プロ野球関係でもう1つ。
先日、沢村栄治賞が発表されましたね。この賞は、その年に最も活躍した投手に与えられる特別賞です。あれ、野手は?首位打者、本塁打王やゴールデングラブ賞などはありますが、その年に最も活躍した野手、最も記憶に残る野手に与えられる賞はありません。では、作ったらどうでしょうか。そう、記録だけではなく記憶にも残る野手に与えられる賞を!
記憶に残る野手に与えられる賞なら、、、長嶋茂雄賞でしょう!
プロ野球関係でもう1つ。
先日、沢村栄治賞が発表されましたね。この賞は、その年に最も活躍した投手に与えられる特別賞です。あれ、野手は?首位打者、本塁打王やゴールデングラブ賞などはありますが、その年に最も活躍した野手、最も記憶に残る野手に与えられる賞はありません。では、作ったらどうでしょうか。そう、記録だけではなく記憶にも残る野手に与えられる賞を!
記憶に残る野手に与えられる賞なら、、、長嶋茂雄賞でしょう!
先日、プロ野球ドラフト会議がありました。日本シリーズも行われています。日本プロ野球は盛り上がっていますね。ただ、気になるニュースもあります。若年層の野球離れが進んでいるようです。テレビの視聴率も下がっています。10年先、20年先さらに深刻になるかもしれません。
今後、画期的な手を打っていく必要があります。プロ野球の運営にかかわる人や機関が、プロ野球全体の利益とは何かを考えなければなりません。この点、過去にはプロ野球全体の利益の追求から逆行する動きもありました。2004年に起きた8から10チームの1リーグ制にしようとする動き(プロ野球再編問題)です。各球団にとって短期的利益は発生しますが、プロ野球全体にとっては縮小均衡でありマイナスです。ただ、このような動きは、プロ野球の執行部が各球団代表によって構成されているなら当然ですね。
今のプロ野球の執行部がどのようになっているかは知りませんが、少なくとも執行部は各球団から完全に切り離れている必要がありますね。各球団から独立しているからこそ打てる手もあります。
私が考える打つ手の1つが、表題のスワローズのリーグ移籍です。今のままでは、首都圏のファンを巨人と2分するしかありません。スワローズがパリーグに移籍すれば、巨人もスワローズも首都圏人口すべてを取り込むことが可能です。応援する球団は、セリーグは巨人!パリーグはスワローズ!みたいに。また、交流戦では、「首都圏決戦」、「中央線決戦」などとして盛り上がるでしょう。その代り、日本ハムファイターズ辺りがセリーグに移籍すれば、セリーグとパリーグの地域バランスも良いかと思います。
また、MLBで導入されているいわゆる「ぜいたく税」も実は論理的です。「ぜいたく税」は、裕福な球団、たとえばMLBではヤンキースなどから徴収しています。1,000万人の潜在需要のある首都圏と100万人の地方都市では、やはり差があります。「ぜいたく税」はその差を埋めようとするものです。また、徴収した税を地方球団に回せれば、プロ野球はさらに球団を増やせるかもしれません。重要なのは、球団が増えることにより、長期的には「ぜいたく税」を徴収された首都圏の球団の利益にもなることです。
つまり、各球団個々の利益追求だけではなく、日本のプロ野球全体を盛り上げる仕組みも必要なのです。以上、私の妄想でした。
最後に、運動施設と「スポーツ文化」について考えてみることにします。
自治体が運営する運動施設、たとえば東京体育館や市民プールは、公共性のある施設として維持費の一部に税金が投入されています。これは前述のとおりです。では、税金が投入されることは当然なのでしょうか。私は違うと思います。本来は運動施設でも採算がとれる施設であるべきです。民間が運営している施設なら、様々なイベント等を行うことによって赤字にならないようにするでしょう。自治体が運営する運動施設で、税金の投入が許される条件、言い換えると公共的施設になり得る条件はただ1つ、その地域に「スポーツ文化」が熟成していて、競技会場がそのための施設かどうかだと思います。
では、「スポーツ文化」とは何でしょうか。「文化」と言っても、下町文化や江戸文化など地域や歴史のまとまりを指すものや、食文化と言った人の活動を指すものなど様々で、一言で定義するのは難しい概念です。しかしながら、あえて定義すると、「人間が有史以来獲得してきた能力や慣習、さらにそれから発達した芸能、宗教、政治、経済・・・・そしてスポーツなどなど」でしょうか。
人間は、進化してきた過程で自然環境に適応する身体的特徴を失ってきました。たとえば、寒冷地に生息する動物は毛皮や厚い皮下脂肪があるなど身体的特徴がありますし、肉食動物は鋭い牙を持っています。逆に人間は、身体的特徴を切り落としてきており、その代わりに道具を用いたり服装や住居を工夫したりしてきました。これらが能力や慣習となり、結果として文化を生み出してきたと思われます。スポーツについても同じです。
人は生きていく上で「心と体のバランス」が重要となります。つまり、健全な心を維持するためには健全な体が必要になります。また、健全な体は健全な心が支えます。人は生きていく手段として体を酷使しなくなった後でも健全な体を維持するために体を動かす慣習を保持し、それが各種のスポーツとして発達してきました。そして、これらスポーツが地域の人々に慣習として根付いている状況こそが、「スポーツ文化」の熟成ということができるのではないでしょうか。
