【第一生命経済研究所 マクロ経済分析レポート】
足下の世界経済は先進国を中心に拡大が続くなか、金融市場も活況を呈するなど全般的に改善の動きが強まっている。こうした動きは輸出依存度の高いアジア新興国にプラスに寄与し、輸出の底入れが進んでいる。
ただし、先行きは米国トランプ政権による「保護主義」姿勢による影響が懸念される上、米中関係の行方は間接的にアジア新興国の輸出に玉突き的に下押し圧力となる可能性もあるなど不透明感がくすぶる。
ASEAN諸国は軒並み外需をけん引役に景気拡大基調を強めたが、タイは様相が異なる。前国王薨去に拠る「自粛」などが個人消費を下押ししたほか、中国向け「セロドルツアー」摘発強化でサービス輸出が鈍化したことも景気の足を引っ張った。
その一方、足下のタイ経済はソムキット副首相主導による公共投資拡充策の動向が景気を左右する展開が続いており、こうした傾向は今後も強まっていくことが予想される。
先行きを巡っても原油相場底入れに伴うインフレ圧力のほか、家計の過剰債務が個人消費の重石となる懸念がある。外需についても米国向け輸出の半分以上を機械製品が占めるなか、トランプ政権の動向に振り回される可能性は残る。観光関連で底打ち期待はあるが、引き続き公共投資頼みの状況は続くであろう。
今年のタイ経済についても潜在成長率を大きく下回る水準で推移する可能性は高まっていると見込む。
(2/23、第一生命経済研究所)
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足下の世界経済は先進国を中心に拡大が続くなか、金融市場も活況を呈するなど全般的に改善の動きが強まっている。こうした動きは輸出依存度の高いアジア新興国にプラスに寄与し、輸出の底入れが進んでいる。
ただし、先行きは米国トランプ政権による「保護主義」姿勢による影響が懸念される上、米中関係の行方は間接的にアジア新興国の輸出に玉突き的に下押し圧力となる可能性もあるなど不透明感がくすぶる。
ASEAN諸国は軒並み外需をけん引役に景気拡大基調を強めたが、タイは様相が異なる。前国王薨去に拠る「自粛」などが個人消費を下押ししたほか、中国向け「セロドルツアー」摘発強化でサービス輸出が鈍化したことも景気の足を引っ張った。
その一方、足下のタイ経済はソムキット副首相主導による公共投資拡充策の動向が景気を左右する展開が続いており、こうした傾向は今後も強まっていくことが予想される。
先行きを巡っても原油相場底入れに伴うインフレ圧力のほか、家計の過剰債務が個人消費の重石となる懸念がある。外需についても米国向け輸出の半分以上を機械製品が占めるなか、トランプ政権の動向に振り回される可能性は残る。観光関連で底打ち期待はあるが、引き続き公共投資頼みの状況は続くであろう。
今年のタイ経済についても潜在成長率を大きく下回る水準で推移する可能性は高まっていると見込む。
(2/23、第一生命経済研究所)
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