お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

オレはタイムスリップしてしまった

2018年10月11日 | 「オレ」シリーズ(一話完結連載)
 オレはタイムスリップしてしまった。
 鎧兜の男たちが怒声を上げて刀で斬りあっている。
 戦国時代のようだ。
 背中に旗を背負っている者もいる。
 見たことのある旗だ。
 オレの血が騒いだ。
 しかし、問題が一つあった。
 オレは戦国時代の事は全く分からないのだ。
 結局オレは、敵味方が分からず、悲鳴を上げながら逃げ惑うしかなかった。
 ああ、歴史をちゃんと勉強しとけばよかった……


 オレはタイムスリップしてしまった。
 ある森の中だった。
 どこの森だ?
 きょろきょろしていると、弓矢を持った一団がやってきた。
 オレに話しかける。
 オレは笑顔を向ける。
 しかし、問題が一つあった。
 何を言っているのか分からないのだ。
 オレが返事をしないでいると、残念そうに行ってしまった。
 唯一聞き取れたのは「ロビン・フッド!」だった。
 ああ、英語をちゃんと勉強しておけばよかった……


 オレはタイムスリップしてしまった。
 真っ暗だった。
 音もない。
 何もない。
 こりゃあ一体何なんだ?
 突然大きな爆発が起こった。
 これがビック・バンってやつなのか!
 しかし、問題が一つあった。
 オレは日々の生活に追われて、この手の話題に全く疎いのだ。
 もの凄い場面に遭遇したのだろうが、価値が全然わからない。
 ああ、科学をちゃんと勉強しておけばよかった……


 ああ、勉強を! 勉強をちゃんとしておけばよかった…… 

 みんな、オレの轍を踏むなよ。

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