7月29日は「虎(とら)の日」です。
万葉集には、虎(とら)を詠んだ歌があります。
虎(とら)は中国や朝鮮半島にいましたが、万葉の頃は絵や毛皮などでその存在を知っていたようです。生きた虎が日本に初めて運ばれてきたのは、平安時代だと言われています。
今日は、万葉集で生き物を詠んだ 虎(とら) の歌です。
万葉の時代も、「虎(とら)」と呼ばれています。
万葉集/巻16-3833 作者/境部王(さかいべのおおきみ)
虎に乗り 古屋(ふるや)を越えて 青淵(あおぶち)に
蛟竜(みつち)捕り来(こ)む 剣大刀(つるぎたち)もが
【意味】虎に跨(またが)り古家(ふるや)の屋根を 軽く跳び越え真っ青な
淵の蛟竜(みずち)を捕りに行きたい 剣の太刀があればなあ
※「青淵」深く水をたたえて青く見える淵。
※「蛟竜」想像上の動物。水中に棲み、蛇に似て、
角(つの)と四つ足を持つ竜の一種。みずち。
※「剣大刀」〈剣〉両刃の刀。上代には刀剣はすべて両刃で、
刃物を総称して〈つるぎ〉とも〈たち〉とも言った。
※「もが」願望。
万葉集には、自然、草花、四季、生き物などがたくさん登場します。
万葉人が豊かな自然の中に暮らした時代を歌で楽しみましょう。
※写真は、Canvaのフリー写真素材を使用
「虎の日」の由来 7月29日は、絶滅危惧種であるトラの現状を知り、保全のためにできることを考える「世界トラの日」です。 「世界トラの日」は、2010年にロシアのサンクトペテルブルクで開催された国際会議「トラサミット」で制定されました。