井川美術館・３ 「勝手な字」

井　　川　　美　　術　　館

Young   man   be   not   forgetful   of   prayer   .

３

「勝手な字」

僕は油彩の作品に「字」を組み合わせていくうちに、どんどん「字」が「勝手な文字」に変わっていくのが、本当に楽しくて（笑）、ここ何十年もそれがやめられないでいる。　今回はその何点かを紹介しようと思います。

これは、「そらの物語」ではお馴染みの「FA６３７」という生き物が誕生した作品。

中央上の頭に黒い「イガイガ」のある生き物が「FA６３７」という生き物です。ちなみに「FA６３７」とは、この生き物の名前（笑）です。　この作品の本当のタイトルは　「FA６３７は４番ゲートへ」というもので、現在も「朝日画廊」で販売中だ。　作品の全体は・・・

こんな感じ。　で、”勝手な文字”　の部分が

  

こんな感じ。　文面は「FA６３７　３点は梱包不可の為、返却・転送の指示がかかりました。安全第一で、至急４番ゲートにて仮保管して下さい。」　と書いてある。　んっ？？？何んのこっちゃ（笑）？？？　しかも英文は某バンクバンドの歌詞。　この文面は、「絵」の説明にはなってないし、よく見ると、「字」も　”ちゃんと”　した「字」ではない。　だいたい、僕の「サイン」からしても、

このありさま（笑）。　「ごんべん」は、こんなんじゃない（笑）！！書き順も変っ（笑）！！　でも、読めるでしょう？？「誠一」って（笑）・・・。　「FA６３７～」とは違う作品のサインですが、全てこの調子です。　どういう「くずし方（？）」なのかは、自分でも謎。　”井川くずし（笑）”？？？　要は、書いてる僕が、気持ち良ければいい。

 

　

これは「顔の塔」という作品。　少し前のものなので、色調や雰囲気が、ちょっと病んでいる。　「油彩」に「文字」を入れだした、初期の作品です。　ただ、何が書いてあるか、ほとんどわからない　　これと比べると、先の「FA６３７～」は、だいぶんと「絵」と「文字」の組み合わせ方が　”落ち着いて”　きている。　と思う。

こんな調子で「書」にもチャレンジしてみた。

「経営環境の急激な」　と書いてある。　文章の続きは・・・ない（笑）。　練習のために、　「そこらへん」にあった文字を書いて（描いて、かな？）みた、というもの。

これは「陽己」。　息子の「みなみ」の字。　これは、両手で書いています（笑）。　右手に「えんぴつ」、左手に「ふで」。　だいたい僕は作品に文字を入れる時、「一文字を書いている途中」でも、画材や書くものを変えたくなるで、もとより、２種類は持って置かないといけない　ちょっとクレイジー（笑）

しかし、この「文字」と「絵」を、一つの　”構図”　でくくると、

こんな感じで、なんだかまとまった感じに・・・・なる。　この作品は去年の小品で、折りたたみ式の「ついたて」タイプ。　未発表。　タイトルもなし（今の所）。　「絵」は電柱に「生き物たち」がとまってて、何か叫んでる。　ちょっと怖い。　この部分は「生き物たちカレンダー」や、blogに使ったりしているので、見たことあるよ、という方もおられるのでは・・。　で、文面は、僕の「日記」。　「昨年末より、自宅１F・駐車場にて作業を開始した。強い確信と深い決意、これで十分だ。　誠一」と書いてある。　まさに、”意味不明の強気”（笑）　　我ながら、意気込んでいた。　何に意気込んでいたかというと、その時勤めていた会社からの「リストラ」が決まり、当然「創作」どころではない現実があり、何も打開策がない中で、唯一「あほか、負けへん！」という、根拠のない自信（）はあった。　そういう作品。　「絵」も「字」も、出来栄え的には、「イマイチ」だったけど、一応、「字」と「絵」はちゃんと　”リンク”　している。

「字」の画像が続くと、ちょっと地味になる。　では、地味続きで、ちょっと真面目な作品。

風景・・・といえる唯一の作品です。　自分ではお気に入りの一点。

 

あれやこれやと書きましたが、楽しんでいただけましたでしょうか？　「美術館」というくらいなので、ちょっと「ART」に楽しんでいただけれは幸いです～

おまけは、「そらくん」の”もと”。　「そらくん」になる前のスケッチです。　最初は大分と、「おこちゃま」だったんです。　

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