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「よし、おれは・・」
出会ったばかりで お互いをまだ
よく理解してもいない
なのに きみがここにいないという事が つらい
このつらさは 君と長年連れ添い
苦楽を共にして来た夫婦のように
徹して根本的だ
いくらでも メールをすればいい
いくらでも 電話で話せばいい
おれたちは それ程自由なのに
”一緒でなくなる”だけで もう 君への想いに束縛され
心は動けない
明日また 会えば良いのに
離れている間 君の感触が蘇り
君のにおいが蘇り 君のことばが蘇る
それが つらい
会う回数を重ねるごとに
別れてからの 会いたさが きつくなる
そら 君も 同じ気持ちでいるのだろう
そら 君は”しあわせ”になる為に 生れて来た
そら 君は”しあわせ”になる為に 生れて来た
よし おれは
君を守れるほどの 強さを持とう
よし おれは
君の為に 生涯を定めよう
よし おれは
君に対する偏見や差別や無理解や
それに類する全てに 立ち向かおう
君の心の安心と 君の笑顔を生み出す事のみに
おれが生まれた意味を 見出したから
君は 「ありがとう」が言えない
そのかわりに 「ありがとう」は
おれの中に有る
よし おれは
君の”しあわせ”の為に
「ありがとう」 と 生きよう
2008年 初夏
斎元 よしお
「はたらき協議会」以降、いかなる突発時にも対応できる態勢だった私たちを
まるで嘲笑うかの様に、「サソリ達」に動きはなく、
出し抜けに「告白」を送って寄こした「月の者256N」=「希崎」も、
その反応を止めている。
「和解マン」の動きも、それらしき兆候はなく、
何事もなかったかのような、静かな初夏をむかえようとしているのだ。
かといって私たちの現行の”警戒態勢”を解く事はできない。
それは、海外に逃亡したのであろう「サソリ」の行動パターンも、
「月の者256N」=「希崎」の仕掛け方も、出し抜けであるからだ。
そうした中でも、”何かの兆候”の様な、幾つかの出来事はあった。
一つが、「カマクイ」を追っていた「メジ式」からの報告だ。
「暴漢達はサソリではなく、カマクイと連携している」との事だった。
世の中を騒然とさせた、「サソリ」がオフィス・和解マンの事務所を占拠し、
大挙集まった群衆の目の前で、居並ぶ警官隊を出し抜いて逃走した事件(45話・「一の妄の生中継・1」~51話「そらの告白」http://blog.goo.ne.jp/seiichi999_2009/e/523467842e4beff91a80fffb5a066305)。
これはその後も「オフィス・和解マン事件」としてTVなどで
特集番組が組まれるなど、世相を大きく賑わせた。
そうした中、血気盛んな暴漢達の中には「事件」以降、
「サソリの復活」をカリスマ的に信奉する者も多く出ていた。
「メジ式」が「カマクイ」の行方を追う中で、まず多く収集できたのが、
現在 唯一「サソリ」とのパイプとなっている「カマクイ」に
暴漢達が”「サソリ」の今”をたずねるメールだ。
「サソリ様は今どこに?」。 「サソリ様の復活は?」。
これに対する「カマクイ」の返信は「待機せよ」、もしくは、「時を待て」、
「今は、ゆるやかに6号を追え」。
「カマクイ」の返信に「サソリ」という単語は一切出て来ない所から、
「カマクイ」はこの暴漢達とのやり取りを傍受されている事を警戒しつつ、
必要最低限の指示を出しているのがわかる。
この「メジ式」からの報告に「よも清さん」は、
「そのメールのデータを全て記録しておいて下さい」との返答をした。
もう一つの出来事は、「Hiたかお」からで、「斎元」と「そら」の関係の、
劇的な進展に伴って、「斎元」が「和解マン」と直接連携が取れている、
という事が明らかとなった事だ。
「斎元」と「そら」との出会いをめぐって、「和解マン」から送られて来た、
「和解マンのおみくじ」と「その説明書き」(参照・34話「和解マンのたすけ船」 35話「おみくじの内訳」http://blog.goo.ne.jp/seiichi999_2009/e/3d57527fd1f55e95169fe1a5eab6c7f3)。
これによって「和解マン」は確かに存在していて、しかも
”良いはたらき”もする、という事がわかった。
これはおもしろい。 私たちの皆が心躍る出来事だ。
「Hiたかお」と「斎元」の対話の進み具合によって、
「はたらき協議会」で決まった新たな人事でもある、「分解えら子」と、
「ゆきりん&ぽち」の「はしみ荘(斎元の自宅)」への配属により、
今後さらに煮詰まった、新たな情報も出て来るだろう。
私たちは今後起こって来る様々な出来事に対して、もう一つ新たな態勢で望む事とした。
それは、今まで物語は「よも清さん」か私たちの語り手が物語る形式をとってきたのだが、
それにぷらすα、「斎元」にも折々に物語ってもらう事としようと思う。
「語り手」の増員である。 これによってさらに多角的な表現が可能となるだろう。
というのは、彼は今はまだそうでもないが、私たちの「大調査」において、
必要欠くべからざる位置にいて、なをかつ私たちが気が付きもしなかった、
視点で局面を切り開いてくれるからだ。
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歳元さんに言ってもらった そらくんは
幸せ者ですね~
ゆかちゃん、良かったね
(あ・・・違った! いや、そうだよね
君は ありがとうが言えないけれど
僕の
ロマンも感じれば、
同時に覚悟も感じる
良いラブレターだわ
=ゆかちゃん、良かったね・・=
あはは
バレばれですが、斎元くんの言葉は、だいたい僕の過去の詩作をベースにしています
この「よし、おれは・・・」は、お察しの通り、結婚前に僕がゆかに書いたラブレターをあっちこっち書きなおして
ラブレター本文がお見せできない(笑)ので、よくわからないかも知れないのですが、
ちょっと書きかえるだけで雰囲気ごっつい変わります
だいたい自分が昔に書いたもの&描いたものは、「そらの物語」に使うと何気に”しっくり”と来る(笑)
暑さもいよいよ本格的になって来ました。
お互い夏バテしない様にがんばりましょうね
あ、そうそう、この時期、早朝、起きてすぐの冷たい「氷水」