![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/ef/71e7f2b77a8625fda9922ac02489bf23.jpg)
読書が趣味のわたしは、ほぼ毎日何かしら本を読んでいる。それでもここ数か月は、読後感をブログに書こうと思えるほどの本に出会えず、なんとなくだらだらといろんな本を読んでいる状態であった。
が!
出会えた、やっと!!!
松永K三蔵の『バリ山行』に。
昨年末、近くの図書館に予約を入れていたのが、やっと借りられることになり、一気に読み終えた。
まず、文章のリズムがとても良い。わたしの好みにぴったり合うのだ。一つの文の長さ、使われている語句、そういったものが、わたしをぐっと惹きつける。お気に入りの歌に合わせて体が動くような、そんな感じの。サーファーだったら、最高の波に乗って、体が波と一体になったような。文章に魅了された。それが、この小説の第一印象。
そして、職場の同僚と低山歩きをするようになって、主人公である波多(はた)が少しずつ変わっていくところも興味深い。灰色から、深緑、そして鮮やかな緑へと、主人公のイメージが変化していく。山との出会いによって、頑なだった彼の心が少しずつ柔らかくなり、人とのつながりにも意味を見出すようになったころ、強烈な個性の持ち主である妻鹿(めが)が彼の世界に入って来る。
この出会いが、波多の人生を揺さぶり、渦に巻き込み、生死の境をさまようような恐怖の体験をさせ、そして、波多は覚醒する。
これ以上書いてしまってはこれから読もうとしている人に申し訳ないので、この辺にしておくが、妻鹿に感化され、波多が初めてバリ山行に挑んだ場面は、まるでホラー映画だ。彼の恐怖に引きつった顔がアップで映し出され、恐ろしい効果音が聞こえてくるような臨場感に溢れている。対照的に、妻鹿は波多の不安などおかまいなしに嬉々として道なき道を進んでいく。読んでいるわたしの心臓の鼓動も早くなり、頼むからこれ以上波多を危ない目に遭わせないで、と祈る思いでページをめくった。
正直、わたしは波多のような人物は好きではない。内向きで優柔不断で、自分の思ったことを口に出来ない。なかなか人にノーと言えない。そういう人を見ているといらいらしてしまうのだが、その波多が妻鹿とバリ山行をしたことで、殻を破り、今までになかった心境に到達する。その姿に、心を動かされた。
ラストは、凄い。さすが。これにはまいった。うわあ、という感じだ。もう、この小説、好きすぎる。
ところで、バリ山行の「バリ」って、てっきりバリ島のことだと思っていたわたし。バリには若い頃一度訪れたが、確かに低山があったなあ、あそこを歩いたら楽しそうかも、なんてのんきなことを考えながら読み始めたら、大いなる勘違いに気づく。「バリ」とは「バリエーションルート」、つまり通常の登山道ではないところを行くのだそうだ。
ああ、それならわたし、ハワイにいたとき一度だけやったことがある。意図したのではなく、通常の登山道が見つけられず、なんとなく歩けそうなところを進んだらとんでもないところに出た、という経験があった。この話はいずれまた機会があったらブログに書きたいと思っている。
山好きの人はもちろん、登山をしない人にもお勧めしたい一冊だ。人生について再考するきっかけを掴めるはずだから。
バリ島 訪れたときの景色を思い浮かべました(でも、山より棚田の風景)
主人公が あまり好きな感じじゃないと読み進めるのが無理になる私です。
でも それだけ読み応えある本だと言うことですね。
ご紹介ありがとうございました😊
私は優柔不断不断では無く
物事を純粋に受け入れ
人物を良く観察し
ストレートに物申す
モケケ先生ぇー可愛いでぇーーーす!
( 」゚Д゚)」
フッ
こんにちは
storytellerさんの心をこんなにも震わせ、まいらせた作者に感服します。
文学には全然ダメな私、きっと数ページでgive upだと思います。
だから映画化してくれたら観にいきたいな。
バリとは登山用語ですね。
ルートではない道を自分達で開拓しながら進んで行く、目的地に到達できた時はより大きな達成感を味わえそうだ。
一度だけ獣道を歩いて下山した事あります。
まあリーダーについて行っただけですけど、もう1度きりで良いてす。
今日も風が強く寒いですね。
風邪に気おつけてね〜
やっぱり、バリ島を思い浮かべちゃいますよね~。
棚田も美しいですね!
>主人公が あまり好きな感じじゃないと読み進めるのが無理になる私です。
わかります!わたしもそれで挫折した小説、いくつかありました。
でも、この小説は文章のリズムが小気味よいのと、
山の描写が素晴らしく、内容にぐっと引き込まれるので、
主人公に感情移入できずとも十分楽しめました。
コメントありがとうございました♪
やばっ!
それって、まさにわたしの好みの男性像ではないですか~!?
だめだめ、お姉さんには絶対かなわないので、潔く諦めます。(涙)
コメントありがとうございました♪
こんにちは~。
さすが山ガール!!「バリ」をご存知だったのですね~。
獣道って、すごく迫力ありそう、でも怖い感じもする。
そのリーダーさん、勇気がありますね。
きっとその山にとても詳しく、方向感覚も優れた人なのでしょうね。
わたしも「バリ山行」映画化に大賛成です!
だれか映画化してくれないかなあ。
コメントありがとうございました♪
私イヤだなぁー
だけど、こちらからはモケケ先生を応援して行きますよー😁✌️
そうかあ。
恋は実らなくても、友情は大切にしなくては!
わたしよりうんと年下の男友達として、これからもよろしくね~笑。
storytellerさんをいただきましたー!!
( ゚Д゚ノノ☆パチパチパチパチ
ですが一つ語弊があります
歳は大して変わらないですね~
私10歳若く見られがちですから😜
>(⊙ꇴ⊙)おぉー♡... への返信
え~!?本当に~!?
それって、今年で一番驚いた話かも。
@@@@@@