運動施設に税金の投入が許されるには、「スポーツ文化」の熟成、つまりスポーツが地域の人々に慣習として根付いており、さらに施設が、1)地域の人々に対して、生涯を通じてスポーツに参加(する、見る、支える)する機会を提供し(これは、たとえ参加していなくてもスポーツを身近に感じることを含む)、2)年齢を重ねてもその世代に応じて活動を継続できる環境を提供し、3)さらには、生涯を通じてスポーツが必要不可欠なものとして生活の一部を占める環境を提供できる機能を備えていることが必要です。
最初に戻ります。3競技会場が「負の遺産」にならないためには、東京において「スポーツ文化」が熟成しており、さらに自治体が有効性、効率性の高い施設として維持できるかです。まずは、その判断のための情報、たとえば初期投資額(建築費)及び毎年度どの程度の維持費がかかるかについて、東京都は都民に公表すすることも必要だと思います。
施設の有効性と効率性について、もう少し考えてみましょう。
実は、オリンピックの遺産は競技会場だけではありません。1964年の東京オリンピックでは、東海道新幹線の整備も代表的なオリンピックの遺産です。ご承知のとおり東海道新幹線は、その後の日本経済に計り知れない効果をもたらしています。また、社会への経済的効果だけではなく、財務的にも十分採算が取れる遺産となっています。一方、競技会場などの運動施設はどうでしょうか。私の知る限り自治体が運営する運動施設で採算がとれる施設はありません。但し、運動施設の場合、採算が取れる施設である必要はありません。採算が取れる施設なら、民間に任せれば良いのです。どういうことでしょうか。ここで問題となるのが「施設の公共性」と「受益者負担」です。
たとえば、ある自治体が運営する運動施設の維持費用が1,000円であるとします。この施設は地域住民であれば誰でも使える施設であり、そのために税金が800円投入されています。これが「施設の公共性」です。但し、地域住民によっても利用頻度は異なります。この不公平性を解消するために、実際に利用する場合には一部負担させるべきです。そのため、利用には200円を徴収することにします。これが「受益者負担」です。つまり、結果的に施設は800円の赤字となりますが、これは最初から想定されていることです。
では、もともと採算が取れない施設でどのようにして「有効な遺産」か「負の遺産」なのかを判断するのでしょう。これが、有効性、効率性です。たとえば、住民満足度が高い施設は有効性が高い施設でしょう。また、稼働率が高い施設も同様です。ただし、ある程度の稼働率は維持していても莫大な維持費がかかる施設は効率性が低いことになり「負の施設」と判断されるかもしれません。
なお、これらの判断は、自治体自らが行いますので、住民はしっかり自治体が行う判断の妥当性を見ている必要があります。
2020年のオリンピックに向け都が整備に着手している施設の内、3競技会場の抜本的見直しが話題になっています。3競技会場とは、ボート、カヌー・スプリント会場「海の森水上競技場」(東京湾中央防波堤)、水泳会場「オリンピックアクアティクスセンター」(江東区)、バレーボール会場の「有明アリーナ」(江東区)です。
小池百合子東京都知事は「ランニングコストも考えた上での報告書で、重く受け止めたい。負の遺産を都民に押し付けるわけにはいかない」と述べています。この小池知事の発言のキーワードは「負の遺産」です。一方、オリンピック憲章では、この遺産という言葉に関して次のように記載されています。
14. オリンピック競技大会の有益な遺産を、 開催国と開催都市が引き継ぐよう奨励する。(14. to promote a positive legacy from the Olympic Games to the host cities and host countries;)
(オリンピック憲章 第2章オリンピックムーブメント 2 IOCの使命と役割 14)
つまり、競技会場を整備すべきかどうかは、当該施設が「有益な遺産」(positive legacy)か「負の遺産」(negative legacy)かにかかっています。この判断で重要となるのが、施設の有効性と効率性の検証です。まず、施設の有効性とは、施設建設の成果が十分に発現されているかという視点で、具体的には住民満足度や年間観客数、稼働率で測ることができます。次に、施設の効率性とは、その成果に対して最少の経費・労力で施設が維持されているかという視点で、具体的には来場者1人当たりコストなどで測ります。スポーツ施設などの大規模施設は、建設費だけではなく、毎年度莫大な維持管理コストがかかります。したがって、当該施設は毎年度十分な成果が期待できるか、またある程度の成果は期待できるがそれがコストに見合ったものであるかについて十分な検討が必要なのです。
「有益な遺産」(positive legacy)か「負の遺産」(negative legacy)の判断は、慎重に行う必要があります。