さとちゃんのダイアリー

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Dr.コトー診療所 第8話

2003-08-24 19:34:00 | テレビ番組
今週は、吉岡秀隆さんの役者魂を見せつけられたね。やっぱ、この人の演技力はすごいワン(U・エ・U)。 では、いきますか。

(今週のキーワーズのシーン)
(山下明夫の家にて)。
コトー先生> こんにちは。
子どもたち> あっ、コトー先生。
コトー先生> 何してんの?
子どもたち> あきおじに、藁草履の作り方教えてもらってるの。
コトー先生> へえ?
子どもたち> 図工のね、自由課題なんだ。ほら、コトー先生。
コトー先生> 藁草履か。
山下明夫> 履き心地いいぞ。今度、コトー先生にも作ってやろうか?
コトー先生> あきおじ、胸のとこ、どうですか? 痛んだりしません?
山下明夫> あ~、何ともない。わしゃ、健康そのもの。それだけが自慢じゃ。
コトー先生> そうですか。良かった。
山下カズオの妻> さあ、みんな、西瓜切ったよ。あっ、先生。ちょうど良かった。先生も一緒に西瓜食べてって。
子どもたち> うわあ、やったあ。
みんな> いただきま~す。
コトー先生> うまっ。甘いですねえ。
山下カズオの妻> じいちゃん、便秘のこと、先生に聞いたら?
コトー先生> 便秘?
山下カズオの妻> 近頃、お腹が張ってしょうがないんだって。出るもん出ないって気になるんだって。
山下明夫> ん~、たまにあるけど、何じゃ、何ともない。ん~、通じがちょっと悪くなっただけじゃ。
コトー先生> あきおじ、少し痩せられました?
山下カズオの妻> ですよね。
コトー先生> もし良かったら、今度、診療所のほうで。

→ 「藁草履」、「西瓜」、「自慢」がキーワーズ。長いけど、読んでくださいね。泣きますよ。

(あきおじの癌発見のシーン。)
(山下明夫宅にて)
コトー先生> じゃあ、あきおじ、膝立ててもらえますか? この辺りはどうですか? 夏バテで食欲がないって聞いたけど?
山下明夫> ん~、ま~、どうも腹が張るような気もするけど・・・。
コトー先生> (何かを感じて)痛みはありませんか?
山下明夫> ん~、いや~、わしゃ、痔かもしれんな。血が出るんじゃよ、用を足したあとに。調子が悪いのはそのせいかな。
山下カズオの妻> じいちゃん、何でそれを早く言わんの?
コトー先生> 分かりました。それじゃ、診療所のほうで詳しく検査してみましょうか。
山下明夫> うん。
(診療所にて)
コトー先生> 癌に間違いないな。それに、もうかなり進行している。肺への転移は今のところなさそうだけど、肝臓と骨への転移が気になるな。腰痛もあるって言ってたし。
(相談事があって東京から訪れてきていたコトー先生の元彼女)原沢咲> MRIで確認したほうがいいんじゃないかしら。
コトー先生> うん。
原沢咲> 内視鏡検査は?
コトー先生> ここでは無理なんだ。
(診療所別室にて)
山下カズオ> そうですか。癌ですか。
コトー先生> 直診したときに、嫌な予感はしたんですが、設備の整った本土の病院で詳しく検査してもらったらどうでしょう。
山下カズオ> 本土の病院?
コトー先生> そのほうが、ぼくとしても安心です。
山下カズオの妻> 先生、じいちゃんには何と言ったらいいんでしょう?
コトー先生> 腸に良性の腫瘍があったと伝えてください。それで、手術することになるだろうと。

→ 家族の気持ち、分かりますか? うちは良く分かるな。だって、この前、うちの母上様にポリープが見つかったばかりだもん。不安だったな。うちの母上様は本当に良性のポリープだったんだけどね。もし、癌だったら、うち、この手の番組、見られないよ。

(コトー先生が診療所での手術を決心するきっかけとなったシーン。)
(山下明夫の孫)クニちゃん> おう、コトー先生。
山下明夫> おう、コトー先生。
コトー先生> こんにちは。どうですか、調子は?
山下明夫> おかしなもんじゃなあ。病気と言われたとたん、悪いような気がしてきた。へへへへ。
コトー先生> あっ、この間の西瓜ですね? おいしかったなあ。
山下明夫> 土はな、手をかけにゃ育たんのじゃ。耕して耕して、はじめていい土になる。いい土でないと、いい作物は実らん。コトー先生? わしゃ、島を離れたくないから、あんたに手術を頼んでいるわけじゃない。それもあるよ、もちろん、それもある。長い間、丹精込めて耕してきた土地だからなあ。ん~、でもな、わし、先生のことが好きだ。孫が先生のことを好きなように、わしもあんたのことが好きだ。ははは。愛の告白? はははは。もし、わしが死んでも、あんたの手にかかって死ねるんなら、本望じゃ。
コトー先生> 何言ってるんです。あきおじは死ぬような病気じゃありませんよ。ぼくが絶対助けますから。
山下明夫> ははは、そう言うじゃろうと思とった。いつもそう言っとるのに、わしのときには、何で言うてくれん? 陰でこそこそ息子や嫁たちに話すのは、ひどいぞ、先生。命は神様に、病気は先生にだ。命のことは神様にしか分からん。だったら、病気は先生にお願いします。どうか、よろしくお願いします。

