元盲導犬*シルクのゆるゆる日記。

盲導犬を引退し9年ぶりにパピーウォーカーの元へ帰宅。お仕事も忘れ、ザ・ぐ~たらな自由すぎるゆるゆる定年生活♪

あれから・・・

2009年04月09日 | パピーとのお別れ
入所式を終え、5日目・・・。
式当日は大勢の人もいたし、自分も今考えると相当気が張って
いたらしく、思ってたより大丈夫だったと思ってたのですが
その日よりも翌日から、どどーっと悲しみと「いない」現実が襲ってきました。

シルクがいない!シルクがいない!
どこかに隠れていそうで、目で探してしまっては
泣いてばっかりで・・・。
名前を呼んでは泣き・・。
ドアの陰からひょっこり出てきそうで、いない現実を
直視できませんでした。心がずっとざわざわして落ち着かず、
外に出ても時間が気になって、そうだ、いないんだということに
気付いては泣き・・。
入所式の写真を見るのと思いだすのは胸が詰まって。。
正直本当につらかったです。

ですが、たくさんの方からの温かいコメントや
励ましの言葉などを頂いて、少しずつ元気を取り戻してきました。
一人では乗り越えられなかったかも・・。
心から感謝しています。
改めてありがとうございました

あの日からずっと穏やかな良い天気で
それも良かったです。
自分にもそうだし、何となく晴れてるとシルクも
元気でいてくれてるような気がしました。


シルクは去年の今頃、ひょっこりやってきて
0歳から成人式までを突っ走り、風のように去って行っちゃった
・・・なんかそんな感覚です。




去年、委託式に行けなかった我が家は一週遅れで迎えに行きました。
「この子がシルクですよー」職員さんが連れてきました。
初めて見る茶色のしわしわっこ
既に8キロあったため、渡された時のずっしりした重さ、
抱っこしてすぐにペロペロ顔をなめてくれたこと。
子犬特有のミルクくさいようなにおい。
その場でワンツーをさせてみたら、チーとしてくれたこと。
全て鮮明に覚えています。

初めてうちに来た時


  1週間たったころ






いつかお返しする・・、このことを人間は知ってるけど
ワンコは突然で、捨てられたと思われないか、裏切られたと思われないか
私たちのこと嫌いになるんじゃないか・・・
色々心配してたんです。

でもあのシッポを振って前だけを見て歩いて行ったシルクを見て
その心配は杞憂だったのかもしれないと思いました。
甘えん坊のシルクが前を向いて歩いて行ったことに
今はホッとするのと共に励まされます。

各家庭で愛情たっぷりに育てられて子たちです。
きっと大丈夫だと信じようと・・。
置いて行かれたのは人間の方で、心配するのは自分の方だった
・・そんな気もします


辛い悲しいと言ってると、やっぱりPWなんて辛いだけなんだ
絶対やるもんじゃない、などと思われてしまうかもしれませんが
決してそれだけではありませんでした。
100%悲しみだけかと思ったけど、
無事に送り出せた安堵感や1年やり遂げた達成感?
みたいなものもちょっと感じることができました。
確かに悲しいのですが、パピーから与えられたものは測り知れず
本当に幸せで楽しい毎日でした。

一番の成長期を一緒に過ごせて、驚いたり心配したり笑ったり
泣いたり怒ったり・・・、毎日新鮮でした。


1日2時間以上も苦もなく歩けたのもシルクのおかげ、
新居に越したばっかりの中で、色んな道をたくさん覚えたのも、
季節を感じられたのも、1年を一生懸命過ごせたのも
、ご近所に知り合いができたのも、たくさんの素敵な方たちと
知り合えたのもシルクのおかげ
こうしてブログを書いて、多くの方と知り合うことができたのも

