在的欲求」と言います。この大きさを氷山に例えると、目に見える「顕在的欲求」は海面上に見えている一部に過ぎません。この氷山は、海面の下には目に見えませんが、目に見える部分の何倍もの大きな漠然とした「欲求の塊」があります。
こう考えると、お客が望んでいるものは何か?これらの欲求を解決することで、お客が、
◆いい気分になる。
◆嬉しくなる。
◆感動する。ということになります。
そのことに最も効果的に対処できるのが「プレカウンセリング」です。同時にここが美容師としての信頼を得るチャンスです。そのためには、お客の「希望や悩みに応えるための資料」を整備します。
また、明確にお客様が理解されるように「マイクロスコープ・顕微鏡」を整備します。ミクロの世界を見せることで信頼度は確実に高まります。以上のような対応によって「顧客の信者客化」が進みます。これらをサロンという空間を使って提供するのが、「サロンの商品力」ということになります。
今の時代、何を買ったとしても機能に大差はありません。美容の技術といった商品の良し悪しの差は、素人のお客さんから見れば分らないのが普通です。
業界が成熟して行けば機能的価値はどこのサロンも高まるもので、基本的には差がなくなってきます。
また、例えば「新たな技術」を開発したとしても、今の時代は直に情報が拡散するので簡単に真似されてしまいます。
「技術力」といった機能的分野によって差別化を図ろうとしても、その訴求力は無くなるということです。但し、繰り返し述べますが、「機能的価値」というのは顧客が求める最低限必要な条件です。
従って、「清潔・衛生の見える化」を図り、「上手に感じられる施術の仕方」は、高いブランド性を持たせる上で絶対的な条件となります。明日に続きます