【ML251 (Marketing Lab 251)】文化マーケティング・トレンド分析

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【私見】 ホントに「60年代への揺り戻し」で「ロックが流行る」のでしょうか?

2015年01月29日 | 徒然
『DIAMOND online』のこのコラムを読むまで、竹井善昭氏のことは存じておりませんでしたが、輝かしいキャリアのマーケティング・コンサルタントさんのようですね。
が、このコラムには違和感が。「破壊衝動に革命思想」「60年代への揺り戻し」なんて私には到底、感じられません。。
『DIAMOND online』の記事ですし、勢いよく景気が良くなることを期待してのコラムでしょう。
竹井氏は、ロック的な女性アーティストが目立つと仰せですが、それは「表層」のことじゃないかな? たしかにそんなアーティストさんはいますけど。

「ロックの時代」になって女性ロッカーが輩出されているのではなく、「多様化」した現在、女性が今まで男性優位だった多くの領域にポジョションを築くようになったことのほうが本質だ、と私は見ています。
JRの運転手さんと車掌さんがともに女性、という光景も珍しくなくなりましたが、根本的にはそれと同じ現象なのです。
メタルアイドルの「BABYMETAL」にしても、バラエティー豊かなジャンルを包括する多様性(ハードコアまで・・)をもった「アイドルというフォーマット」の一つのジャンルに過ぎません。

「感性トレンド」「ブレインサイクル」(黒川伊保子氏)では、2013年が「女性脳」の時代のピークでした。
男性にも「女性脳」はあるわけで、何も「女性脳」の時代は女性優位というわけではないのですが、女性的な感性があらゆる領域で優位になる時代です。
自動車のフォルムでは、2000年代の日産マーチがわかりやすい典型例で、これからは徐々に「角目」のフォルムに移行していくはずです。
が、しかし、ピークを終え下降線を辿るとはいえ、まだ「女性脳」の時代は続いているわけで、インダストリアルで無機的なデザイン、YMOのようなテクノがロックの一カテゴリとして世界で流行るような時期はまだまだ先です。
実際、最近の国内男性ロックバンドのテーストは、「反逆」どころか、正しいのかさえわからない「正解」を語ることのためらいのほうが主流じゃないかと思います。

また、竹井氏のロックの定義もステレオタイプかと思います。
重箱の隅をつつくような言い方になりますが、「ミオヤマザキ」の「民法第709条」は不倫の歌で、竹井氏は「本妻と愛人の激しいバトルみたいな歌で、内容的にはロックでもなんでもない」と仰せですが、私はロックだと思いますよ。
逆に、シシド・カフカもロックはロックですが、「革命思想」どころか反逆精神は感じません。恋愛至上主義者じゃないでしょうか?
70年代の『危険なふたり』(ジュリー)が「肉食系」女子の『キケンなふたり』になるまでの40年という年月が長かったのか短かったのかはわかりませんが。

一言でいえば、まるで「全共闘世代オヤジの懐古自慢」のドヤドヤ感(間違ってたらゴメンなさい)。

「ところで、冒頭で書いたように、ロックなものが流行るとなぜ景気が良くなるのか?? それは、ロックが50代オヤジと若者をつなぐ、マルチターゲットなマーケティングテーマとなるからだ。」

「50代男性のみなさんは、今年はぜひ、若い女性をシシド・カフカのライブに誘って、ライブ後は焼き肉を食べながら社会貢献を語る。そんなデートをしてほしいと思う。そんなオヤジが増えれば、日本の景気ももっと良くなるのではないだろうか。」


正直、そうできる人は羨ましいです。
自分の「美学」を基準に「超ダサ」「イタイ」 と蔑みつつも心の奥では実は羨ましい、、という状態は「心の捻じれ」で、ずっとそんな態度をとっていたのが、かつての私でした。
「肉食系」(能動的)ではなく「川魚系」(受動的)の私、シシド・カフカは好きなんで、そういう機会を作ってくれる女性がいれば大歓迎です・・。
ま、竹井氏の定義に従えば、私は「ロック」ではないのかもしれませんが、それはそれとして(~o~;)。

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