シルクの与えてくれたものは測り知れません。

ありがとう、シルク

 協会に出した写真



これからシルクがどんな道に進むのかは分かりませんが
ずっと見守っていきたいと思います。


旅立ち

2009年04月05日 | パピーとのお別れ
シルクホームステイ365日目

今日365日目は、ついにシルクは我が家のホームステイを終え
実家(訓練センター)に帰る日です。

今まで、そして昨日泣きすぎたおかげか、朝は落ち着いた気持ちで
目覚めることができました。

ゆっくりとみんなで最後のお散歩へ。
今まで何度となく歩いた道の総集編です。


小学校の前で・・。

 シルクも今日はピカピカの1年生だね


いつもの公園だけど、いつもと違った景色に見えてしまいます。

 今日はシルクの門出の日なんだよ



最後に屋上でボール投げもしました。


引っ張りっこもしました。

 このお顔が大好きだったよ



だんだん出かける時間が迫ってきました。
私が洗面所にいる間に、泣かすまいと思った旦那が気を使ったのか
ハウスを片づけ始めました。

戻ってみると、シルクは寂しそうな不思議そうな顔をして
じーっと見ていました。



この写真を見るのが一番切なくなります。
今でもこの時のシルクを思い浮かべると涙が
止まらなくなります。

犬は全部分かってる、という人もいます。
もし、シルクが何かを感じたとしたらこの時に何かを
悟ったのかもしれません。
ハウスをたたんで、玄関に置いても、その周りをうろうろと
していました。

見ていられなくなり、慌てて
身支度をして、必死で頭を切り変えようとしました。



いよいよセンターへ到着。

大勢の人と犬。入所する子たちのパパ・ママ犬なども
来てくれていました

シルクのママには会えませんでしたが、グランマのドルチェちゃん。


そして初対面、パパ犬のクリス



幸いしんみりした感じではなく、明るい雰囲気で進みました。


式が始まり、今後の説明などスライドで見てたのですが
正直何一つ覚えていません・・。

その後胎ごとに呼ばれ下で写真撮影。

Sは最後なので、兄弟やパパと写真を撮りました。

親子ツーショット


 左からセント・シルク・クリスパパ・スパイク・サニー

今まで1度たりとも兄弟で動かずまともな写真を撮れたことが
ないのに、不思議とこの日はちゃんと撮れたのです。


この後S胎の家族写真や全体写真。

 初ハーネス

見たら涙があふれてきそうでしたが、
これが終わるまでは泣くまいと必死で自分と戦っていました。

写真が終わって、訓練士さんがやってきました。
首輪を付け替えられたところで、もうダメー
限界でした。
ほんとにシルクが行っちゃう
しがみついて泣きました。

訳が分からず呆然と泣いてると、「最後まで見送ってあげて下さい」との声。
ハッと我に帰り、シルクを追いかけました。






シルクは振り返らずしっぽを振って行ってしまいました。
何も疑問に思わず、何の警戒もせず、軽やかに楽しそうに。
呼べば振り返ったのかもしれません。
でももしそうしたらその映像がずっと頭から離れずトラウマに
なってしまいそうで、できませんでした。
振り返らないで行ってくれたことは私にとっては救いでした。


シルクー、大好きだよ。これからもずっと
離れてもシルクはかけがえのない存在で、家族です。
シルクの健康と幸せを、ずっとずっと祈ってるからね。




シルクは我が家を卒業し、訓練犬になりました。
委託の時から頭のどこかで、いつかくる入所の日に怯えてました。
今までもへこんだり泣いたりすることもありましたが
そんなヘタレでも何とかシルクを見送ってあげることができました。


お世話になった方々、読んで下さった方々、どうもありがとうございました。



遊び納め

2009年04月04日 | パピーウォーカー(パピー時代)
シルクホームステイ364日目

いよいよ入所前日です。
お花見は昨日できたし、今日は人もすごそうなので
最後は海の公園で、思いっきり走って遊ぶことにしました
自分も海を見れば少し気持ちも落ち着きそうな気がしました。


