『源氏物語』20帖 朝顔(あさがお)
朝顔の姫宮への恋慕と拒絶
光源氏32歳秋-冬 内大臣時代
朝顔斎院?歳/紫の上24歳
[光源氏、朝顔(前斎院)を訪れる]
朝顔斎院は、父式部卿宮の喪に服して斎院を下り、桃園宮に帰ります。
以前から朝顔に関心のあった光源氏は桃園宮を訪れたが、朝顔は会おうとしません。光源氏は朝顔に対し熱心に恋文を贈ります。
巻名は光源氏と朝顔の歌による。
「見しおりのつゆわすられぬ朝顔の花のさかりは過ぎやしぬらん」
「秋はてて霧のまがきにむすぼほれあるかなきかにうつる朝顔」
※写真は、「青い朝顔」/無料(フリー)写真素材を使用
[光源氏の夢に藤壺が現れる]
紫の上は光源氏の朝顔に対する求愛の噂を聞いて悲嘆にくれます。
ある雪の夜、童たちに雪転がしをさせて楽しみながら、光源氏は紫の上をなだめるつもりなのか、これまで出会った女性達のことを振り返り「どの人も素晴らしく、多くの人を傷付けた」などと語るのでした。
その夜、亡き藤壺の宮が源氏の夢に現れ、ふたりの過ちが知られてしまったことを恨んでいると告げます。源氏は密かに藤壺の宮の供養を行い、来世こそ、ともに生きたいと願うしかありませんでした。
【源氏物語20帖に出てくる主な登場人物】
光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮に恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮も藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。
朝顔の姫君(あさがおのひめぎみ)
桃園式部卿宮の娘であり、斎院である。光源氏のいとこにあたる。
若い頃から光源氏は朝顔の君に求愛する。朝顔は光源氏に好意は持ちつづも、拒み続ける。
手紙の遣り取りのみ行うプラトニックな関係。
紫の上(むらさきのうえ)
幼い頃は、「若紫(わかむらさき)」と呼ばれる。
藤壺中宮の姪であり、顔がよく似ている。光源氏が生涯で最も愛した女性。光源氏は、紫の上が幼い頃に自宅にひきとり、育てて結婚した。
正妻ではないが、正妻格として周囲から扱われている。子はできないが、光源氏と明石の君の娘明石の姫君を養育する。
藤壺の中宮(ふじつぼのちゅうぐう)
先帝の内親王。「藤壺の宮」とも呼ばれる。桐壺の更衣亡き後、桐壺帝は顔がそっくりな藤壺を入内させる。光源氏の初恋の相手であり、光源氏と藤壺の間には不義の子(冷泉帝)が誕生。
桐壺帝が亡くなった後は、出家する。
今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』や『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。
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