→ 泣かせるなあ(;>_<;)。人からここまで信頼される人間って、すごいと思う。また、この気持ちに応えようとするコトー先生って、本当にすごいよね。鑑だよ、鑑。

(あきおじの手術、手遅れのシーン。)
コトー先生> それでは、これより切除を始めます。原沢先生、彩佳さん、和田さん、よろしくお願いします。メス。
(手術を始めてまもなく・・・)
星野彩佳> 先生?
コトー先生> 腹膜にも転移して、癌性腹膜炎を起こしています。肝臓、リンパ節への転移も見られる。
和田> そんなにひどいんですか?
コトー先生> (うなずく。)
原沢咲> 五島先生、オペは?
コトー先生> このまま、閉腹します。
(診療所別室にて)
コトー先生> 残念ながら、想像していた以上に転移がひどく、手を付けられない状態でした。
山下カズオの妻> 先生、じいちゃんはもう・・・
コトー先生> 長くて、2ヶ月か3ヶ月。
山下カズオ> それじゃ、先生は、親父の腹切っただけで、何もせんとそれで閉めてしまったんですか! 親父のこと、助けてくれようとはなさらんかったんですか! 先生は親父を助けてくれんのですか!
山下カズオの妻> あなた、やめて。
山下カズオ> だって、お前。何のために五島先生に・・・。
山下カズオの妻> しっ、じいちゃんに聞こえるでしょ、もう。先生、ごめんなさい。
コトー先生> お役に立てず、申し訳ありません。

→ どんなに名医でも、自然の力には勝てないのだ。それを、まざまざと見せつけられたシーンだったね。

(あきおじが、息をひきとるシーン。)
コトー先生> あきおじ、どうですか、気分は?
山下明夫> ん~、いいよ。わしゃ、健康だけが自慢・・・とは言えんな。ははは。
コトー先生> あきおじ、手術は無事に成功しましたよ。
山下明夫> そうか、そうか。すると、わしゃ、いつ退院できる?
山下カズオの妻> じいちゃん、そんな、手術したばっかりなのに。
コトー先生> そうですねえ、じゃあ、明後日あたりはどうでしょう?
星野彩佳> 先生、いくら何でもそれは?
コトー先生> ん。でも、幸い傷も小さくてすんだし、ほら、あきおじのうちは車ですぐだから、入院してるのと同じように、在宅でもケアできると思うんだ。あきおじ、どっちがいいですか?
山下明夫> そりゃ、うちのほうがええなあ。
(数日後)
星野彩佳> 先生、あきおじが・・・。
(車であきおじ宅に向かうコトー先生、星野彩佳、原沢咲。)
山下カズオの妻> 先生・・・。
コトー先生> クニちゃん、ごめんね。じいちゃん、助けられなかった。ほんとに、ごめんね。
山下カズオの妻> 先生、謝ったりしないで。じいちゃんは、先生に看取ってもらって、本当に幸せだったと思います。ね、あんた? じいちゃん、言っとったんよ。このうちに戻ってきて良かったって。毎日、彩佳ちゃんやコトー先生が何度も何度も顔出してくれて、嬉しいって。ここからは庭の木が見えるし、海の音も聞こえる。鳥が鳴いているのも、クニオたちが遊ぶ声も、それから、この人が役場から帰ってくる足音も全部分かるって。本土の病院に連れて行って、ほんの少し長生きしたとしても、こうしてみんなには看取ってはもらえんかったもん。先生、本当にありがとうございました。何度も何度も足を運んでいただいてありがとうございました。
山下カズオ> ありがとうございました。先生、これ、親父の部屋に。受け取ってやってください。(コトー先生に、藁草履と手紙を手渡す。)
(手紙を読むコトー先生、そして号泣。泣き崩れるコトー先生。)
(あきおじの手紙)> コトー様
夏涼しくて
冬温かい
わしの自慢は
西瓜と藁草履
人生で
このふたつ
あきおじ

→ 自然に涙が溢れ出た。この手紙の意味、分かります? あきおじ、手術が失敗に終わったことも、自分の命が短いことも悟っていたんですよ。ずっと番組を観ている人なら分かりますよね。「あきおじ」の口癖が、「健康が自慢」だったことを。それが、「西瓜」と「藁草履」にかわっているんです。粋な演出。そりゃ、泣いてしまうわ(;>_<;)。

(とどめの演出シーン。)
(西山茉莉子のお店にて)
(お酒を飲み、西瓜をお腹いっぱい食べ終えて眠りこけているコトー先生。)
星野彩佳> 先生? 先生? もしかして飲んじゃった、お酒?
西山茉莉子> 二口ぐらい、舐めただけだけどね。
星野彩佳> 先生、また風邪ひいちゃいますよ。先生。
西山茉莉子> いいじゃない。今日ぐらい。そっとしといてあげよう。コトー先生だって、人間なんだし。酔っ払いたいときぐらいあるでしょ。運ぶ?
星野彩佳> うん。
西山茉莉子、星野彩佳> せ~のっ。よいしょ。
(コトー先生の左手にしっかりと握り締められている藁草履。)

→ ノックアウトされました。いやあ、でも、何かに取り付かれたように、全ての患者さんを自分の家族のように思って治療しようとしているコトー先生って、本当にすごいですよね。かかりつけのお医者さんは、こういう先生でないとダメですよ。


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