さあ、シルク一緒に走ろう~










海にもちょっと入ったので、汚れちゃいました



でもいいんだよ今日は思いっきり遊ぼうね




シルクの嬉しそうな顔を見るとこちらまで嬉しくなります

  可愛いシルク

ずっと一緒にいたいけど・・・
         



 桜のトンネルを通って帰りました。


帰ってから最後のシャンプーです。
シルク、お風呂は好きじゃないので神妙な面持ちです。




 綺麗になりました~


 お布団をくしゃくしゃにして寝ました



私もシルクにぴっとりとくっついてお昼寝しました。
いくらくっついても、これでもう満足!と思えません。。
明日からこのぬくもりがない・・。
自然と涙があふれてきます。

今色々と回想すると泣けてくるので、今日はやめておきます。。
今日だけでもしゃべれれば良いのに・・。
シルク、うちに来てくれてありがとう



夕飯はマンションの友人がドリアを作って差し入れしてくれました
ご飯を作る時間ももったいなかったのでありがたかったです。

みなさんに支えられて続けてこられた気がします。。


1年間という、当初思ったより長い委託期間で
自分なりに納得できている部分もあります。
シルクの委託はちょうど365日ぴったり
これほどぴったりなのも珍しいと思います。
少し気持ちの区切りがつけやすくなりました。


以前先輩PWさんがおっしゃっていました。
全寮制の学校に入れたつもりで納得するようにしている、と。
永遠の別れじゃないと。
別のベテランPWさんもおっしゃっていました。
別れは寂しいけど、パピー達はみんな幸せになっている。
続けてきて良かった、と。
その言葉を励みに・・。




お花見

2009年04月03日 | パピーウォーカー(パピー時代)
シルクホームステイ363日目

最後の平日、旦那がお休みを取れたので
何度目かのお花見へ。今日は良さそうだよ~!



綺麗だね~




 平日だけどたくさんの人


  これがお花見っていうんだよ


  シルクはちょうど去年の桜の時期に来たんだよ
覚えてる 


 

今年は寒かったから、ちょどシルクの入学まで桜が待っててくれたんだね。
シルクと一緒に大好きな桜を見れてほんとに嬉しいよ




1年はほんとに早かったね。
充実してたからそう思うんだね。シルクのおかげでたくさんの経験や
思い出ができました。
四季を一通り全部楽しめました。ほんとに楽しかったよ


明後日は桜が満開の中の入学となりそうです。
その前にまだ色んな書類やアンケート、医療費の精算を書かなければ
なりません。
泣くのはまだ早い
最後の最後までシルクとの時を大切にしたいと思います。





警戒吠え?

2009年04月01日 | パピーウォーカー(パピー時代)
シルクホームステイ361日目

4月に入りました。
今週は夫が毎朝5時起きで散歩に行ってくれてます。
夜も遅いのに頑張ってます。
今までも週1位は行けそうな時に行ってくれてたのですが、
最後のラストスパート
や、やればできる

期限があるPWはお別ればかりが強調されてしまいますが、
逆に期限があるからこそできること、頑張れること
毎日を大切に思えること、そういうこともあると思いました。
自分的には、とても濃い充実した日々を送ることができました。




今さらですが、シルクが今日初めて家の中から外に向かって
警戒吠えをしたんです
急に額にしわを寄せ、小さい声ですが ウォン・・・ウォンと2回。
寝室の方で声が聞こえたので、見てみると
これ



窓の外にかかってるのは朝使ったシルクのレインコート
ま、確かにこうして見ると怖いわ・・


今まで吠えなかったのは、単にうちがマンションで、
シルクの目の高さから直接外が見えなかったからだけ
なんじゃないかな
だからこんなに警戒心がない子になったのか
一戸建てのように、窓も多くて、外を人が歩く気配がしたり、
庭にネコが通ったりするのが見えたりするようになれば、多分シルクも
吠えるようになるんじゃないかなあと思いました。
入所目前に、新たな発見


 お昼寝中