このたび、文科省が国立大学を対象に「三つの枠組み」を設け、各大学が選んだ枠組みに沿って活動を評価する仕組みを設けたことをご存知でしょうか。
「三つの枠組み」に関する各大学の選択結果は、「世界最高水準の教育研究」が東京大学など16大学、「特定の分野で世界的な教育研究」が東京藝術大学など15大学、「地域活性化の中核」が55大学となっています。今後、タイプの似た大学を集めて成果を競わせる仕組みにより、今以上の大学の生き残りをかけた競争が行われます。
さらに、昨年文部科学省に設置された有識者会議が平成28年1月の審議結果を取りまとめましたが、その中では新たに「指定国立大学」構想を打ち出しています。これは、世界の有力大学と伍して国際競争力をもち、我が国の高等教育をリードする国立大学を文部科学大臣が指定するというもので、おそらく、「指定国立大学」は、「三つの枠組み」の内、「世界最高水準の教育研究」の15大学の中から選ばれるのではないでしょうか。
取りまとめでは、「指定国立大学」に備えるべき要素として、1)人材育成・獲得、2)研究力強化、3)国際協働、4)社会との連携、5)ガバナンスの強化、6)財務基盤の強化をあげています。
他の大学との差別化の考え方は、以前ブログで記載した独立行政法人の「特定研究開発法人」にも通じるものがありますが、私は職業柄、上記要素に加え「指定国立大学」にふさわしいコンプライアンスの構築が求められるのではないかと考えています。