gooブロガーの今日のひとこと。テーマは「一週間お休みがあったら何をする?」
わたしは「一人旅に出る」とつぶやいたが、そういえばはるかむかし、一週間の旅(二人旅だったが)で今でも忘れられない経験をしたなあ、と思い出し、この記事を書いている。
大学時代パッケージツアーに参加して、つくづく自分は団体旅行に向いていないと悟って以来(よく言えば一人で何でも決めてどんどん行動できる、悪く言えば身勝手で協調性に欠ける)、基本的には国内外どこへでも一人で出かけるようになった。
それが何を血迷ったのか、20代前半の一時期に付き合っていた人と四国・九州の旅に出かけたことがあった。
彼は留学生で、彼が在籍している某大学院は履修科目の講義が英語で行われているという。だから、彼の日本語はいつまでたっても上達せず、わたしが通訳の役割を果たすことが多かった。
当然、旅の具体的な計画も手配も、日本語の分からない彼には無理。彼は、母国で購入した英語のガイドブックをもとに、四国のここと九州のここを訪れたい、とリクエストするだけ。後は全てわたしが準備をするはめになった。
彼の大学院の夏休みに合わせてわたしも有給休暇を取った。飛行機は使わず、ひたすら電車とフェリーで移動した。
さて、とんだハプニングが起きたのは旅の3日目。
初日は新幹線とフェリーで四国へ渡り1泊し、2日目は岡山をさらっと観光して博多泊。3日目は博多市内および近郊を観光した後、その日のうちに長崎まで行ってそこで2泊する予定になっていた(40年近く前のことなので詳細は思い出せない)。ホテルはすでに予約済み、ただ九州内の列車は予約はせず、乗れるものに乗って行こう、ということにしていた。
彼はもちろん、わたしにとっても初めての九州。それでも、バックパッカーとして自分で全て手配する一人旅を何度も経験して、知らない土地への旅にもまったく不安はなかったし、ましてここは日本。言葉が通じるではないか!
博多から長崎への直通電車は無いので、乗り換える必要があった。そのこともちゃんと事前に調べ、駅構内の放送も聞いて、乗るべき電車に乗ったつもりだったのだが。
四国と博多での彼の言動から、いかに自己中で要求の多い面倒な奴ということが分かり、観光ガイド兼通訳を務めたわたしはくたくたになっていた。この旅が終わったら別れてやる!いや、なんなら博多で置き去りにしてやろうか!とさえ思ったほど、わたしはうんざりしていた。そして、電車に乗ったとたん、溜まった疲れがどっと出て目を開けていられなくなった。
彼に「終点みたいだよ」とそっと体を揺すられ、慌てて目を開けたら、そこは長崎ではない!!ではないか!!えええええ!?いったい、何が起きちゃったの!?!?
駅員さんに尋ねたところ、乗り換える電車を間違えてしまったと分かり、彼もわたしもおおいに不機嫌になる。が、お互い疲れすぎて相手を罵るエネルギーすら残っていない。
そこで、まずその日泊まる予約をしている長崎のホテルに電話をして事情を説明し、翌日朝にチェックインするので予約を取り消さないでほしい、と頼み込んだ。そして、次に駅の近くで泊まれるところがあるか探して、なんとか民宿のようなところに無理を言って泊めてもらったのを覚えている。駅名は忘れたが、大分県のどこかの小さい町だった。
翌朝、始発の電車で長崎に向かう。今度こそ、間違っていない。この電車で大丈夫、と指先確認をして乗り込む。
そして、このハプニングが、実はわたしにとって九州旅のクライマックスになったのだった!!!ドジを踏まずに真っすぐ長崎に向かっていたら、決して目にすることのなかった絶景に、出会えたのだから!!!
電車(九大本線)に揺られてまもなく、車窓の風景がわたしの目をくぎ付けにした。
雲の隙間から薄日が差して山並みをやさしく包み、陰影を浮き彫りにしている。それはとても幻想的で美しい水彩画のような、現実とは信じがたいほど神々しい風景だった。
言葉もなく、ただずっとその風景を眺めていた。夢の中を漂っているような不思議な気分だった。車窓から写真を撮るのを忘れたことに気づき、後悔したけれど。
これこそが旅の醍醐味なのだ。強がりでも開き直りでもなく、乗り換える電車を間違えて本当に良かった、と思った。
九州は博多と長崎を旅したが、わたしにとって一番印象に残っているのは、一度も下車しなかった九大本線の車窓の風景である。
引き込まれて読みましたよ😍
岡山をさらっと通られたのはこの時だったのですね。
またお越し下さいね〜💕
こんばんは。
怪我の功名ではありませんか。
奇跡が起きたのは、彼のおかげかもしれませんよ。
神秘的な絶景に出会えて、彼へのうんざりした気持ちも一瞬のうちに吹き飛んでしまったのではないですか?
storytellerさんがいつか夢のお話しをされてましたね。
電車に乗ってるけど、なぜか目的地にたどり着けない。
最初、読んでて、その夢の内容に似てるな~と思いました。
実は、私も同じ夢をよく見るんですよ。
私の場合は、家に寝たきりの母がいるから早く帰らなければならないのに、反対方向に向かっててパニック状態になる夢です。
ハラハラドキドキする夢は見たくないですね。
storytellerさんはステキなエピソードを沢山持ってますねー
また神々しいお話しを聞かせてくださいね。
そうなんですよ~、もう35年以上も前に一度だけ、ちらっとお邪魔したのでした。
今度訪れるなら絶対一人で!と決めています。
コメントありがとうございました♪
分かります、電車って楽しいようで恐ろしい乗り物ですよね~。
反対方向の電車に乗ったら、そりゃパニックします。
ましてそれが特急列車だったら、大変!
夢だけでなく、実際にも何度かやりました。
それにしても九大本線沿いの景色は素晴らしかったです!
まるで別世界でしたよ~。
今はもう九州まで旅する気力も体力もないだけに、
とても良い思い出になりました。
しかし、彼のおかげだなんて、これっぽっちも思いません 笑。
コメントありがとうございました♪
おはようございますm(_ _)m
そして、お久しぶりです!
電車🚃
夢で良く乗っています〜😅
以前はやんちゃな患者さん3人を1人で電車に乗せて目的地まで〜💦💦夢で疲れ切り〜笑笑
あ、そうそう
分かります〜こちらが動かないと進まず、
少しのミス?で文句?言われ〜
あ〜腹立たしくも〜😅💦💦💦
素晴らしい景色はご褒美ですね!
神様?が、storytellerさんに見せたくて
素敵なイタズラをしてくれたのかも😊
そんな素敵なアクシデント?が、好きな私です╰(*´︶`*)╯♡
いつもありがとうございます😊😭🥰💓
ひいこ💕🌀🌀🌀
こちらでもお話ができて、二重に嬉しいです!
ひいこさんも夢でよく電車に乗るのですね~。
しかも疲れるような夢を 笑。
そういう人って結構多いのかもね。
神様の素敵なイタズラ、
わあ、ひいこさんの表現が本当に好き!
そうね、きっとそうだったのでしょう。
神様ありがとう。
コメントありがとうございました♪