健康保険問題で国民の生命を蔑ろにした武見太郎に岡本太郎が噛み付いたのである。
わたしは勿論、この二人の太郎の喧嘩に対して、岡本太郎を応援する。
武見太郎は岡本太郎に対して「ヘボ絵かき」と言った。
武見太郎は運良く岩波文化人と付き合いができ、その縁で理化学研究所に入ることができた。
この辺りから運が開ける。慶応病院では新しい機械を独り占めにして研究に没頭する超エゴイストである。
その内、大久保利通の子供牧野伸顕の娘を貰い吉田茂と親戚関係になる。戰中は利根川の方に吉田茂と疎開し身の安全を図っている。
岡本太郎は今も人気であるが、武見太郎は多くの人間は知らないであろう。医者連中は今でも医師会のご威光が武見太郎が築いたことを知っている。医者仲間を守るために作られた医師会は我々患者の天敵である。
こういうインチキ医者がトップの地位を占め、武見のところへ行けば吉田茂に会えるというので、多くの人間が竹に診へりくだった。
根性の悪い我の強い親の性格がそのまま息子に移ったのである。
金もある地縁関係も悪くない、しかし根性だけは汚い。ついでにいうと下手くそな演奏をする女房が音楽の教授をやっているからずっこける。
それでも麻生太郎と親戚にあり、麻生の妹が三笠宮と結婚している以上武見も閨閥のお仲間である。
この点では庶民の我々は文句の言いようがない。
桑原桑原の蛤は口をしっかりむすび黙っているしかない。